バンドじゃないもん!が15日、東京・中野サンプラザで、ホールツアー『バンもん!コンサート2018 サブカル大相撲(ハートマーク)ドス恋!ヨイショ!〜春場所はっけよいのこった〜』東京公演をおこなった。同ツアーは、GLAYのHISASHIが楽曲提供した、両A面シングル「BORN TO BE IDOL/恋する完全犯罪」のリリースに先駆けて東京と大阪で開催。今回はその東京公演の模様を以下にレポートする。=写真=勝永裕介(Yuusuke Katsunaga)【取材=長澤智典】

「どすこーい!」と叫んだら「ヨイショー!!」と大声で

 合い(愛)言葉は「どすこーい!」「ヨイショー!!」。今回のライブでは、この言葉が熱狂を描くうえで大切になる。5月4日にNHK大阪ホールで開催される大阪公演へ行かれる方は、ぜひメンバーが「どすこーい!」と叫んだら、「ヨイショー!!」と大声を返してみよう。今回の春場所公演に、そのやり取りは必須といえよう。

 神聖なる土俵は女人禁制らしいが、バンドじゃないもん!が主催する、この“春場所”は女性が中心。もちろん、観客たちが神聖なステージ上に登ったりは出来ないように、そこは輝くことを望まれし人たちのみが上がれる場。そう、神聖なるステージ上には、いつだって選ばれた"輝きを放つ人"のみが立つことを許される。

 つい、余談話をしてしまった。今回のコンサートには大相撲という言葉が用いられているように、相撲にまつわる幾つもの楽しい仕掛けが用意してあった。

  最初に注目して欲しいのが、入場スタイル。行司? の呼び込みによる、まさかこう来る? という、ファンたちには嬉しい土俵入でライブはスタートする。舞台上には、6本の大きなのぼりや、メンバーそれぞれが力士に扮した? イラスト画が飾られている。そこは、まるで国技館のよう? のぼりに書かれたメンバーのしこ名? にも、ついニヤッとしてしまう。どんなしこ名を彼女たちが掲げたのかにも、ぜひ注目して欲しい。

随所に相撲にまつわる攻めのポーズを組み込んでいたメンバーたち

撮影=勝永裕介(Yuusuke Katsunaga)

 ライブ中のポーズでも、彼女たちは相撲で言う「突っ張り」を巧みに組み込みながら踊り続けていた。やるなら徹底してやりきることが信条のように、随所に相撲にまつわる攻めのポーズを組み込んでいたところも見どころの一つ。ライブ自体が、観客たちをガンガンに攻めたて熱狂を生み出す内容だけに、どんな技を仕掛けてゆくかはもちろん、NHK大阪ホール場所へ行かれる方は、彼女たちの気迫に負けない攻めの姿勢で挑んで欲しい。

 今回の対決は、かなり気力と体力の勝負になる。中野サンプラザ公演でも、メンバーたち自身か気力と体力の限界へ挑む意識で臨んでいた。ここまで長時間興奮しっぱなしで楽しめるとなれば、少し休憩出来る椅子席はありがたい…と思うかも知れないが、アンコール時で自主的に座らない限りは、むしろ邪魔に感じてしまう。気がついたら熱狂の中へ溺れ、夢中で騒ぎ続けていたライブになることは間違いない。中野サンプラザ公演でも、観客たちは終始大声張り上げ、ガンガンにサイリウムを振りながら、ズーッと総立ち状態で熱狂へ溺れていたように…。

発売中の楽曲も数多く披露

 今回の公演では、可愛くも凛々しい歌声で攻めた「キメマスター」や、会場中を常夏のパラダイスへ導いた『夏のOh!バイブス』のように、シングルとして発売中の楽曲も数多く披露していた。 同時に、相撲をテーマに据えた理由もあるのか、「結構なお点前で」など和の要素を持った楽曲もいくつか登場。舞台上には、大太鼓や小太鼓など和楽器を設置してあるように、メンバーたちも次々とバチなどを手にし、ドンドコ叩いては、場内へ祭りの風景を描き続けていた。

  東京場所と大阪場所では、その場所でしか味わえない楽曲も披露。東京場所では、切々とした表情に胸がキュッと疼いたバラードナンバー「ヒラヒラ」を歌唱。熱狂が中心となる演目の中、優しく暖かな歌声と美しいハーモニーは、心の涙腺を嬉しく刺激する表情として伝わってきた。果たして大阪場所では、どんな楽曲が飛び出すのか、そこも楽しみだ。

新曲もお披露目

撮影=勝永裕介(Yuusuke Katsunaga)

  今回のコンサートでは、5月9日に発売となる、GLAYのHISASHIが楽曲提供した両A面シングル「BORN TO BE IDOL/恋する完全犯罪」の楽曲もお披露目になる。「BORN TO BE IDOL」が、まさに青春アイドルポップナンバー。メンバーと一緒にモンキーダンスに興じながら、ハチャメチャになるくらい楽しめる楽曲が新たに誕生した。

 「恋する完全犯罪」は、恋汐りんご、七星ぐみ、大桃子サンライズがスタンドマイクも使用。鈴姫みさこがドラムを、望月みゆがベースを、甘夏ゆずがギターを手に演奏する形でスタート。この楽曲が、情熱と妖艶さを抱いた歌謡サスペンス系ナンバー。妖しくも熱気あふれる楽曲に触発され、気持ちもメラメラ燃え上がっていた。こちらも、ひと味癖のある熱狂ナンバーに成長していきそうだ。

 今回のライブは、終始熱狂続き。パワフルでカラフルな、思いきりメンバーらと一緒にわちゃわちゃはしゃげる「青春カラダダダッシュ!」を筆頭に、騒ぎ、祭りあがってこそというライブが繰り広げられる。メンバーらもだいぶ身体を張っていたように、互いに気力と体力の限界へ挑戦する勢いで楽しんでくれ。なにせ今回は、戦いの場所ですからね。

はっけよい、残ったー!!

 メンバーたちも、次々と楽器を手にし演奏をしたり、様々なフォーメーションを形作ったダンスを踊ったりと、終始舞台上を動きまわっていた。何より、天真爛漫な笑顔とカラフルな色をまぶした楽曲とステージングの数々に、終始気持ちが浮かれていた。

  東京場所は、互いに汗だくの、限界の向こう側へ足を踏み入れるほどの熱狂を生み出していた。きっと大阪場所も、はちゃめちゃな熱狂へ包まれたコンサートになるに違いない。アイドル界のサブカル横綱を目指し驀進中のバンドじゃないもん!。彼女たちは今後もアイドル界に残ったー残ったーしていくのは間違いないだろう。

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)