木村拓哉

 10日に都内で開催された、新作ゲームのラインアップ紹介イベント『Play Station LineUp Tour』で、SEGAの新作ゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』の完成披露会がサプライズで実施され、主要キャラクターを演じた木村拓哉、中尾彬、谷原章介、滝藤賢一、そして、ゲームのオープニング/エンディングテーマを担当するバンド[ALEXANDROS]が登場。ゲーム出演が初挑戦の木村らがエピソードなどを語った。

 『JUDGE EYES:死神の遺言』は、現代の東京を舞台に連続猟奇殺人の謎を追う、本格リーガルサスペンスアクション。木村が演じるのは、元弁護士として活躍しながら、とある事件で失意のどん底に突き落とされながらも、探偵として再び立ち上がる主人公・八神隆之。また、主人公を取り巻く主要キャラクターとして、中尾は八神の元上司・源田龍造役、谷原は敏腕刑事・黒岩満役、滝藤は悪徳だが金次第で八神の捜査に協力する刑事・綾部和也役を担当。またピエール瀧が八神と衝突する暴力団の若頭・羽村京平役を務める。

木村拓哉「興奮してますけど、ちょっと照れる」

 この日、ともに登壇したセガゲームス取締役CPOで『JUDGE EYES:死神の遺言』総合監督を務めた名越稔洋氏は、今回のゲームのキャスティングで主役に木村を起用した経緯を、ちょうどゲームのシナリオを書き始めた3年前くらいに、木村と対面する機会があったことを明かしながら「ミーハーな気持ちでお会いしたときにやられました。シナリオを書き始めたころに、何かアイコン的なものが欲しいなと思っていたんですが、そこでこのシナリオを木村くんでやれたらな…と考え、ダメ元で送りつけたら“やりましょう”と返事いただきまして。逆にこちらが引いちゃいました」と振り返る。

木村拓哉が演じる八神隆之

木村拓哉が演じる八神隆之

木村拓哉が演じる八神隆之

 いよいよゲームの情報解禁を迎えたこの日、木村はこの日を迎えた感想に「今まで誰にも言いたくても言えなかったことなので、ようやく胸を張って言えるようになったのが非常に嬉しいです」とホッとした様子を見せる。また自身、ゲームのキャラクターとして登場するのは初めてながら「(同社ゲームソフトの)『龍が如く』シリーズの存在感が元々自分の中に浸透していたので、スタジオの世界に自分も入っていけたら、という想像をさせていただいた」と事前に描いたイメージを膨らませていたことを明かしつつ、様々な演出に関しては名越監督の指導に「身を任せさせていただいた」と、指示に忠実な演技を見せていたことを明かす。

 この日は情報の発表としてゲームのトレーラー画面が披露されており、アニメーションとして画面に登場した自分の姿を見た木村は「なんなんでしょうね…興奮してますけど、ちょっと照れるというか」と初めて見たゲームの中の自身の姿に、少し戸惑った様子。

 役作りに関しては、フィクションとはいえ現実味のある舞台に、バトルなどのぶつかり合いがあることを意識する一方で「八神は、今どきの世の中では遠ざけられているような“義理人情”を大切にしている部分があるので、そこは重点を置きました」と役作りに向けた自身の取り組みを語る。そして自身も奮闘したと同時に、初めて見た制作現場で様々なスタッフの苦労を見て「(スタッフさんたちは)本当に寝てないですね」などとねぎらいながら「制作にかかわったスタッフの力全てが、これに込められています。ぜひ皆さんに思い切り楽しんでもらいたいと思います」と作品をアピールした。

不安もノった中尾、ゲーム好き谷原、かっこよくしてもらった滝藤

 元々名越監督がファンで、役柄の雰囲気に合う“メリハリの利いた器の大きな人”というイメージによりオファーが送られたという中尾は、木村と同じくゲームへの出演は初めて。最初のオファーを受けた際には、勝手がわからないため不安を感じ断っていたことを告白しつつ、若手からの“やったほうがいい”という意見を聞いてオファーを承諾、実際に制作に加わると「すぐノってきちゃった」と、仕事にのめりこんだことを明かす。さらに木村との共演シーンでは「キムタクが三船敏郎さんだとすると、私は志村喬、そんなイメージで。ハイテクなものをやっているけど、私の頭の中では昭和25~6年頃がイメージの中にありました」と豊かなイメージを膨らませたようだ。

中尾彬

 一方で仕事は断片的なセリフのアフレコが続いたことに、当初はとまどいを感じながらも「よくまとめて会話にしているんだよね。これはどう見たって、監督にはかなわないよ。だからこういうのを、自分でも監督をやってみたいと思いますよ」と仕事を終えた印象は上々の様子。

 対してトレーラー映像には「嫌なもんですね、(仕事上では)自分がやっぱ動いてないから。でも逆に違った目を見る面が新鮮に映りました。でも、もうちょっと白髪が欲しかった」などと冗談っぽさを見せながら、まんざらでもない様子を見せる。そして「これをきっかけに、ゲームをやってみようかなと。でもそれは志乃に相談しないとわかんないな」などとコメント、会場を沸かせていた。

谷原章介

 谷原と滝藤も名越監督のイメージよりオファーが送られており、2人が並んだ姿を見て名越監督は「横並びに並べてみて、いい役者さんを選べた」と少しホクホク顔を見せる。中尾とは対照的に、普段からゲームに親しんでいる谷原は、オファーを積極的に承諾。モデリングの撮影をやる際に、自身ちょっと痩せていくべきと思い2週間ほどダイエットをおこない望んだところ、名越監督より「そこは後で太ったり痩せたり、どちらでも後でいじれますので」と言われたことを振り返り「『先に言ってくださいよ』と思っていました…」と意気消沈した思い出を振り返り、笑いを誘う。

 そして「ゲームは世界に通じる日本のエンターテインメント。そこに参加できることが非常に嬉しい」と今回の参戦を喜びながらも「残念なのは、うちの子供ができる年齢にまだなってはない」(R指定があるため)と、ポソッと嘆いていた。

滝藤賢一

 一方、「(元々自分が演じてきた役が)癖の多い役が多いので、今までやってきたことを積み重ねてやってきました」と語る滝藤は、この日が来た感想を「いよいよこの日がきたかと。初めて監督に会って1年、発表までが長かったので、僕は外されたのかと」などとジョークを並べながらも「まさか自分がゲームのキャラとは。嬉しかったです。しかもこんなにかっこよくしてもらえるとは」とコメントし笑顔を見せる。そして「実は木村さんと初共演なんですけど、そういうところも楽しんでいただければ。どういうセッションをするのかなどというところも」と作品をアピールしていた。

ビデオメッセージを送ったピエール瀧

 また、この日ピエールは都合により欠席したが、変わりにビデオ映像で作品をアピール。名越監督は「近年は、わりと裏社会ものの極道みたいな演技が板についていますが、一筋縄ではいかないというところ、コントラストのパンチが効く人ということで選びました。この人は、予定調和でも、裏切る感じでも、いいコントラストを見せてくる」とピエールの魅力に眉をひそめていた。【取材・撮影=桂 伸也】

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