2005年に白血病のため亡くなった本田美奈子.さんを偲んで毎年開催されているコンサート『2018 LIVE FOR LIFE「音楽彩」~生きる為に生きる~』(NPO法人リブ・フォー・ライフ美奈子基金・主催)が3日、都内で開催され、早見優や松本伊代、千昌夫ら様々なジャンルの歌手が集まり、「アメイジング・グレイス」などを届けた。

 白血病で38歳の若さでこの世を去った本田美奈子.さん。生前は、「アメイジング・グレイス」に代表されるように圧巻の歌唱力をもって感動を届けた。このイベントは、本田さんの遺志を継ぎ、白血病や難病で苦しんでいる人々を支援するため、生きる喜びや勇気、感動を伝えることをテーマに開催。今回で14回目を迎えた。

 この日、開演に先立ちおこなわれた取材会で、NPO法人リブ・フォー・ライフ美奈子基金の副理事・高杉敬二氏は、『音楽彩』の開催や他団体との連携、各々の活動によって骨髄バンクのドナー登録者数は、初開催時と比べ3倍の約49万人に達していることを報告。その上で「まだまだ足りません。音楽などを通じて難病と闘っている子供たち、その家族を支援していくことをこれからもおこなっていきたい」と語った。

 また、同氏は、この『音楽彩』には、演歌からクラシック、ロックやミュージカルなど様々なジャンルの歌手が参加していることが特徴の一つでもあるとし、「音楽の力で絆を作っていきたい」と意気込んだ。

 さらに、過去に舞台で本田美奈子.さんを演じた田村芽実がこの日のステージに、本田さんの衣装で歌唱することを明かし、「まるで本田美奈子.になり変わるように歌う予定。このステージ上に彼女が浮かび上がってくれると思います」とし、「この舞台にはいろんな思いが詰まっている。出演者はその思いを演じ、歌い、語ってくれます」と期待を寄せた。

 取材会では、出演者のうち16人で「アメージング・グレイス」を披露。ヴァイオリンがリードを取り、ピアノやギター、ベース、ドラムなど多彩な音色が重なり、曲を立体的に描いていく。その上を多彩な歌手が歌い上げた。とても温もりを感じさせる歌だった。

 歌唱を終えた出演者。代表して松本伊代と早見優が挨拶。

 松本伊代は「本田美奈子.ちゃんの思いを皆様に伝えていく日がやってきました。1年は早いです。美奈子ちゃんの思いを伝えるのはもちろんですが、美奈子ちゃんには素晴らしい歌がたくさん残っています。美奈子ちゃんの歌を若い世代の人にも歌い継いでほしいと思う。ステージでも美奈子ちゃんの歌を通して思いが伝わるようにしたい」と語った。

松本伊代

 今年も司会を務める早見優は「美奈子ちゃんが残してくれた楽曲は素晴らしいものばかり。今年も本当に素敵なアーティストの皆さんが美奈子ちゃんのために集まってくれました。難病、闘病生活を送っている人のためのチャリティーコンサート。様々な音が彩る素敵な音楽。美奈子ちゃんはきっと年に1回の素敵なお祭りに耳を傾けて天国から見守ってくれていると思う」と述べた。

早見優

 初開催の時は「涙が止まらなかった」という2人。今では「楽しみながらも美奈子ちゃんの思いを届けるという気持ちが強くなっている」とも述べた。

 また、初参加の涼風真世と一路真輝。2人とも本田さんとはミュージカルで共演経験がある。

 94年開催の『屋根の上のヴァイオリン弾き』で本田さんと共演した涼風は「美奈子ちゃんが次女、私は長女を演じて。いつも『お姉ちゃん、お姉ちゃん』と言って親しんでくださったのは昨日のことのよう。皆さんの思いを歌に乗せて届けたい」と語った。

涼風真世

 96年上演の『王様と私』で共演した一路は「美奈子ちゃんは捕らわれる王妃の役で、若い恋人たち頑張ってとエールを送る歌を歌を、毎日舞台上で歌わせて頂くとき、美奈子ちゃんの純粋でキラキラとした表情が、私の気持ちをどんどんと歌に入れさせてくれた。そういう思い出が蘇ってくる。美奈子ちゃんの純粋な思いは私の中では表情とともに何年経っても変わります。今日はその歌を歌いたい」と述べた。

一路真輝

 ▽出演者
 千昌夫
 松本伊代
 中村あゆみ
 宮沢和史
 早見優
 森口博子
 涼風真世
 今井清隆
 JKim
 一路真輝
 知念里奈
 田村芽実
 大石まどか
 meg
 Shinziro
 平原誠之
 柴田智子

【取材・撮影=木村陽仁】

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