THE BEAT GARDENの本音から出た音楽、ニューアルバムで見せるネクストフェーズへの意気
INTERVIEW

THE BEAT GARDEN

本音から出た音楽、ニューアルバムで見せるネクストフェーズへの意気


記者:村上順一

撮影:

掲載:23年07月12日

読了時間:約10分

 THE BEAT GARDENが、4thアルバム『Bell』(6月14日発売)をリリース。THE BEAT GARDENは、U、REI、MASATOの3人組で、2012年に結成され2016年にシングル「Never End」でメジャーデビュー。前作『余光』以来、約1年10ヶ月ぶりのアルバムリリースとなった。アルバムには、昨年配信リリースしたテレビ朝日系木曜ドラマ『六本木クラス』の挿入歌の「Start Over」や「ROMANCE」、「それなのにねぇなんで?」などリリース済みの曲に加え、新曲「心音」やwacciの橋口洋平が提供した「あかり」、ファンへの愛が詰まった「ラブレター」を含む全9曲を収録。メンバーのSATORU脱退後、新体制初のアルバムとして3人の未来への姿勢が存分に詰まった作品に仕上がっている。インタビューでは、アルバム『Bell』の制作背景に迫りながら、7月8日大阪・BIG CATを皮切りに、全国20カ所を回る『THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE TOUR “Bells.”』を開催中の3人に、活動への意気込みを聞いた。【取材=村上順一】

今までの僕らの軌跡を感じてもらえるアルバム

『Bell』通常盤ジャケ写

――久しぶりのアルバムが完成しました。どんなアルバムに仕上がりました?

U 曲作りに関しては楽しくやりきりました。いろんな曲を作ろうとは思ってはなかったのですが、結果としてできた曲たちを並べてみると、今までの僕らの軌跡を感じてもらえたり、いい意味でJ-POPのアルバムとして、THE BEAT GARDENらしい楽曲を綴れたかなと思っています。

――REIさんはアルバムが完成した今どんなことを感じていますか。

REI 今の時代にCDを作れたということがすごく嬉しいです。リリースイベントで全国各地を回っているんですけど、みんなに音楽を届けられているという感覚がすごくあります。「Start Over」で僕らを知って下さった方が増えたので、リリースイベントに足を止めて観てくれる方もすごく増えた感じがしています。

MASATO 音楽と呼べるのかわからないようなことを当時やっていた僕らが、こうやってメジャーで4枚目のアルバムを出せるということに色んな感情があります。出会いと別れがありましたけど、今は携わってくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

――曲順はどのように決めたんですか。

U 「Start Over」が1曲目というのはわかりやすすぎない? とか思ったり、中間に入れた方がいいとか色々アイデアはあったんですけど、「Start Over」を1曲にすることが決まったら、他は自然と決まっていった感覚があります。「ラブレター」が最後というのは満場一致でした。気にしていたのはコード進行で、その曲のアウトロ聞いて、次の曲のイントロ聴きながら、曲と曲の繋がりを考えていました。どの場所にいてもそれぞれが輝いてくれる曲たちができた、という自信はありました。

――昔からそういう考え方で曲順は決めていたんですか?

U ライブのセットリストはその考え方で組んでいましたが、おそらくそれが活きてるんだと思います。アルバムでの曲順でキーやコード進行を考えたのは初めてです。前作のアルバムから今回まででセトリを気にする瞬間がたくさんあったから、自然にそうなったのかなと。「Start Over」で終わらずに、自然と全曲最後まで聴いてもらえたらという思いがあります。

――新たな試みがあった曲は?

REI 「Start Over」をリリースしたあたりからボイトレの先生を変えたのですが、鼻腔共鳴をこのアルバムで更に突き詰めた感じがあります。前までは心を込めて歌う=ビブラートをかけるみたいな表現の仕方しか、僕の引き出しにはなかったんです。シンプルに淡々と歌うことでも言葉が伝わるんだということを、このアルバム制作を通して気づきました。全曲通しての歌い方というのは 、1 つ自分の中で大きなチャレンジだったと思います。

MASATO 今までは自分が歌う意味みたいなもの、イメージを曲に持って臨んでいたのですが、今回は曲としての意味、自分がどう歌うべきかと、これまでとは順序が変わった感覚があります。この曲を自分が歌ってどうなるのかではなく、この曲にある意味を自分が歌います、という感覚になっています。それは曲のメッセージがすごく強いので、自分がこの曲で活きているというよりは、この曲で自分が活きているという感じなんです。ですので、飾らずに曲のメッセージや意味に沿って歌ったという感覚あり、それは新しい試みだったと思います。

――なぜ、そういうモードになったんですか?

