THE BEAT GARDEN「土台が出来た1年」支えてくれたファンへの想い
INTERVIEW

THE BEAT GARDEN「土台が出来た1年」支えてくれたファンへの想い


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年11月29日

読了時間:約14分

新しい音楽性をみつけ土台が出来た1年

――今年ももうすぐ終わってしまいますね。ちょっと早いですけど2018年は皆さんいかがでしたか。

MASATO 今年に入ってから、エレクトリックダンスロックからポップスにシフトしていった感覚なんですけど、新しいことへの不安も少しありました。2曲、3曲とリリース出来てきた中で、Beemer(ファンの呼称)の皆さんや、まだBeemerとまではいかない皆さんも振り向いてくださって、僕たちが歌っていくことに自信が持てました。それもあって新しい音楽性をみつけられた、土台が出来た1年だったなと思います。

MASATO

REI 今年は3作品リリースさせて頂いて、色んなイベントにも出演させて頂いて、その中で自分たちがやっていきたいことが明確になった1年でした。今作がこの3曲になったのも、いま自分たちがより伝えたいものにフォーカスを当てた3曲にしたいなという思いからなんです。今作はそれが一つにまとまった作品になったのではないかなと思います。

REI

――様々なイベントに出演されていましたが、特に印象に残っているライブは?

REI どれも印象に残っているのですが、『SUMMER SONIC 2018』は特に残っています。オープニングアクトとして出演させて頂いたんですけど、曲や音で会話ができている、通じ合っているなという感覚がありました。このライブでこれから追求していきたいところが少し見えた気がしました。

――続いて、SATORUさんの2018年はいかがでした。

SATORU 僕は髪の毛を金髪にしたことが一番大きかったです。というのも、黒髪だった時代はライブハウスなどに出演した時にスタッフさんに間違えられることが多かったんです(笑)。なぜか4人いる中で僕だけ名刺もらったりとか…。それも今ではなくなったんですけど。

SATORU

 あとw-inds.さんを始め、今まで出会えなかった人たちに出会えた1年だったなと思います。REIもw-inds.の(橘)慶太さんの家にお呼ばれしたり。今まではイベントに出ても楽屋では4人でいることが多くて、他のアーティストさんとの交流が少なかったんですけど、今年は割と社交的になれた1年でもありました。初の主催イベント「KOKOROZASHI ALIVE」もやれましたし。

――アーティストさんで引っ込み思案だったり、人見知りの方もいますけど、皆さんも割とそっちの方だった?

MASATO 僕はそうでもなくて、昔は「俺の歌を聴いてくれ」ぐらいの意識でした。THE BEAT GARDENを結成してから、引っ込み思案になった感じで。

U そうなんだ! REIは人見知りするタイプだったけど、最近変わってきたよね。

――そうなんですね。さて、Uさんの2018年は?

U 昨年までの僕らは、心と身体が自然と揺れるものを突き詰めていこうと思っている時期があって、音の形を気にして英詞にしたりしていました。今年に入ってからほとんど日本語で書いているんですけど、等身大のものを歌わないと伝わらないんだということをすごく感じた1年でした。前作「花火」のカップリングに収録した「あのね」という曲で自分たちが思っていた以上に、色んな人に伝わったなと感じていて、今歌っている言葉は、今の僕たちが歌うべきことで、歌いたいことなんです。それをBeemerのみんなが認めてくれたみたいで、すごく嬉しかったです。

U

――「あのね」が届いたことは大きな一歩だったんですね。

U そうですね。今は思っていることを正直に書くようにしたのが大きかったなと思います。でもそれが、本音として聴く人に伝わってしまう怖さがあったし、曲の変化への不安はありました。そういったものを3作出してきて、ピントが合ってきたなと感じています。

――そして、今作「そんな日々が続いていくこと」はミディアムバラードを1曲目に持ってきたのも、この1年間の流れがあったからで。

U そうです。メロディと歌詞をもっとしっかりと伝えたいと思って、「そんな日々が続いていくこと」をリード曲にしました。4人がそれを強く思ったので。

REI 最初、ミディアムバラードを作りたいねという話が4人の話合いで出て、まず僕がバース(AメロやBメロ)の部分を作りました。そのあとにサビのメロディをUさんが考えてくれて。

