嬉しい驚きを提供したい、寺嶋由芙 古き良き時代伝えるアイドル
INTERVIEW

嬉しい驚きを提供したい、寺嶋由芙 古き良き時代伝えるアイドル


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年05月20日

読了時間:約14分

 ゆっふぃー”の愛称で親しまれ、2014年から活躍するアイドル・寺嶋由芙(てらしま・ゆふ)。ゆるキャラにも精通し、過去にはゆるキャラの名付け親でもある、みうらじゅんとバラエティ番組『ゆるキャラQ』にレギュラー出演するほど。現在はアイドルとゆるキャラを繋ぐ“ゆるドル”としてその手腕を発揮し、『ゆるキャラグランプリ』をはじめ、各種キャラクターイベントにMCやゆるキャラ通訳としても活動している。

 今年はソロ活動5周年イヤーに突入し4月25日に2ndフルアルバム『きみが散る』をリリース。昭和の匂いを感じさせる楽曲たちは、彼女のキャッチフレーズ「古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル。」を体現したものといえる。作家陣にクリス松村やいしわたり淳治などを招き、今自分が持っているものは出し切ったという今作。大学時代は文学部だった彼女。歌の世界観をどのよう広げたのか、その思いを聞いた。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】

道重さゆみのラジオ番組を分析していた学生時代

寺嶋由芙(撮影=冨田味我)

——大学では文学部日本語日本文学コースを専攻されていたとのことなのですが、具体的にはどのような勉強を?

 小学校の頃は国語が一番好きで、本が好きだったこともあって文学部に入りました。各地の方言や、助詞や助動詞がどのように使われているか、語尾とか言葉遣いの癖を分析していくことなどを勉強していました。それを自分が好きな資料から統計を取るというもので、道重さゆみさんのラジオ番組で、道重さんが何回「~だよ」と言ったのを数えるとか(笑)。

——面白いですね(笑)。

 外国人の方に日本語を教えるためのコースなので、本当は違うことを皆さんはやると思うんですけど…(笑)。

——言葉のスペシャリストでもあるわけですね。

 いえいえ、私も変な言葉とか使ってしまうのでそんなことはないです。口癖で“いやはや”とか言ってしまうので…。

——また一般の方が使わなそうな言葉を(笑)。大学で勉強してきた事が現在のアイドル活動に役に立っていることは?

 直接的かどうかはわからないですけど、日々更新しているブログとかは全然苦ではなくて、むしろ楽しんで出来ていることです。

——毎日となるとブログも大変ですからね…。ちなみに卒論はどのようなテーマを?

 卒論では「物語としてのゆるキャラ論」というのを4万字でまとめました。その地域にまつわる民謡や神話とゆるキャラの物語性が近いことを書きまして。文学部が幅広い学部だったからこそ卒業出来たのかなと思います(笑)。ゆるキャラの話しをするのに今すごく役に立っています。

——4万字はすごいですね…。

 原稿用紙100枚分なんですけど、実は自分の中ではもっと書けたんです。

——書き足りなかったんですか…。そのゆるキャラに興味を持ったきっかけはなんだったのでしょうか。

 もともと、サンリオなどのキャラクターが好きだったと言うこともありますが、最初は私の出身地でもある千葉県のキャラ、チーバくんでした。「遂に地元にも!」と嬉しかったのを覚えています。でも、チーバくんは最初、ゆるキャラとはうたってはいなかったんです。「ゆるくはないぞ」と(笑)。ゆるキャラが認知し始めてから、徐々にゆるキャラとして出て来てくれるようになって。

——実は硬派なキャラだったんですね。

 当時、ゆるキャラというのが、まだあまり良い意味で使われていなかったこともあったので。そこから『ゆるキャラグランプリ』などで認知されてメジャーになっていって、色んなキャラがゆるキャラとして出て来るようになりました。

——そんな中、4月1日におこなわれたワンマンライブでは、ゆるキャラも登場して。

 はい。全国各地から10体も出演してくれました。今回は私がアイドルになってから出会ったキャラ達に来てもらえて、女子限定イベントなど、今までやってきた活動が実を結んだワンマンだったなと感じています。どのキャラも「ゆっふぃーのライブなら是非!」と快く承諾してくれて嬉しかったです。もっと広めて行きたいなと思いました。
アイドル好きの方たちとそうじゃない、私がきっかけで初めてライブに来てくれるようになったキャラ好きの方たちが、近くなっていけるライブをやっていけたらなと思っています。

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