Pileが5月2日、8thシングル「BJ」をリリース。Pileは、2010年に声優としてTVアニメ『ラブライブ!』西木野真姫役を担当し、アイドルグループμ’s(ミューズ)のメンバーとして2015年にNHK『紅白歌合戦』に出場、東京ドーム公演も開催した。ソロとしては、2014年にシングル「伝説のFLARE」でデビューし、昨年はソロとして初の日本武道館公演も成功させている。この「BJ」をリリースする5月2日には30歳の誕生日を迎え、バースデーツアーも開催中だ。「今は人生を楽しめている。そんなタイミングで30歳を迎えられてうれしい」と話す。今Pileが感じていることとは? 【取材=榑林史章】
人生の賭けに勝って今にいたっている
──「BJ」は、アニメ『奴隷区』のエンディングテーマで、Pileさんらしいロックチューンで、サビがすごく壮快ですね。
前のシングルの「Lost Paradise」に近い雰囲気がありますけど、サビはまたちょっと違う感じですね。この曲は、実はアルバム『SHOWCASE』に入る予定だったんですけど、アルバムのレコーディングのときに今回のタイアップが決まっていて。実際に歌ったら、この曲がタイアップに合っているんじゃないかってインスピレーションが働いて、それで今回のシングルになりました。
──タイトルの「BJ」はブラックジャックのことで、ギリギリの駆け引きを歌っている歌詞ですね。
アニメ『奴隷区』という作品は、戦って負けた人が奴隷になるというお話ですけど、戦う方法はジャンケンでも何でも良くて。そういう意味では、あまり激しすぎない戦いという部分で、自分から賭けに出るくらいの感じの歌詞が、すごく合っていると思います。
──実際にブラックジャックをやったことは?
遊びでやったことはあります。カードの数字の合計を21に近づけるゲームですけど、私はまったく21に近くないのに、はったりで勝負したりしていました(笑)。でも「BJ」の歌詞もアニメ『奴隷区』も、欲が出てしまってどんどんぐちゃぐちゃになっていくし、ギャンブルって現実的ではないと思うので、基本的にはやらないです。
──音楽活動に、ある種のギャンブル要素を感じたりは?
私よりも、周りのスタッフがギャンブルしているみたいな感じでしょう。私にBETしているんですから(笑)。
──最初に音楽の道を志したときも、何の補償もなかったわけで。
確かにその部分では、自分に賭けるみたいな想いはあったと思いますし、その都度、何かしらチャンスを掴んで賭けに出てきたからこそ、この10年続けてこられたのかなと思います。
こういうほうがいいんじゃないか、「次はこういう曲がいい」、「こういう曲ならこういう風にしたほうがいい」とかは自分で考えますけど、全部一人で決めるわけではないので。そこまで大きなものを一人で背負っているような感覚はないですけど。
──最初に、自分に賭けて音楽を始めようと思ったときに、背中を押したものは?
もともと歌うことが好きだったけど、それを仕事にするきっかけになったのは、別の仕事でのスカウトでした。その仕事をしながら、でもやっぱり歌いたいと思って移籍しました。音楽をやれるところに行きたいと思って、当時の事務所を辞めるときは自分でも思いきったので、そのときはある意味で賭けだったと思います。その賭けに勝って、今にいたっているみたいな。
──怖くはなかったですか?
今なら怖いと思うだろうけど、そのときはまだ10代だったから、怖いとは思わなかったです。仕事がゼロになる可能性もあったので、その意味では大きな賭けでしたけど、大学にも行っていたから最悪就職すればいいやって、思い切ることができました。だから、何か賭けに出たいと思っている人がいたら、早いほうがいいと思います。若いうちのほうが、失敗してもやり直しが効くし、何度でもチャレンジできるし。









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