22/7、葛藤と成長 海乃るり・宮瀬玲奈・涼花萌 殻を破った3人
INTERVIEW

22/7、葛藤と成長 海乃るり・宮瀬玲奈・涼花萌 殻を破った3人


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年08月23日

読了時間:約20分

「理解者」へのそれぞれの視点

――さて、今回のシングルの表題曲「理解者」ですが、みなさんにとってどういう曲でしょうか。

宮瀬玲奈 この曲を聴いた時、いろんな立ち位置の視点が見える曲だなと思いました。私は主人公の目線に立って「理解者って誰だろう」と思ったのですが、メンバーの中には理解者側から聴いた人もいて面白い曲だなと。歌詞が心に刺さる曲で、考えれば考えるほど、深いところに落ちていって眠れなくなったのですが(笑)。改めて考える機会が出来たので、この曲を聴いて頂けた方にも自分の理解者が誰なのか、考えて頂けたら。

宮瀬玲奈

宮瀬玲奈

――資料によると、宮瀬さんにとって、「理解者」は家族ということでしたが。

宮瀬玲奈 考えに考え抜いて、家族という答えに行き着きました。「草」とかまで行ってまったのですが…いろんなことを経由して家族だなと。

――草? 「草」を経由して家族に行き着くのは…なかなか壮大ですね…。なぜ「草」にいったんですか?

宮瀬玲奈 「理解者」を考えた時に、「家族」になったんですけど、その家族を辿れば「先祖」かなと思って、そうしたら人類の誕生にまで遡りまして。地球の成り立ちから最初は全生物ではないか、と思ったのですが、何か違うなと。それで草だと一瞬思って…。だけど、家族のLINEグループでお父さんからのメッセージとか見て、こうやって心配してくれて、やっぱり家族だなと最終的には思いました。

――この意見は、花の妖精としてはいかがですか?

涼花萌 ビックリしました。「え? 草?」って思いました。

――通じるものを感じましたか?

涼花萌 うーん…ちょっと難しいですね(笑)。

――素粒子単位といいますか、みんな同じ物質として考えれば分からないでもないのですが、草というピンポイントにいったところは、さすが哲学が好きなだけありますね。

宮瀬玲奈 時間かけて悩んだので、そう言ってもらえると嬉しいです。この前、人ってなんで同じ顔じゃないんだろうという話をスタッフさんとしていました。人類の始まりから考えると凄いなって。

――難しい話ですね。海乃さんは「理解者」についてどう思いますか?

海乃るり 主人公のように生きたら理解者が離れていってしまうなと思いました。自分にとって戒めの曲だなと。

海乃るり

海乃るり

――なぜこのタイミングでこの曲がリリースされるのかと考えることはないですか? 物事を冷静に分析するタイプの海乃さんなので、あえて聞きたいのですが。

海乃るり 「僕は存在していなかった」がしっとり系で、「シャンプーの匂いがした」が可愛い系の曲なので今回は格好いい一面を見せられるかなと。「シャンプー」よりは重なる点は少ないんですけど、私は主人公の気持ちに入り込んで歌うので、<どこに行くつもりだ? まだ帰らないのか?(この場所に) 誰が涙を拭ってくれる? 誰が僕の理解者だ?>という部分なんかは歌っていて悲しくなってしまいます。

――涼花さんはいかがですか?

涼花萌 私は最後の<背中向けたのが 唯一の理解者>というのが「どういうことやろ?」と思ったのですが、メンバーが何も言わないけど思ってくれている、そっとしておいてくれる人のことじゃないかと話していて「なるほどなあ」と思いました。

――涼花にとって理解者は「鳥」だということですが。

涼花萌 はい。私は人間より動物の方が好きなんです。

――そこは「花」ではなく?

涼花萌 心は通わせたいです(笑)。

――花も会話できるとよく聞きますけど。

涼花萌 音楽を聞かせたりするとよく言いますね。でも鳥が好きです(笑)。

涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈

涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈

――海乃さんの理解者は資料によると「両親」ですね。

海乃るり 本当は幼なじみなのですが、そう書くと男性と勘違いされるということで(笑)。女の子の幼なじみです。2歳くらいから一緒なので、親に言えないこともその子に全部話します。

――人気が出てきて「最近変わった」とか言われないですか(笑)

海乃るり 「変わらないでね」とは言われます(笑)。テレビにも出るようになったので「あんまりイキんないでよ」と(笑)。

同じ振付でも乗せる思いは個々に違う

――今回のシングルにはカップリングに共通で「絶望の花」、通常盤に「未来があるから」、Type-Aに「韋駄天娘」、そしてType-Bに「不確かな青春」が収録されていますが、それぞれお気に入りの曲はありますか?

