歌手の浜崎あゆみが6日、東京・渋谷の代々木公園でおこなわれたイベント『東京レインボープライド2018』でフリーライブを開催、自身のルーツに“新宿二丁目”があることを告白、歌唱中にその思いから感極まる場面があった。

 『東京レインボープライド』は日本最大級のLGBT関連イベントで、「性」と「生」の多様性を祝福する人たちの祭典。2012年に本年と同じく代々木公園で開催、毎年続けて実施されており、LGBTへの社会的関心が高まる中、2017年には10万5000人がイベントに参加、今年はメインとなる5月5日・6日の2日間のイベントで延べ14万人の来場者数を記録した。

 開始時間直前には観衆からの「あゆ」コールが続出。ステージは約23分遅れで開始した。SE音と共にドラアグクィーンが、登場歌を歌いだす中、さらに2人のコーラスと浜崎のマークが入った旗を持ったダンサー8人が登場、それぞれが派手なパフォーマンスを繰り出す中、別の男性ダンサーたちに担ぎ上げられた格好で、浜崎は仰向けの格好で登場すると「STEP you」「You&Me」「Sparkle」の3曲メドレーで観衆を興奮の渦に巻き込んでいく。

フリーライブで熱唱する浜崎あゆみ

 「みなさん、お待たせいたしました! こんばんは! 楽しんでくれていますか? 声でかいね!」親しみを込めた声で皆に挨拶する浜崎は「めっちゃ慣れないというか、あまりこういう機会も無いので、こうして今回お誘いいただけたのは光栄だけど、やはりあたしはこの中には仲間もいるし、知り合いのに姉さんもいっぱいいるし」と会場の雰囲気になじんだ様子を見せる。

 一方で「デビューしたての頃、生きるのがつらくなったときに、初めて行ったのが二丁目で、その時にそれ以来自分のホームのような気がしてしまって。二丁目に帰ればお母さんが沢山待っとってくれる感じとか、とにかく喜怒哀楽全てを二丁目の仲間と共に過ごしてきたからこそ今の私がいると思っています」と“新宿二丁目”に支えられた過去を振り返りながら、自身の“二丁目”愛を明かす。

 さらに、この日おこなわれたイベントのパレードの盛況振りを、会場入りの車中で観覧していたことを明かし「車の中で一人泣いてしまいました。すばらしいなと。皆さんが本当に楽しそうに歩いているのを見て感動してしまって。こんな方たちが集まっているステージで歌うんだと思うと緊張しています」とさらにこの日の意味を改めて実感する。

フリーライブで熱唱する浜崎あゆみ

 続けて国内でのLGBTへの認識についても「まだ日本はコンサバティブですが、マイノリティであることが間違いであるとか、社会的に弱者であると言うことがぬぐえないところがあると思う。だからと言ってマジョリティが勝ち組で正しいということは、絶対無いと私は思っています」と言及、「これから先もきっと生きるのに肩身が狭いなと思ったり、何かを諦めたくなるときは、沢山あると思う。その時には、この時を思い出してください。自分に誇りを持って進み続けて欲しい。私もマイノリティの一人として、皆さんと一緒に歩んでいかせていただこうと思っております」と呼びかけた。

 一方で「これ以上喋ると泣いてしまうけん…」と漏らし、アンコール前のステージラスト曲「how beautiful you are」の歌唱の際には、感極まって声を詰まらせる場面も。浜崎は何度も謝罪のしぐさをするが、ファンは力強い声援で後押し。1コーラスを歌い切ると、会場からは大きな拍手喝采が沸き起こり、浜崎はその声に応えるように笑顔を見せ、涙を拭い、2コーラス目には胸に手を当て、誇らしげな表情を見せた。

 そして5曲を披露し浜崎は鳴り響く拍手と歓声の中深々と礼をし「皆さんどうもありがとうございました!」との声と共にステージを去った。しかし再び巻き起こった、鳴り止まぬ「あゆ」コールに押され浜崎はステージに登場、盛大に「BLUE BIRD」を披露する中で、再び感極まる場面も見せる。そして「皆さん今日は本当に最高の時間を作ってくれて、ありがとうございました!」という言葉とともに、ステージの全員で右に向かって礼、左に向かって礼、そして中央にも礼とステージへの感謝を告げる。

 しかし終わるかと思ったステージは「終わらないよ、まだまだ!」という浜崎の声と共にさらに続き、会場の観衆と共に「Boys&Girls」を熱唱。その様子に浜崎も「みんな最高や!」と大満足の様子。そしてステージはメンバー紹介に続き「本当にありがとうございました。そしてこれからも共に生きましょう!」という浜崎の声と共に幕を閉じた。【取材=桂 伸也】

セットリスト

1. メドレー
~STEP you
~You&Me
~Sparkle
2. curtain call
3. how beautiful you are
encore
E1. BLUE BIRD
E2. Boys&Girls

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