存在がまた違う次のステージに、DISH// 未来への決意表明
INTERVIEW

存在がまた違う次のステージに、DISH// 未来への決意表明


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年07月10日

読了時間:約13分

4人の思い入れが強いシングル

橘柊生(撮影=冨田味我)

――今回の「Starting Over」の演奏面に関してはいかがでしたか?

矢部昌暉 今回は壮大なイメージがあったので、僕はコーラスなんですけど、匠海の芯のある歌声に寄り添い、さらに世界を広げるような感覚で歌おうと思って。マイクからちょっと離れて、遠くに投げかけるように歌ったんですよ。匠海の声と合わせて聴いてみると、結構いい感じに混ざり合い、広がっていくようなイメージになったので。そういう細いとこまで聴いていただけたらうれしいですね。

橘柊生 今回のレコーディングでこの曲は特に熱が入ったんですけど、それはPVにも反映されていて。自分の歌った感情がそのまま顔にも出せて熱く表現されていたので、いいレコーディングだったなと。今までのDISH//にないぐらい本当にシンプルなんですけど、分かりやすく、見てて飽きない感じもあるので。

泉大智 4人の思い入れがすごく強いシングルになっています。みんな向いている方向は一緒だったので、技術というよりは気持ちが先行してできたレコーディングなんじゃないかな。この曲もなんですけれど、DISH//は結構難しい曲が多いので、そこはだいぶ練習しないと、と思っています。

――大智さんが加入してからどんな影響がありましたか?

北村匠海 もともと大智の楽器歴は一番長いんですよね。大智が初めて入ったDISH//のリハーサルの時からすごく信頼をおけるというか。今までは大智を教えていた先生がサポートで叩いてくださっていたんですけど、それとはまた違う、DISH//のメンバーとして同じ歩幅で歩んでいけて、さらにどっしりしているみたいな。今でもそれは変わらず健在していて、大智のドラムは歌っている僕からすると、安心感があるというか。背中を任せられますね。

――昌暉さんの成長は?

橘柊生 ギターに対する愛もそうですし、僕がすごく大人になったなって思うのは、単純に見た目です。

――ははは。

矢部昌暉 その話? それは年齢ととともに誰しも(笑)。
橘柊生 でも匠海とかは、あまり「昔からすごく変わった」という感じもないんですよ。大智もとくにない。昌輝は「別人か?」というくらい変わったので。見た目が大人な昌暉が弾いているギターはいいなと感じますしね。すごい絵になるので。

――柊生さんは?

矢部昌暉 柊生は最年長ですけど、結成当時は一番子ども心があるというか、場を盛り上げたり、メンバーの中でも話の中心にいるような存在だったんです。でも18歳になってから一気に考え方とか、言うことがすごく大人になったんですよ。だから僕は「18歳になったら、こう変わるんだ」と柊生を見て思って。でもだんだん二十歳をすぎたら、逆に今度はまた子ども心を忘れない、今では一番子ども心を持っている感じになって。ただやはり最年長として一番大人だから、しっかりしてる部分もある。メリハリのある男になったというか。どっちの心の持っている人に成長したなと思います。

橘柊生 メンバーみんなそう言うんですけれど。別に18歳だから「大人にならなきゃ」みたいな感じでもなく過ごしちゃっただけなんですけど(笑)。

――なるほど。ところで「Starting Over」は挫折をのりこえての再出発ですが、皆さんの中で乗り越えられたことは?

泉大智 結構ありますね。DISH//に入ったこと自体もそうですし。ドラムを続けられたのは、人生においての大きなリスタートというか、ターニングポイントだと思います。

――あきらめないで続けることが大事、と。

矢部昌暉(撮影=冨田味我)

泉大智 そうですね。「ドラムが好きでやりたいんです」とずっと言い続けたら、こういう機会にめぐり逢えて。やっていてよかったし、言っていてよかったなと、今でもすごく思います。

――昌暉さんはどうですか?

矢部昌暉 DISH//は歌って踊ってといろいろやるので、例えば歌だったら歌で、リスタートしたなって思った場所が違うところにそれぞれあるんですよ。僕自身はあそこがリスタートだなと思ったり、演奏はあそこがリスタートだな、と思ったりとか。

――ちなみにどんなときですか。

矢部昌暉 演奏は、DISH//がはじまってから楽器を始めたんですけれど、「楽器は毎日触らなきゃ上手くならない」と言われたりしていて。でも今まで触ったことなかったから、最初はまったくうまくできなくて。毎日触るのがちょっと嫌になる時期もあったんですけど、2、3年ぐらい経ってから、かっこいいギタリストを見つけて。そこから「こんなことを弾いてみたい」とか、「自分のギターでお客さんをわかせたい」と感じるようになり、どんどんのめり込んでいきました。

――あこがれの人を見つけるのは大きいですよね。匠海さんは?

北村匠海 DISH//単体で言うと、過去中学生くらいの時にバラードが歌えず、DISH//を担当してくれた方に怒られて。1年ぐらい歌えなかったんです。でもボイストレーニングとかいろいろな場所では歌っていて、1回僕がボイトレをしているとき…、1年後ですね、その方が入ってきて。すごく褒められたんですよ。そこから自分のDISH//におけるバラードに対して自信を持てるようになったというか。役者もやっているから、きっと他のボーカルの方たちとはまた違う伝え方ができる気もしているし、そこは一つ自信をもてたというか。挫折から立ち直った瞬間ではありました。もちろん今も、役者のスケジュールと音楽のスケジュールが混在していると毎回くじけそうになるし、気づけば一週間過ぎているとかも結構あるんです。でもDISH//の場所に戻ってくると違うスイッチが入るし。ボーカルとしての居場所がちゃんとある。自分の脳みそが追いついてないだけで、意外と冷静になってみたら、別に慌てる必要もない、みたいな気づきがありますね。

橘柊生 僕的にはやっぱり新体制になった瞬間がリスタートかな、と。「Starting Over」を出すという、今、この時期がリスタートなんじゃないかなと思っています。

――気持ちの持ち方など、変わったところは?

橘柊生 ステージでの位置が結構変わったので。そこは違うライブをしている感覚かな。でもDISH//らしさというのも忘れずにライブはやっているんです。ただ、ライブひとつひとつの仕方や意識の持って行き方は変わりました。

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