そらる、なぜ支持を集めるのか 「歌う」「作る」ことの本質 シーンと共に歩んだ10年
INTERVIEW

そらる、なぜ支持を集めるのか 「歌う」「作る」ことの本質 シーンと共に歩んだ10年


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年11月28日

読了時間:約16分

歌詞の秘密、言葉が限定されないように

――カップリングの「ゆきどけ」はロックバラードですよね。

 自分はロックバラードが好きでライブでもよく歌わせてもらうんです。自分が好きに作ろうというところがあったので、ロックバラードを書きたいなというところがありました。自分が言いたいことを一つ決めて、それを自分がそのまま書くというより、言いたいことを隠すというか織り交ぜて書くということが結構多くて、この曲もそういう風に男の子と女の子がいて、病室から離れることができない女の子と、それでも一緒にいたいと願っている男の子の必ず決まっている別れを、<ゆきもかならずとけてしまう>というところと合わせて書いた曲ですね。

――物語があって、それはさらっと書いた感じでしょうか? それとも小説のようにある程度書いた?

 どっちもありますね。最初にある程度の話を書いちゃうこともありますね。今回はそうじゃなかったですけど。高校生の頃にブログを書いたりしてたんですけど、それをやっていたら有志の人が集まって、日替わりで短編の話を毎日書いているところに「文章が面白いから一緒にやらないか?」と誘われて、そこでちょっとしたお話とかを書いていた時期があって。黒歴史ですよね(笑)。お話を書くのとかはそのときから好きで。今は誰にも読ませないですけど、曲を作るときに曲に合わせて歌詞を書いていくと言葉が限定されていっちゃうので、とりあえず話を書いてその中から使える言葉を抜き出して書いていくようなこととか、おおまかなストーリーは決めちゃって、ということはやったりします。

――ゆくゆくは小説を書くというのもありえる?

 今のところわからないです(笑)。それはそれで勉強をして。やっぱり技術必要なものなので。自分がそれを手段の一つとしてやっているだけなので技術的なことは全然ないので。

――言葉のチョイスで特別やっていることはありますか?

 そのときそのときでけっこう調べてとか、本を読みながら書いたりしてますけどね。ちょうどいい言葉を探して、結局そこで腑に落ちた言葉はこの言葉だなというのが自分の言葉だと思うんですよね。どんな言葉も過去の経験から学んできた言葉が出てくる訳じゃないですか? それが遅いか早いかであって、この言葉を使いたいというのが自分の感性であると思っているので。そのときに出てこなかったら調べるというのは抵抗ないというか。結局選んでいるのは自分なので。

――今回は編曲で大西さんが入っていますが、これまでもあったのでしょうか?

 今回楽曲を作るにあたって色んなアレンジャーさんの曲を聴かせて頂いて、自分のイメージに近かった大西さんにお願いしたいことを伝えてお願いしました。

――新しくやる方との制作の中で得るものはありましたか?

 新しい発見とか、単純にクオリティの高さみたいなところも。アレンジの前段階で、けっこうアレンジを詰めた形でお送りしたんです。それを再現してくれたうえでオオニシさんの色を出して頂いたので、曲全体的にブラッシュアップされていて凄く嬉しかったです。デモの段階でアニメ制作サイドの方に聴いてもらわなければいけなかったので、よりイメージに近い形にしてお渡しした方がいいなと思って。タイアップがあるときはデモ段階からアレンジを詰められるようにした方がいいなと自分はいいと思っているので。

――ブラッシュアップされて返ってきたものを聴いてどう感じましたか?

 自分はアレンジを詰めるところまでできないので、アレンジをしたものを聴かせて頂く瞬間は、下手すると曲を作っている中で一番嬉しいくらいの瞬間で、それは今もそう思っていて、それが凄いクオリティだったので、更にイメージと近いものだったのでさすがだなと凄く嬉しかったです。

――来年ツアーがありますが、それについての思いとこれからの活動についてお聞きします。

 今まではツアーをやるときにアルバムを出してそれを持ってアルバムの曲をやるということが多かったんですけど、今回はそうじゃなくて、10周年記念という形のライブだったので、凄い懐かしい曲とか、自分の今までの活動の集大成的なライブを一回やりたいなと考えています。知らない人には「自分はこういうことをやってきた」という紹介になるような、知ってくれている人は「懐かしいな」と思ってもらえるようなものにしたいなという。考えているだけですけど、リクエストライブみたいのをやっている方もいるじゃないですか? そういうセクションをつくったりとか。ファンだと言ってくれる方に寄り添ったライブにしたいと思っています。

――今後、アルバムなどは考えていますか?

 そのうち出すとは思います。今までの活動を大切にして、新しいことに挑戦していきたいなと思います。今までずっと自分一人でやってきたのを今回みたいにタイアップをやらせてもらったりとか、色んな人が関わることによって得られるチャンスとか挑戦できる機会というのもあるじゃないですか? そういうのもありますし、自分個人の活動としても動画投稿とか配信とかが中心ですけど、その中でもやったことのないこととか色々あるので、その都度考えてやったことがないこともやっていきたいなと思います。

(おわり)

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