5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』で活躍するDearDreamとKUROFUNEが10月20日と21日に、東京・日本武道館でワンマンライブ『ドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」』のファイナル公演をおこなった。2015年から始まったプロジェクトもこのライブを持って終幕。多くのファンが日本武道館へ駆けつけ、DearDreamとKUROFUNEのラストライブを見届けた。彼らの魅力全開のパフォーマンスは多くの人たちの記憶に刻み込んだ。ダブルアンコール含め全33曲を披露した、21日のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一/撮影=KENTA Suzuki・JOKEI Takahashi・TAKUMI Nakajima】

今日は熱い夜にしましょう!

DearDreamとKUROFUNE

 これでラストという気持ちが少なからず漂う武道館。刻一刻と開演時刻が迫る。定刻になると、間もなくの開演を告げるアナウンスに続いてSEが流れ、オーディエンスのボルテージが高まっていくのを感じる。会場が暗転するとスクリーンには『ドリフェス!』メンバーを一人ずつ、クローズアップする映像が映し出され、歓声がさらにクレッシェンド。映像が終了するとメンバーが威風堂々とステージ上に登場。石原 壮馬(as:天宮 奏)による「いくぞ武道館!」と叫び、銀テープが宙を舞うなか「ALL FOR SMILE!」でラストライブの幕は開けた。DearDreamと、KUROFUNEの合計7人による華々しいパフォーマンスに、早くもクライマックスのような盛り上がりを見せていた。

 「今日は熱い夜にしましょう!」と「NEW STAR EVOLUTION」から、8月にリリースされた2ndアルバム『ALL FOR TOMORROW!!!!!!!』からフラッグを使用したダイナミックなパフォーマンスで魅せた「PLEASURE FLAG」、<僕たちが出逢ったことを誇らせて♪>とファンとの絆を強く感じさせた「Tomorrow’s Song」を勢いよく届けた。

 緊迫感のあるSEが流れるとKUROFUNEの戸谷 公人(as:風間 圭吾)と株元 英彰(as:黒石 勇人) が登場し、「ARRIVAL -KUROFUNE Sail Away-」を披露。KUROFUNE襲来のコール&レスポンスで会場をひとつに。MCでは戸谷が昨日の公演を思い出し「あの景色をもう一度見たい」と客席をブロック分けし、2人のイメージカラーである金と銀のペンライトで色分け。見事なコントラストに「ステージから見ると金の冠みたいにみえる」と喜びを表した。

 この3年間の全てをぶつけるようなステージで、会場はメンバーカラーのカラフルなペンライトで終始埋め尽くされていた。7人もこの光景に「絶景だよ」と嬉しそうな表情を浮かべる。

 派生ユニットによるセクションでは、様々なカラーの楽曲で、彼らの幅の広さを魅せる溝口 琢矢(as:及川 慎)、富田 健太郎(as:佐々木 純哉)による「Symmetric love」は、溝口の「愛してる」のセリフに歓声が飛び、太田 将熙(as:片桐 いつき)、正木 郁(as:沢村 千弦)によるユニット“W-MaSKat”(ダブルマスカット)は「郁となら、将熙とならどこまでも強くなれる!」のセリフから「You are my RIVAL」に突入し会場を沸かせ、そして、KUROFUNEによる「BEST☆★PARTNER」は2人の絆を感じさせた。

 正木のステッキを使用した華やかなパフォーマンスが光った「ハピハピハッピー♪スマイリング☆」、太田の伸びやかな歌声が響き渡った「Wherever I am」、富田の「Dream Painter」では初夏を感じさせるキラキラとした情景を浮かび上がらせ、石原と太田が合流し3人で届けた「Lifetime=Partytime!」ではカラーボールを客席へエアーバズーカで、放り込んでいくパフォーマンス。そして、「この日本武道館を真夏色に染めるぜ!」とDearDreamによる「真夏色ダイアリー」を立て続けに披露し、熱い歌とダンスで武道館に夏を連れ戻した。

 MCでは富田が「ベスト・オブ・ウェーブが見たい」と話し、武道館全体でウェーブを実施。ダイナミックなウェーブにメンバーも大興奮。

 戸谷による壮大なバラードナンバー「RING」、株元のエッジの効いたハードチューン「SINGIN’IS ALIVE」と対照的なソロでの楽曲を届け、溝口の優しさに包まれるようだった「リフレイン」、続いて、石原による「Run After Blowin’ Wind!」では、ペンライトで客席が真っ赤に染まるなか、みんなの声を生で感じようとイヤーモニターを外し、耳を傾ける石原の姿が印象的だった。そして、ステージ前方から吹き出すファイヤーボールがテンションを爆発的に高めたKUROFUNEの「Whole New World」とアグレッシブなナンバーでライブを盛り上げていった。

 ライブもラストスパート。Dear Dreamの「ユメノコドウ」では、スクリーンに映し出されたアニメキャラとシンクロした圧巻のパフォーマンス、続いてKUROFUNEの「Future Voyager」と2組の魅力を存分に発揮したナンバーでオーディエンスを煽情させていく。「ドリフェス!最後の曲といえばこの曲」と本編ラストは「シンアイなる夢へ!」を届けた。<目指す場所は遠いほうがいい>と強いメッセージを歌い放つ5人に、KUROFUNEの2人も合流。ボルテージは最高潮まで高まるなか、7人による圧巻のステージで本編を終了した。

