今の時代に必要な言葉「なんとかなるやろう」
――「なんとかなるやん」ってこう聞いたら良い言葉ですよね。コレサワさんは関西出身ですけど、言葉だけでなく考え方も関東、あるいはほかの地域とも違うのかもしれないですよね。
あくまでも私の考えですけど、関西の子たちは「ブス、デブ」って日常的に冗談で使うんです(笑)。だからメンタルは強いと思います。何を言われても冗談で返す、そうしたはたからみたら悪口であっても挨拶程度の感覚だったから何を言われても「うっさい、だまれ」と返す。だけど、そうじゃない習慣の地域はきつくみえるかもしれないですよね。私の関西弁はきついという人もいて、上京した時に「コレちゃんの言葉結構きついから傷つく」と言われたこともあって「ちょっとした冗談のつもりやったけどすぐ傷ついちゃうんや」と思って。人それぞれだと思いますが関西人は図太いというか、メンタルが強いというか。小さい頃からけなしあっているから(笑)。いろいろ言い合いもあるけど、「なんとかなるやろう」と良い意味で適当です(笑)。
――その感覚はこの時代に必要かもしれませんね。
必要だと思います。「なんとかなるやろう」は良い言葉だと思う。何か一つできないぐらいで世界が滅亡するわけじゃないから。そう考えたら楽になると思います。
――さきほど、「言葉結構きついから傷つく」という話がありましたけど、8年前に上京してカルチャーショックはありましたか?
同い年くらいの子で、歌が上手でかわいい子がたくさんいるというのはびっくりしました。本格的にアーティスト活動を始めたのは東京に上京した時で、大阪ではまだライブハウスで活動していなかった分、東京で初めてそういうところに行ったときにこんなにライバルがいるんだと思って。そこから頭一つ抜けるには人と違う何かを歌わないといけないというのは10代の時に思いました。普通の歌を歌っても響かないから表現を自分らしく歌わないといけないなと思いました。
歌詞に込めた「頼ってほしい」、12人12色の『コレでしょ』
――それが今のコレサワさんのスタイルにつながっているんですね。さて、9月19日には2ndアルバム『コレでしょ』が発売されました。どんなアルバムになりましたか?
女の子の気持ちを歌っているのは変わらずなんですけど、今までよりもかわいい曲もあれば、女の子の裏のどろどろとした気持ちにスポットライトを当てた曲もあります。12曲を収録しているので、12人それぞれ違うストーリーがあって、自分の好きな女の子を見つけるみたいな感覚で聴いてほしいと思います。
――ところで、主題歌が出来上がってから田中さんとお会いしたんですよね?
そうなんです。年末の「ガキの使い」の特番『絶対に笑ってはいけない』を小学生の頃から毎年見ているので「あ! お尻叩かれている人だ!」と思って(笑)。ドラマに出ているのも見たことがあったので多才な方マルチな芸人さんだなと。実際にお会いしたらテレビのままで、腰が低くて柔らかい感じの方でした。
――曲について何か言われましたか。
「良い曲だね」と言われました。演者さんや監督さんも含めて、制作者側が喜んでくれるのは本当に嬉しいですね。
――コレサワさん自身、この曲がきっかけで変わったことはありますか?
私は女の子の気持ちを歌うイメージが強いかもしれませんが、この曲みたいに聞いてくれる人を元気づけたり、お仕事を頑張っている人にも届けたい曲もあるので「こういう曲も歌うんだな」と知ってもらえるきっかけになればと。
――歌詞で気になる点があったんです。<部長の代わりはアホほどいけるけど>とありますが、なぜ部長なんだろう、と。
替えが効く役職ってなんだろうと思って(笑)。私はドラマを見るのが好きで、ドラマではだいたい部長が嫌な奴じゃないですか(笑)。世間もそうなのかなと思って。上司って嫌な奴が多いイメージ。権力を振りかざすおじさんが部長のイメージだったから、みんなそういう部長に困らされているんじゃないかなと。だから「部長の代わりはいくらでもいるよ」と。
――部長は部長で上と下に挟まれ大変だと思いますけどね。部長が聞いたらショックかと(笑)
全国の部長さんには謝りたいです(笑)。
――それと<うつむいててもいいから 側にいてくれたら嬉しいな 後は任せて!>という歌詞もあります。その「後は任せて!」というフレーズが気になりました。
「うつ」になった方の周りの方の気持ちになったときに、当然、苦労されることも多いと思います。「うつ」になった方のなかには自ら命を落としてしまう人もいます。もし大事な人が「うつ」になったときに、周りの人がそばにいてくれるだけでいいときもあるかもしれない。そのときに、その人が生きていることだけでも十分と伝えてあげられたらと。だから「側に居てね」「あとのことは任せてね」という「安心してね」という気持ちで歌いました。
(おわり)