宮瀬玲奈 私は「絶望の花」です。この曲は今までにない世界観で、曲調がアラビアンで譜割りも難しくて。<憐(あわれ)みも誘わずに>という部分では「あわれ」で止めて、「みも」と歌い方が独特でレコーディングの時にみんなで練習して思い入れもあります。この曲は今作で一番解釈が難しいと個人的に思っていて、ずっとつぼみのままで<暗闇の中で語り合おう>という部分や<希望とはそう光のこと>という部分もあって、閉じたままなのか、開いていく曲なのか、ずっとどっちなのか考えています。私もるーりーと同じで、曲に入り込むので、ダンスをどちらの解釈ですればいいのか不安でもあり、楽しみでもある曲です。

――振付は決まっていると思いますが、その動作の意味合いはメンバーそれぞれの解釈に委ねられているということでしょうか?

宮瀬玲奈 振付の先生には、こういう振りにしているけど、それぞれが思うように踊っていいよとは言われています。怒りだったり、はかなさだったり、それぞれ表情は違うと思います。

――海乃さんはいかがですか。

海乃るり 私は「未来があるから」です。爽やかで疾走感がある曲になっているのですが、歌詞は<もちろん愛だとわかってはいても…>という感じでギャップが楽しめる曲だと思います。主人公ともう1人の登場人物がいて、主人公は「自分なんて…」というネガティブなキャラなんですがもう1人は「未来があるからいいじゃない」という前向きな感じでその対比が面白いなと。なので、主人公と違う方で解釈してパフォーマンスしたいなと今は思っています。

――そうすると、自分の中で2人いるような感じになりませんか?

海乃るり 今までは主人公の視点に立っていたのですが、今回は主人公を追い出して、もう1人のキャラクターを想像して踊りたいです。歌詞の中にはもう1人の心理描写はないのでそこは想像しながらやりたいと思っています。

――では、ライブごとに違った表情が見られる曲になるかもしれませんね。

海乃るり そうですね。どんな子なのか、みんなで想像できると思います。曲調もこの曲が1番好きです。

海乃るり・宮瀬玲奈・涼花萌

――涼花さんはどうですか?

涼花萌 私は「不確かな青春」です。22/7の曲は「僕」目線の曲が多いのですが、この曲は私の中で女子校のイメージがあって。私は共学で、女子校に憧れがあって。ずっと楽しい青春を送れていなかったのですが、今は可愛い子に囲まれて今が一番楽しい青春って感じなんです。夏休みに誰もいない学校で“キャッキャッ”しているみたいなイメージがあるので、振りとかまだないんですけど、今から歌うのが楽しみです。

――この曲は「ですます調」で書かれているのも特長ですね。さて、宮瀬さんは「東京ドーム」という話もありましたが、最後に今後の目標を教えて下さい。

宮瀬玲奈 私たちは11人で活動していますが、8人のキャラクターしかいないので、まず11人のキャラクターでいつもみんな一緒に活動できるようになりたいです。アニメ化も決まっていますし、未来を目指してやってはいます。でも、3次元のみんなが頑張っていかないとキャラクターも立っていかないので、11人がそれぞれ個性を持っていろんな所に出ていけるようになれたらと。そして、ライブなども大きいところでやって皆さんにより良い景色を見せていけたらと思っています。成長した姿も見て頂きたいので、一つひとつのことを一生懸命やれたらと。

海乃るり 私たちは声優ファンの方にも、アイドルファンの方にも好かれるようなグループになるという目標があります。今はライブ活動、テレビ番組、VTuber(藤間桜)もやっていて入口は広くなったので、その夢に少し近づけたかなと思います。まだ、アニメ化も控えていますし、番組も始まったばかりなので、これからもっと夢に近づけたらと思います。

涼花萌 9月20日にデビュー1周年のイベント『22/7 計算中 Special Event』が決まっています。少しずつでも22/7らしさを見つけて、私たちのグループの色が出せるようになったら凄く面白いと思うので、そうなったらいいなと思います。

(おわり)

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海乃るり
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宮瀬玲奈
涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈
宮瀬玲奈
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