Rei「存在としてムーブメントを起こしたい」人物像から伝わるハピネスと音楽:「REI」インタビュー
INTERVIEW

Rei「存在としてムーブメントを起こしたい」人物像から伝わるハピネスと音楽:「REI」インタビュー


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年11月07日

読了時間:約13分

一つひとつオートクチュールで作り上げた

――今作『REI』を制作するにあたって一番大変だったところはどこでしたか。

 毎度のことではあるのですが、悔いのないように作るというところです。ひとつ一つの細かいところまで精査していって、このミュージシャンと一緒にやるんだったらこっちのアレンジの方が良いのかなとか。判断を迫られるものが凄く多かったので、迷いながらも正解のない中で正解を探していくという作業が大変でした。

――ゲストミュージシャンも凄く多いので、その組み合わせだけでも確かに大変そうです。

 今回、この人とやりたいというのが先に来たというよりも、曲が呼んでいるプレイヤーという感じで、お友達のミュージシャンをに声をかけさせて頂きました。なので、曲が出来上がっていくと同時に人物像が浮かび上がってきました。

――KenKen(LIFE IS GROOVE、RIZE、Dragon Ash)さんとはレコーディングでは初めてですか?

 そうですね。KenKenさんとは『ライジングサンロックフェスティバル』で中村達也(ex:BLANKEY JET CITY)さんとセッションさせて頂いたのをきっかけに知り合ったんですけど、レコーディングは初めてでした。なので、レコーディングではどのようなプレイをされるのかなという興味がありました。

――レコーディングのスタイルとしては、バックのサウンドは同録でしょうか。

 様々です。「PLANETS」はKenKenさんとみどりん(SOIL & "PIMP" SESSIONS)さんとで “せーの!” でベーシックは録りました。曲によっては一緒に録ったほうがグルーヴが高まる曲もあれば、生演奏と打ち込みの間に空間がある方が聴きやすいものがあったりするので、一つひとつオートクチュールに作り上げていきました。

――常にその曲に合わせた最善の方法を模索していったわけですね。さて、3曲目の「My Name is Rei」は自己紹介ソングですけど、この着想はどのようなものだったのでしょうか。

 これは全体的なイメージから来ました。みんなが気軽に体を動かせるハッピーチューンで、改めて自分の思想とか目指している夢を語れるような、自己紹介の曲があったら、きっとライブでも楽しいかなと思って作りました。

――ライブを想定されて作ることが多いですか。

 よりけりですけど、CDを作る時はCD音源としての作品に集中しているのでライブのことはあまり想定していないこともあります。というのも、ライブではライブならではの楽しみ方を出来るようにと心掛けているので、CDはCDとして精査された完成したものを作って、ライブの時にはそれをぶち壊して、解体してもう一度組み直すというのが楽しい作業なので。

――今作の楽曲たちがライブでどうなるのかも楽しみですね。タイトルで気になったのが「Arabic Yamato」なのですが、これって糊ですよね? なぜこのタイトルになったのでしょうか。

 もともと仮タイトルとして付けていました。愛について歌った曲で、人と人をくっつけるという意味でも糊というのは、合っていると思いましたし、Arabic Yamatoというパッケージのシンプルさというものが、歌詞にも出てくる<シンプルに生きよう>というところと通じ合う部分があるかなと思い、そのまま起用させて頂きました。

――シンプルというのは簡単なようでいて、すごく難しいテーマでもありますよね。

 そうですね。どうしても考えすぎてしまって、“頭でっかち” になってしまうことも私もあります。誰のために音楽をやっていてとか、ただ音楽が好きでというシンプルな理由に立ち返ると、いろんなことがクリアになっていくんです。

――物心ついたときから音楽が身近にあったReiさんですが、なぜ自分は音楽をやっているのか? というところは考えますか。

 そこは考えないですね。オーディエンスの方たちの声も届いて来るじゃないですか? そういったものに影響されないかと言ったら嘘になりますし、求めているものを作りたいという気持ちはあります。その一方で人の為に、ということに尽くしすぎると、自分の本能的な音楽への渇望みたいなものが薄れていく瞬間もあるので、そこでチューニングします。聴いている人もエンジョイできるんだけど、自分が一番かっこいいと思えるものを作るとか、日々考えていたりはします。

――バランスが難しいんですね。ちなみに今、悩みはあったりしますか。

 寝付きが悪いってことぐらいですかね(笑)。すぐに目が覚めてしまうんです。

――おそらく常に考えているからでしょうね。

 なので、いつも横に愛用のモレスキンのノートを置いているんですけど、何か思いついて目が覚めた時は、暗闇のなかでそのノートに絵を描いたり、思いついたアイデアを書いたりします。寝ている時のほうが落ち着いているのかアイデアが出てきやすくて。それを書き留めているうちにどんどん時間が過ぎていってしまうんです。暗闇のなかで書いているので、人物の顔を描いた時は、目が変なところにあったり、ピカソみたいな感じになってしまっていることもありますけど(笑)。

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