MASATO このアルバムが本音だからかもしれないです。今だから作れるこのアルバムで、今までこういうことがしたいとチャレンジは色々してきて、自分が今回のアルバムに持っている曲へのイメージや意味を噛み砕いた時に、自分が歌う意味はもちろんあるんですけど、素直に言葉と意味を曲として届ける、極端ですが自分じゃなくてもいいぐらい素直に歌ったという感覚があります。

――Uさんの新しい試みがあった曲は?

U 僕は「心音」(こころね)という曲なんですけど、みんなの声と自分たちの歌をクロスすると言いますか、僕のイメージではライブでオケもなしで、いつかみんなの声の中で歌えたら嬉しいなと思っている曲なんです。アカペラでみんなが歌っている景色をいつか聴きたいなと思って。シンガロングの部分以外もサビの頭からみんなと一緒に歌いたいなと思ってメロディーを作り直しました。最初は歌いやすくてシンプルなメロディーだったのですが、抑揚つけたいと思い少し複雑にして、でも、やっぱり頭からみんなで歌えた方がいいなとなり、元のシンプルなメロディーに戻しました。色々経てこのメロディーになっているので、サビに入ったら全員で合唱したい、そんな風にメロディーを作る段階から考えて作ったのは初めてのことでした。

――「心音」という言葉は珍しいですね。

U 最初は「その声を」というタイトルでした。<鳴り止まない その声を>と歌っていたので、タイトルもそれがいいなと一度は思ったのですが、「その声を」だと自分の声は入ってないから、ちょっと違うなと思いながらも歌詞を書き終えて。ずっとタイトルだけ気になっていたのですが、ずっと考えてもなかなか出てこなくて。繰り返し歌っていく中で、「心音」という言葉がふと出てきて、こんな言葉は存在するのかと調べたら、ちゃんと存在していたので、「心音」にしました。

wacci橋口洋平の歌詞の凄み

――ちなみに『Bell』というアルバムタイトルはどのような経緯からつけられたのでしょうか?

U 自分の中では3、4つほど候補があったのですが、どれもしっくり来なくて。お風呂に入っているときに『Bell』が思いつきました。

MASATO 今回、決まるのがすごく早かったです。僕らがアイデアを出す前に、このタイトルに決まりました。

――『Bell』の意味合いに“幸せを呼ぶ”というもありますし、誰かが鳴らさないと鳴らない、人との関係値を想起させるなど、すごく意味が深いなと思いました。さて、REIさんは、本作に収録されている歌詞で特にグッときたものは?

REI 「心音」の2サビ終わりの<ひとりで飲み込んでいた痛み聞かせてよ>です。コロナ禍からちょっとずつ普通の生活への兆しが見えてきたタイミングでこの曲が生まれました。ようやくお互いが乗り越えたタイミングで、この曲を一緒に歌えることにすごく意味があるなと思いました。この歌詞を読んで、実際にライブで歌って、歌詞とリンクしている自分がそこにはいて、「本気でぶつかってきてほしい 」そんな気持ちになれました。あと、「あかり」はwacciの橋口さんに提供していただいた曲なのですが、THE BEAT GARDENを他の人に描いてほしいとずっと思っていたので、この曲を経て、今後の曲や歌詞がどう変化していくのか楽しみです。

U 自分たち以外の人に曲を書いてもらうというのは、一つの夢としてありました。

――Uさんから直接、橋口さんにお願いされたとお聞きしています。

U テレビ番組でご一緒させていただいた時にちょっとお話する時間があって、橋口さんに「曲を書いてもらいたい」ということをお伝えさせていただきました。快諾してくださって、素敵な曲を作っていただきました。難しい歌ではあるんですけど、実際歌ってみると歌いやすかったです。おそらく詞先だと思うのですが、メロディーと詞がぴったりハマってるから歌いやすいんだなと思いました。

――Uさんも詞を書かれますが、橋口さんの歌詞で驚いたことはありました?

U Aメロの1行目<君と選んだソファの端っこに 一人ぼっちで腰をかけて 日付が変わるのをただ見ていた おめでとうも送れないのに>はすごいなと思いました。この1行で主人公の感情や状況、今の景色も全部わからせてしまう凄さがありました。一緒に住んでいて、主人公がフラれたということもわかるし、まだその子に想いを馳せているということも、この一行から伝わってきます。

――そう聞くと確かにいろいろ伝わってきます。

U もし自分が歌詞を書いていない人だったら、何気なく通り過ぎてしまう一行だったかもしれないんですけど、スッと「あっ、こういう歌なんだ」とみんな理解できるし、歌詞を書いている人が見たらこれはすごいなと感じると思います。

――では、MASATOさんが特にグッときた歌詞は?