出会ってくれたみんなで『ドリフェス!』

DearDreamとKUROFUNE

 武道館に響き渡る全霊の「イケるっしょ!」コール。その声に応え、再びTシャツに着替えた7人がステージに登場。アンコールは「インフィニティ・スカイ」でスタート。株元が正木をおぶって走り回る姿が印象的だった。そして、各々が『ドリフェス!』への思いを悲喜交々と語った。

 株元「色んなコンテンツでみんなに楽しんで頂いて、武道館という最高のステージを皆さんと一緒に迎えられた僕たちは、本当に幸せものだなと思います。スタッフさんや皆さんのサポートがあって、今ここに立てています。皆さん一人ひとりに感謝しています」。

 戸谷「本当に感謝しかないです。シンプルにありがとうという言葉を伝えたかったことです。『ドリフェス!』は永遠に皆さんの心のなかで生き続けます。どんなことがあってもそれを思い出して頑張っていけたら僕たちも幸せだし、皆さんも幸せになってくれたら嬉しい」。

 正木「Twitterとかで、色々と「楽しかった」とか「笑って終わろう」とかいろいろ呟いたけど、寂しくないわけないじゃん! 3年間『ドリフェス!』がずっと一緒だったんだよ。幸せすぎてどうにかなっちゃうかと思った。『ドリフェス!』は僕の人生であり、僕の青春でした。『ドリフェス!』はみんなが思っていてくれる限り絶対に終わらないんだよ。僕らに色々な夢を与えてくれて本当にありがとう。14人に出会ってくれて本当にありがとう!」

 太田「いろいろ迷っていた時期がありました。でも、『ドリフェス!』やみんなに出会って僕の人生は輝きだしました。僕は今、胸を張って武道館に立っています。みんなは『ドリフェス!』を誇りに思っていて欲しい。過去のものにしたくない。ファイナルだから武道館に立っているわけではないんです。俺たちとみんなの実力で勝ち取った武道館なんです!僕たちと出会ってくれて本当にありがとうございました」。

 富田「声優をやってみて、気持ちを伝えるこの職業は素敵だなと思いました。富田 健太郎と佐々木 純哉は別の人間だけど、互いに尊敬しあっていて、そういったなかで自分を表現しようとしました。今日、武道館に立った時に純哉の気持ちが少しわかった気がしました。やっぱり5次元って素晴らしい、最強だなと思いました。メンバーを見て誇らしいし安心します。これはこれから先も変わらないと思います。皆さんも夢を叶えて下さい。僕は夢を叶えさせていただきました」。

 溝口「『ドリフェス!』が始まる時に(イメージカラー)が「“青”だよ」と言われて正直戸惑いました。青は大好きで憧れの色なんです。憧れる時って自分に共通する何かがあるからか、ないものを持っているからだと思うんです。青に関しては自分とは真逆でした。クールで冷静でカッコいいイメージの青に僕がなるというのは、苦しいかなと思うときもありました。自分とは違うものを演じなければいけないプレッシャーもあって…。メンバーやスタッフさんと一緒に青というイメージを構築していきました。それがなければ今の及川 慎ではなくなっていた。そして、皆さんと会うようになって面と向かって「慎が好きです」と言ってもらえると、頑張ってきて良かったなと思えましたし、これからも慎は僕の理想で追い求めていくことが正しいんだと思いました。直接エールをもらえるこの『ドリフェス!』は素晴らしいと思います。僕は新しい世界が開けたし、皆さんやメンバーと出会えて幸せでした」。

DearDreamとKUROFUNE

 石原「今日ここに見えている人たちだけでも沢山いるんですけど、見えないところにも沢山関わってくれた人達がいます。その人達との積み重ねでここまで来ました。出会いが多かった分、色々な思い出があります。3年という時間でしたが、一番濃い3年間だったと思います。普通3年間で武道館には来れないと思います。僕らは武道館に立てるほどの技術も器もないんです。3年間で出会った人たちがここに連れてきてくれたから本当に誇らしいです。みんなは思いを直接ぶつけられて、その気持ちを受け取って、本当に最高のファイナルステージになったと思います。終わってしまうかも知れないけど、最初から考えたら減るものはないし、むしろ増えたものばかりだと思います。出会ってくれたみんなで『ドリフェス!』なんです。みんなで称え合いましょう!」とそれぞれの思いをぶつけた。

「みんなで色んな気持ちをぶつけ合いましょう!」と「ETERNAL BONDS」で幕は閉じた。だが、鳴り止まない「イケるっしょ!」コールに颯爽とメンバーがステージに。「俺らのステージでもあるけど、みんなのステージでもあるので全員で曲を完成させよう! みんなで一緒に歌いましょう!!」とオープニングでも歌った「ALL FOR SMILE!」をもう一度、武道館にいる全員で歌い上げ、『ドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」』は大団円を迎えた。

 万感の思いが巡ったライブだった。2015年から3年間苦楽を共にした仲間たちが、それぞれの道へ旅だった。一曲一曲にそれぞれの思いを込めてファンに伝えていく。それを受け止め、涙するファンも多かった。最後は夢の地、日本武道館を笑顔で終え有終の美を飾った。14人の想いはファンの心のなかで、きっと生き続けていくことだろうと確信したライブであった。

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