「強く願うと、願いは叶う」を実感
――映画の話をおうかがいできればと思います。20歳を過ぎて女子高生役を…(笑)。先日、実は真野さんにもインタビューをさせていただいたんですが、同じようなお話をおうかがいして…。
真野ちゃんは、全然違和感なかったです!!
――皆さんも同じくらいの年齢でしたが、違和感がなかったですね。個人的にはどうでしょう、久々にこういう格好は?
いや、個人的には私、違和感がないと思っているのですが・・・気持ちがまだ学生なのかもしれないです(笑)。本当はよくないかもしれませんけど。でも気持ちは若くいたいなと思っているので!またこの仕事をしている方って、気持ちが若い人が多いと思うんですよね。
――本作は2016年に撮影をおこなっていて、1回度トラブルがあり撮影を中断し、その後1年を経て撮影を再開したということもあり、山を越え谷を越えて完成にたどりついたわけですが、その意味で今、完成したということについてはどう思われましたか?
やっとか、という思いです。まずは公開されることが決まり、本当によかったと思います。実は公開自体も危うかったのですが、撮影が中断した後にみんなで集まり“これは絶対に世の中に出したいよね”という話をしていました。だから思いって、強ければ強いほど本当に叶ったりするんだということを実感しました。
もちろんこうなったのは、すごくたくさんの大人の方が動いてくださってということがあってのことだと思いますが、その上にまず“ちゃんと公開したい”“届けたい”という気持ちがあったからこそ、公開につながったんだと思うので、本当によかったです。
――アクシデントが起きて撮影が中止になると聞いたときの気持ちはどのようなものだったのでしょう?皆さんは“ああ、もう駄目だ…”という感じだったのか?
いや、駄目だとは思わなかったんじゃないかなと。私は“全然、撮影するでしょ?”と思っていました。私自身はクランクインする前から結構この役に対しても、作品に対しても思い入れが強かったので。何かこの役は、すごく自分の中に染みる役だと感じていたこともあって、そう思っていました。
――この映画のみんなで顔合わせするタイミングがあったと思いますが、その前からそう思われていたということでしょうか?
そうですね、まずは本を読んだときに、すごく自分の中に“ビビッ!”とした印象がきて、これは面白いなと思いました。だから自分としては「このキリの役は、絶対にやりたい」と思って受けたんです。なので、このキリの役をちゃんと届けたいという気持ちがあって、普通に撮り終えられると思っていました。中断したけど逆に“これは何とかして世の中に出したい”と改めて強く思いました。
――そのアクシデントでは、キャストの一人がこの映画の撮影に参加できなくなったというものですが、この成り行きは映画の本編のストーリーにすごくオーバーラップするような雰囲気もありますよね。実際にそういうところにも何か皆さんも通ずることを感じられていたのでしょうか?
どうでしょうか…でもみんな多分、それぞれがこの作品に結構懸けていたところがあると思うんです。少なくとも私はそう思っていたし。この映画は多分すごく自分に染みたんです、このストーリーにも、役柄にも。また登場人物の一人ひとりにもすごく共感しました。だからみんなが、絶対公開したいという気持ちをすごく強く持っていたんだと思います。
――自分に近い部分があったから、ということでしょうか? みんなそれぞれがそう思われていたと?
そうですね、みんなそれぞれに役柄に近い部分があったと思います。それぞれの性格が、本当に役にピッタリでした。
――また清水さんは真野さんとの共演シーンも多いですが、キリの田舎の、実家のお母さん役を務められていた工藤夕貴さんの存在もありました。この役もすごく印象的な感じもありましたが、いかがでしょう、工藤さんの印象は?
素晴らしい女優さんだと思いました。いろんな作品を見せていただいて、元々そのときからすごく開放的な芝居をされる方だなと思っていたのですが、一緒にお芝居をさせていただいたことで、キャッチボールをしてくれるというか、共演シーンではちゃんと人と人がキャッチーボールをしている感覚を受けました。
“セリフを言っている”というよりも、言葉のキャッチボールがうまく渡っている感じがして、私が多分ちょっと斜めのボールを投げてしまっても、工藤さんのほうががちゃんと直してくれる感じもありました。
――では演技上も工藤さんの演技にかなり触発されて、という感じで?
そうですね。とても、助けていただきました。私の至らぬ演技を変えてくださったという部分もあったと思います。勉強になりましたし、すごく現場が楽しかったです。
――ご自身の印象として、インパクトのあった箇所はどんなところでしょう?
キリと母親との、最後のアーケードのシーンは見て頂きたいです。あと中盤に出てくる、シリアスなシーンですね。撮影現場での緊迫感もそうですし、みんなの集中力が高かったです。そんな部分に、是非注目していただきたいです。