影響を受けて書きたいと思った、THE BACK HORN 住野よるとのコラボで生まれたものとは
INTERVIEW

影響を受けて書きたいと思った、THE BACK HORN 住野よるとのコラボで生まれたものとは


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年11月03日

読了時間:約15分

少年の好奇心からまだ卒業したくない

THE BACK HORN(撮影=冨田味我)

──住野さんとのコラボをきっかけに、THE BACK HORNを聴くようになった人にもぜひ聴いて欲しいのが、先頃リリースされたアルバム『ALL INDIES THE BACK HORN』ですね。20年前のインディーズ時代のアルバムの曲を再録していますが、今でもライブでやっている曲が結構ありますよね、「無限の荒野」とか。

菅波栄純 めちゃめちゃやっています。「冬のミルク」もそうだし。再録した理由の1つは、ベースがインディーズの時とは替わっているから、今のメンバーで録りたかったということです。あと単純に、チャレンジとしてやりたかったのもあって。やったら面白そうだし。

──アレンジを変えた曲はありますか?

山田将司 どれも構成は変えてないけど、各々でソロのフレーズが違っていたりする曲はあります。

菅波栄純 20年もやっているので、解釈や感じ方が徐々に変わって、すでにライブで変わっている曲もあるし。基本的には、今のライブでやっている今の解釈という感じですね。

山田将司 そこにレコーディングならではの、ダビングものやコーラスがプラスされています。

菅波栄純 そういう部分では、ライブでも聴けない新しいバージョンになっていると思います。

──当時の曲について、改めて思うことはありますか?

山田将司 インディーズ時代の曲は、作ったのが10代のころだから、すごく伸び伸びやっているな~って(笑)。

菅波栄純 メロディが、意外にポップな曲がたくさんありました。デビュー後、同年代のすごくロックなバンドと出会ったり、当時のシーンもあって、影響を受けて今みたいに超ロック化していったけど。ポテンシャルとしては、ポップな要素もすごく持っていたのかなって思います。だから、もしかするとめちゃめちゃポップな曲ばかりをやっていたパラレルワールドが、あり得たかもしれないって思うと面白いですね。

──20年前だと、録音機材の面での違いもありますしね。

山田将司 それもあって、今の音で録りたいと思ったんです。

菅波栄純 今グッとくる、パンチのある音にしたかった。さっき話したメロディの際だったポップな曲も、当時はざくっとした音で録っているので、曲の良さを引き立たせる音で録りたかったというのがあります。

山田将司 「甦る陽」なんかは、すごくもったいない録り方をしていたなって思います。どの曲も全部同じ録り方をしていたから、曲はいいのに音質がもったいないって。

菅波栄純 当時の演奏力がまだ足りてなかったのもあるし、再演性があまり感じられなくて。「さらば、あの日」はハードな曲だけど、サビがすごくポップなんですね。今回の音源では、そのポップさが際だった音になっています。

──曲を知っているファンは、違った印象を受けるかもしれませんね。

菅波栄純 聴き比べをしてくれたら、きっと面白いと思います。これまでに『BEST THE BACK HORN』などベストを出すタイミングで5曲再録していて、それも今回収録しているんだけど…。あと残り16曲あって、早くやっちまいたいなと思っていたんです。だから今回全部やれたので、スッキリしました(笑)。

──現在は20周年記念ツアー『「ALL TIME BEST ワンマンツアー」~KYO-MEI祭り~』を回っています。20年という部分で、THE BACK HORNが変わらず第一線でやってこられたのは、何が理由としてあると思いますか?

菅波栄純 それは、分からないです(笑)。

──個人的には、あまり大人の意見を聞かず、ブレずにやってきた姿勢も大きかったと思いますが。

菅波栄純 それは、正直あるかも(笑)。

山田将司 俺らが人の言うことを聞いたからと言って、それでいいものができるわけがないって、きっとスタッフも分かってくれていて。「こいつらにこういう曲を作れと言っても無理だ。じゃあ伸び伸びやらせておいたほうが、いいものを作ってくれる」って。

菅波栄純 それでも見捨てられなかったのは、ありがたいことです。

山田将司 放牧ですよ。基本的に自由だけど、遠くのほうにはちゃんと柵がある。ファンクラブの名前も、『銀河遊牧民』ですから。

菅波栄純 まさか、そこに繋がっていたか(笑)。

──20年の中で、辛かった経験は?

THE BACK HORN

山田将司 それぞれで細かくはあると思うけど、でもやっぱり曲を作ったりライブをやったりすることが、モチベーションとか自分の存在意義になっていたし。常にそこに助けられている部分はありますね。やった分、返してくれるし、自分が心を開けばお客さんも同じくらい開いてくれる。遅ればせながらだけど、20年やってきてやっとそれを分かり始めている感じです。

菅波栄純 将司が言うみたいに、まだまだ初歩的なところにいる気がしていて。音楽の道とか人間の道とか、表現するという部分に関しては、まだまだやることや、やれることが超あるって思う。

──20年やっていても、そう思うんですね。

菅波栄純 気づいたら20年経っちゃったので(笑)。でもそういうゴールのないものなのかなって。だから20周年とか40周年とかになったとして、きっとそのときも「まだまだです」って言っていると思う。

──30年以上やっている、40代、50代の先輩のバンドを見てどんなことを思いますか?

菅波栄純 俺らの先輩と言えばBRAHMANですけど、BRAHMANの方たちからは、すごくいろいろ学んでいます。ベテランと呼ばれる存在なのに、まったく偉そうなところがないし、若手のライブをいつもステージ袖から観ているんです。俺も若手のバンドをステージ袖で観ることが多くて、そんな時に「ああ、あの背中を観ていて、自分はこうなっているんだな」って、ふとした時に受け継いでいるんだなって感じます。怒髪天もそうで、ギターの(上原子)友康さんは、あれだけギターが上手いのに、今も教則本を買って研究していたりするんです。きっと、興味が尽きないんだと思う。俺らもずっとそうありたいと思います。

山田将司 先輩がそこまでやっているのを観ると、自分たちもって思うよね。

──好奇心を持った少年のままなんでしょうね。

菅波栄純 そういう少年の好奇心からは、俺らもまだまだ卒業したくはないですね。

山田将司 ツアーでは、そういう気持ちも感じてもらえたら嬉しいですね。ぜひ当日を楽しみにしていてください!

(おわり)

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