全人類に刺さる音楽、SHERBETS・浅井健一 確固たる信念で紡ぎ出す音の世界
INTERVIEW

全人類に刺さる音楽、SHERBETS・浅井健一 確固たる信念で紡ぎ出す音の世界


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年10月23日

読了時間:約14分

 元BLANKEY JET CITYの浅井健一率いる4人組ロックバンドのSHERBETSが10月24日、ベストアルバム『The Very Best of SHERBETS 「8色目の虹」』をリリースする。結成20周年を迎え、初回限定盤には新曲「愛が起きてる」を含む42曲を収録。通常盤には新曲「Yesterday」と初回盤には収録されていない「君の肩にふれて」を含む15曲を収録している。常に格好良いものを作り続けるという信念のもとに出来上がった曲たちが網羅された、まさに“Very Best”な一枚に仕上がった。これまでの20年を振り返りながら、ベスト盤に収録された曲や、海外進出について「今は海外よりも日本で曲を広めたい」と話す、その真意など浅井健一に話を聞いた。【取材=村上順一】

SHERBETSの自信に繋がった「グレープジュース」

写真・『The Very Best of SHERBETS 「8色目の虹」』初回生産限定盤

――結成20周年ですが、結成時からこんなに長く続くと思っていましたか。

 全く思ってなかったね。

――2011年頃に解散という言葉も出ましたが…。

 たまに雰囲気が悪くなることがあってね(笑)。それを乗り越えてやってきた20年だと思う。ソロやJUDEもやっていたので、休止していた時期もあって、そういう時期があったから、続いたという風にも理解しとるけどね。

――そういう時もありますよね。原点としましては、96年に始動したSHERBETですが、なぜこの名前にしたのでしょうか。

 特に意味はなくて、言葉の雰囲気だね。スッとこの名前を思いつきました。もうあまり覚えてないんだけど、ことの発端はブランキー(BLANKEY JET CITY)のメンバーそれぞれがプロジェクトを作って、やろうという話になったんだと思う。その時に自分は福士(久美子)さんと組んで作ったのがSHERBETで、それがすごく自分にとっては新しい世界だった。それがバンドに発展してSHERBETSになって。ブランキーとは違う世界だったから新鮮だったの覚えてる。

――今回ベストの初回限定盤を聴かせて頂いて、バンドのカラーが刻々と変わっていくのを強く感じることが出来ました。SHERBETSとしてターニングポイントになった曲はありましたか。

 「グレープジュース」かな。メンバーみんなこの曲が気に入っていて、ミュージックビデオもすごく気に入ってるんだよね。みんなで四苦八苦して作ったというのもあって、この曲はSHERBETSの自信に繋がったと思う。

――今作のタイトルは『8色目の虹』ですが、どのような想いが込められているのでしょうか。

 これはマネージャーが付けてくれたんだよね。言葉が良かったからこれでいこうとなって。今回もDISC2に収録されている「Rainbow Surfer」という代表曲があって、それも頭に浮かんだし、『8色目の虹』という言葉を聞いた瞬間に「凄いな」と感じたんだよね。他にも色々候補はあったけどもう忘れちゃった。

――案としてはたくさん出されたんですね。

 アルバムタイトルに関しては、たくさん出すね。タイトルは本当に難しいんだよ。曲単体では歌詞にその言葉があったりするから、そうでもないんだけど。アルバムタイトルはいつも迷うね。

――ベスト盤は浅井さんにとってどのような認識がありますか。

 そのバンドを知ってもらうのに便利な存在かな。ザ・ビートルズの赤盤、青盤を俺も初めに聴いて、そのバンドを知れたし。

――初回限定盤は42曲とすごいボリュームですが、選曲はどのようにされたのでしょうか。

 メンバーそれぞれから意見を出してもらって、それを俺とマネージャーとでまとめたんだわ。それをメンバーに「これでどうだ!」と提示して、いろいろ調整してまとめた。

――先程「グレープジュース」はターニングポイントの1曲として挙げて頂きましたが、他に外せない曲を挙げるとしたらどの曲になりますか。

 「Michelle」かな。理由は単純に格好良いものが出来たからなんだけど。

――この曲の歌詞のモデルはどなたですか?

 自分の小さい時の思い出を題材にして物語を作ったんだよね。友達の家に行ってエレキギターを弾いたりして遊んどった記憶とか。その時に友達が弾いていたギターがレスポールで、歌詞にも言葉数がピッタリだったんだよね。

――浅井さんのイメージにレスポールがなかったので不思議だったのですが、ご友人のギターだったんですね。浅井さんのメインギターはグレッチですが、他に興味のあるギターはありますか。

 興味はあるけど、今持ってるギターで十分なんだよね。だから今は楽器屋にも全然行かない。昔からだけど。機材周りとかは優秀な人がいるので、相談しながらやってる。

――よくアーティストの方が新しい楽器を買うと、そこから新しい曲が出来るという方もいますが、浅井さんに関してはそれは関係ないんですね。

 関係ないね。そんなことになったらギターが増えすぎちゃうじゃん(笑)。

――確かにそうですね(笑)。では、グレッチのギターを手に入れた経緯はどのようなものだったのでしょうか。

 ブランキーでデビューする時にさ、「これで楽器を揃えたら?」って当時のレコード会社が1人100万円くれたんだわ。それで西荻窪のGuitars Marketという楽器屋に買いにいったんだよね。そこでグレッチがあったんで買ったんだわ。

――100万円とかそんな時代もあったんですね。

 今と当時ではもう全然違うよ。今はCDが売れないし、配信がメインになってきてるしね。

――浅井さんとしてはCDを買ってもらって聴いてもらいたいですよね。

 もちろん。CDにはちゃんとジャケットが存在してて、作っている人の思い入れが強く入っているから。モノとしてちゃんと手で触れて欲しいですね。

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