過去と現在のコラボレーション
――それがコアラモード.らしさにも繋がってますよね。続いて「僕に足りないものは」はデビュー前からの曲で。
あんにゅ デモのときは「補う会」という曲でした。雑なタイトルだったんですけど、途中から「僕に足りないものは」になりました。デビュー前に1日に1曲、1週間に7曲を徹夜して書いていた頃、フラフラになりながらみんなで聴かせ合う会議みたいなのをして。それもあってこの曲は徹夜明けの頑張ったという達成感と、頑張ろうという気持ちと、応援してくれる人達への感謝と、そういう風景が出ています。
この曲の最後の「ラララ」の部分は、2012年のデモを録ったときの私の声と、今の私の声が混ざって、より考えさせられるんです。そのときの音源のサウンドの雰囲気が凄く良くて、新しく録り直したら印象が変わっちゃうんじゃないかと思って、できるだけ壊さないように小幡さんにはアレンジしてもらったんですけど、どうしても声は生ものすぎて、私も経験を積みすぎて、歌い方も微妙に変わってきていて…。
小幡康裕 これも自分達の中の思い入れの壁です。
あんにゅ ピッチはあまり良くないんですけど、過去の音源は雰囲気が良くて、それを壊さないようにレコーディングしようというのが凄く難しかったです。でも、今の私が歌える「僕に足りないものは」を歌おうと切り替えてからはレコーディングが先に進んで、最後は昔の自分と共演して。そこも聴いて欲しいですね。
小幡康裕 それを言うと、「バードマン」の口笛も実は昔のあんにゅです。何げなくデモとして録ってたものが、雰囲気が良くてそのまま使っています。
――録り直したいという気持ちもあるけど、雰囲気を重視するとそのときのものが良かったり?
あんにゅ 昔の音源よりもうちょっと上手くなったらいいなくらいなんですけど、それってなかなか音にするのは難しくて。音楽って不思議で、上手いからといって心に響く訳ではなくて、ちょっとザラっとした質感のほうが、ずっと記憶に残って大切なものになったり。だから自分達でどれくらい崩して、どれくらい細かく詰めていこうかというのは、何度も聴きながら作っていきました。特に歌に関しては“人”がもの凄く出るので。あんまり詰めても、というところもあって。
小幡康裕 ピッチが正確なテイクよりも、ちょっとうわずっているけど胸にくるニュアンスがあるんです。
――それ本当にありますよね。さて、今作を持ってのツアー『街風泥棒ツアー』が6月23日から始まります。
あんにゅ 新しいメンバーでまわるツアーとなります。次のコントは何をやろう…。
――ワンマンだとそれも考えないといけないんですよね。
あんにゅ そうなんです。もちろん音楽もなんですけど、前回のツアーで、ようやく私達コアラモード.の掛け合いが成熟したというか。「最近漫才みたいだね」と言われることが多いんですけど、前回のツアーで話も楽しい2人だなと思ってもらえたというのが大きくて、なので今は喋りに関しては特に何も心配をしていないんです(笑)。今までとはまた違って、「後は楽しむだけだ、演奏を頑張るだけだ」と思っています。絶対楽しくなるのではないかと自分達が期待しています。
小幡康裕 前回の全国ツアーでまわって、ライブってこんなに楽しいものなんだというのは鮮烈な記憶として今も蘇って、その楽しみに味をしめてこのアルバムの曲達をどう育てていこうかという旅になると思います。もちろん初日は初日の良さがあるし、ファイナルはファイナルで素晴らしいものになるんじゃないかと思っています。ライブは生ものなので、その日その日で『COALAMODE.2~街風泥棒~』の曲達がどう躍動するのか僕達も楽しみですし、お客さんも是非楽しみにしていてくれたらいいなと思います。
(おわり)









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