U 良いバースが出来たと報告があって、REIの家に行って作業しました。でもサビが出てこないということだったので、僕がチャレンジさせてもらって。

――作曲時はだいたい2人で作業することが多いんですか。

U そうですね。メロディが出来たらMASATOとSATORUに送って、意見をもらいます。今回、2人からの意見が今までで一番あったんじゃないかなと思います。

――MASATOさんはこの曲を聴いて最初どう思われましたか。

MASATO 今までそんなことはなかったんですけど、「そんな日々が続いていくこと」はめちゃくちゃ違和感がありました。「これでいいのかな」みたいな。今回は自分だったらこうするのにというのが、けっこう強くあって…。今回メロディにこだわって作ってくれているんですけど、歌詞もついてトラックも出来ていくうちに、良い違和感に変わっていったんです。今ではもうこれしかないというところまで来ているので、違和感が良い違和感に変わるという、それがお客さんにも同じように捉えてもらえたら面白いかなと思いました。

SATORU 歌詞を最初に読んだ時は温かくて、情景が浮かびやすい歌詞だなと思いました。最初、サビ頭の<ずっと>という言葉が入っていませんでした。それによって「ちょっとものたりないなあ」と感じていて、2人に相談して今の形になりました。

――皆さんは曲を作り上げていく上で、それぞれ大切にしているポイントはありますか。グラフにした場合、出っ張っているパラメーターと言いますか。

U 僕は歌詞を書いているということもあって、歌詞が飛び出している部分かなと思っていますけど、その中でもサビでのユニゾンの聴こえ方です。僕らはサビをハモらずにユニゾンで歌うことが多いんです。どの曲も意識している部分ではあります。1本だったら良いけど、3本入ったらくどいよねみたいな話も良くするんですよ。

――サビでのユニゾンはこだわりだったんですね。

U 結成当初からそうでした。同じ事務所のファンモン(FUNKY MONKEY BABYS)さんもユニゾンしていて、そのまっすぐな熱量は聴いていて、圧倒される、響くものがあるなと感じていました。分けることは後からでも出来るし、まずはユニゾンを基本にやっていこうと決めました。

――REIさんのポイントは?

REI 僕はメロディです。曲を聴く時って、街中で聴いたり、ヘッドフォンなど色んなシチュエーションがあると思うんですけど、まずはメロディが良くないと残らないなと思っています。それもあって、歌詞もトラックももちろん大事なんですけど、メロディを主にして考えることが多いです。

MASATO 僕もメロディから入ることが多いです。その中で最初に聴いたときの感じ方をすごく重視しています。スキャットだけのメロディを聴いても、自分なりの情景が浮かぶことだったり、こういう曲にして欲しいといったイメージが湧くかどうかというところ大事にしています。

SATORU 僕はBeemerの人たちも含めて、初めて聴く人たちがどういう表情をして聴くのかなというところをポイントに置いています。今回3曲とも色が違うので、披露する前はすごく気になるところなんです。

――表情というところでは、「そんな日々が続いていくこと」のMVでのSATORUさんの立ち振舞にも注目したいなと思います。

SATORU ありがとうございます(笑)。この曲は下向きな曲ではなく、前向きな曲だとみんなの共通認識があって、MVでも暗い表情はしないように心掛けました。

――ビートが効いた曲ではないので、リズミックにも出来なくて、表情で勝負みたいなところはありますよね。さて、「そんな日々が続いていくこと」というタイトルも、語りかけるようで良い感じですよね。

U このタイトルはもの凄く悩みまして。今回付属するメイキング映像でもタイトルを言えてなくて。この曲で自分が言いたいことをしなければいけないので、「ずっと」とか「幸せ」とかいろいろ考えました。みんなにもアイデアを求めて、たくさん出してもらって。アー写撮影の終盤で、この<そんな日々が続いていくこと>という、この一行が僕の言いたいことだと気づいて、これに決まりました。

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