MASATO 新曲の「ラブレター」です。恋人同士の2人が改めて伝えたい想い、いま感じてる想い、さりげないことが恋以上のものなんだと歌詞から垣間見れます。ファンソングとしてみた場合、やっとライブができるようになって、本当に会えて嬉しいという気持ち、君のことが見えなくても、ずっと君のことを見ていたし、今も君のことを見ているという想いすべてが詰まっています。ラブソング、ファンソングどちらの意味に重きを置いて歌ったとしても、ちゃんと愛が伝わるところがすごくいいなと思いました。

――Uさんは新曲で新しい感覚になれた歌詞はありますか。

U 「夏の三角関係」は随所に言葉遊びみたいなものをいれたりして新鮮でした。<お似合いで肌より妬けそうで>は元々1番のAメロだったのですが、このワードが出たことで歌の全体像がすごく見えました。夏感も出ますし、僕のキャラと2人との関係性もわかりやすくしてくれたのは、このフレーズだと思います。<帰り道同じ方向だったのも~>もあまり考えすぎずにスッと出てきてくれた感覚はあって、「夏の三角関係」は、楽しく歌詞を書いていたのを覚えています。

――内容はすごくリアルで、経験したことがある方も多いんじゃないかなと思います。

U これは僕が埼玉の所沢にいた時に体験したことが含まれています。楽曲は江ノ島のイメージなんですけど、所沢も含まれているみたいな(笑)。自分が体験したことをあまり濁さずに書いてみました。

やりたいことを遠慮せずにやっていく

――THE BEAT GARDENの未来像を、今どのようにイメージしていますか。

U いい曲を作っていいライブをするというのは3人とも共通していることなので、それありきであげるとなると、僕はファンクラブの「ウラ庭」をもっと充実させたいという欲が高まっています。コンテンツやイベントなどもっと面白いもの考えていきたい。年に1回すごく大きな会場を押さえたら、僕らに興味がある人がたくさん来てくれて、その会場が埋まるというのは1つの理想ですけど、みんなが「私、Beemer(ファンの呼称)です」と言うようになってくれて、ちょっとずつステップアップしていくグループだと思うんです。ですので、僕らはこれからも「ウラ庭」とリンクし続けていくと思います。きっと僕らのことを好きになってくれた人は「ウラ庭」に入ることも同時に決めてくれると思っているので、もっと想像ができないくらい楽しい場所にしたいです。

REI やりたいことを遠慮せずにやっていくタームだなと思っています。それは尖ったこととかそういうことではなく、伝えたいことだったり、何か形にしたいこと、トライしていきたいことを自分目線でどんどんやっていく。その結果が今後のTHE BEAT GARDENに繋がっていけばといま動いています。やってみたいことはいろいろあるんですけど、まだお話しできないのですが、どんどん具現化できるような年にしていけたらいいなと思っています。

――すごく楽しみですね!

U REIは完成系をプレゼンしてくるタイプなので、その過程は見えない、見せてはくれなくて。自分の中で完成してから披露してくれるので、僕らもすごく楽しみなんです。トラックとかも知らぬ前にレベルが上がったり、演奏もそうですけど、サプライズがあります。

――MASATOさんはどんな未来を描いていますか。

MASATO 過去にとらわれても過去は変えられないし、未来を見ても正直どうなるか分からない。現在を見つめてきた結果、今になっているんだとしたら、いま自分ができる最善を尽くすということに尽きると思います。でも、もし何か今後できるとしたら、楽曲提供をしてみたいです。今回のアルバムは僕らの本音から出た音楽、それがジャンルとして確立できたような気がしています。もし僕らの音楽性を自分たちに落とし込んで作ってほしいという人がいたら、それはTHE BEAT GARDENらしい曲というのがあるということになります。今回、橋口さんに提供していただいたこともそうですし、逆に提供できるタイミングがあったら面白いなと思います。

――最後に全国ワンマンライブツアー『THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE TOUR “Bells.”』への意気込みをお願いします。

U アルバム曲を中心に、音源のままではなくて、ライブで一番いい形でお披露目できたらと思っています。アルバムを聴いていいなと思った方はもちろん、THE BEAT GARDENのライブに何度も足を運んでいただいた方も楽しんでいただける時間に絶対しますので、是非遊びに来てください!

(おわり)

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