嫌いだった声が今では強み、岡田結実 活動の原動力は「悔しさ」
INTERVIEW

嫌いだった声が今では強み、岡田結実 活動の原動力は「悔しさ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月22日

読了時間:約11分

 愛嬌のある親しみやすい人柄でバラエティ番組やCMにも引っ張りだこの岡田結実(17)。モデルとしても活躍し、昨年からは本格的に女優業にも挑戦。そして、今春に放送されるテレビ朝日系『静(しずか)おばあちゃんにおまかせ』ではドラマ初出演にして初主演を務める。役どころは、疑問を抱いたらどんな相手にも“忖度”なしで突き進んでいく“猪突猛進ガール”の法学生だ。演じる岡田はその役と重なるようにハツラツ。元気な声も印象的だが「声はずっと嫌いだった」という。転機になったのは大物声優の一言。「悔しさが活動の原動力」とも語る彼女の“今”に迫った。【取材=木村陽仁/撮影=片山 拓】

 取材場所は都内のスタジオ。テレビやイベントで見られるあの笑顔で「宜しくお願いします!」と丁寧に挨拶。インタビュー中は時折、表情を緩ませながらも、しっかり考えながら答えている姿が印象的だった。モデルの顔も持つ彼女。いざスチール撮影が始まると一変。凛々しい表情をのぞかせる。まさに役に入り込むようで、すっかり彼女の世界観が出来上がっていた。

 音楽好きで、移動中や楽屋でも聴いているそうだ。その楽屋ではイヤホンではなく、ダイレクトに流しているとか。もともと親の影響でいろんなジャンルの音楽を聴いていたが、現在はJポップのバンドを愛聴。ただ、最近は「エネルギーがもらえる」として女性歌手やガールズバンドの音楽を良く聴いているという。

 そんな岡田は昨年から本格的に女優業に挑戦。昨年公開の映画『傷だらけの悪魔』では二面性を持つ女子高生という役柄を見事に演じた。そして、今回の『静(しずか)おばあちゃんにおまかせ』では、少し年上19歳の法学生を演じる。

 その内容は、正義感に溢れた法学生・高遠寺円(こうえんじ・まどか=岡田結実)と捜査一課刑事・葛城公彦(かつらぎ・きみひこ=要潤)がバディを組み、元裁判官である円の祖母・静(しずか=草笛光子)の援護を受けながら事件の謎を解いていくミステリードラマ。ミステリー作家・中山七里氏の同名小説を初映像化だ。

 1話完結形式で、全2話。3月23日放送の第1話は、神奈川県警の警察官が射殺され、葛城の元上司でもある刑事が容疑者として浮上した難事件に挑む。3月30日放送の第2話は、ド派手ファッションの資産家女性が殺害された事件の謎をひも解いていく。

 “猪突猛進ガール”という一途なヒロインを、岡田はどう演じたのか。撮影も無事終えた彼女に以下の要旨でインタビューをおこなった。(約5500文字)

○主人公と重なるところも、探求心や明るい性格
○嫌いだった声は今では強みに、原動力は「悔しさ」
○失恋の歌を力強く歌っている音楽に力をもらえる

主人公と重なるところも、探求心や明るい性格

岡田結実

――ドラマ初出演で初主演。オファーを受けた時の心境は?

 最初は「夢でしょ?」という感覚でした。でも、監督と打合せをおこなったときに「とうとうやるんだな」という実感が出てきて。小さい頃から「演技ができたら楽しいだろうな」と思っていたので、夢が叶ったというか、ドラマに出られて嬉しいという気持ちです。芸能界に入った時からバラエティも、演技もやってみたいと思っていましたので。

――撮影はいかがでしたか?

 あっという間でしたが、本当に濃くて。楽しい時間だったからこそ濃厚に感じられました。演技の幅、経験値は上がったと思うので、やって良かったという達成感と爽快感があります。

(事件が絡むミステリー)ドラマは、現場でももっと怖い雰囲気、もっとピリついているのかなと思ったんですけど、そんなことはなく楽しくて、「こんなに楽しんじゃっていいのかな?」と思うような現場でした。要さんが一言ボソっと言うと笑いが起きたり、第一話に出てくださった柳沢慎吾さんが喋ると笑いが起きたり。笑顔が絶えない現場でした。

 ドラマ自体はライトコメディです。ただ、私は役に入り過ぎてしまうところがあって、監督に「これはライトコメディだから」と何度か注意されました。ようやく「円ってこういうものだ」と掴んできたところで撮影が終わったので、寂しさと後悔はありますが、自分が今出せるものは全部出したので、やり切った感じです。

――役作りはいかがでしたか?

 まわりの方に「高遠寺円に似ている」と言ってもらえたので入りやすかったんだと思います。初日はグダグダしちゃって「高遠寺円って何なんだろう?」と自問自答していましたが、要さん演じる葛城公彦に関わっていく中で、「こういう感情だろうな」とか「こういう行動をするだろうな」ということが分かっていったので、日を追う毎に「高遠寺円」というのができていったんじゃないかと思います。

岡田結実

岡田結実

――自身と高遠寺円と似ているところは?

 自分で言うのも恥ずかしいんですけど、明るいところとか。あと、気になったことは聞きたくなるタイプなので、そういうところは似ていると思います。

――気になったことは聞きたくなる、そういう探究心は昔から?

 授業中もすぐに手を上げて質問をしちゃうタイプでした。謎や疑問に思ったことをそのままに収めないというか。収めたことで迷惑をかけてしまったこともたくさんあるので、自分の中で不思議だなと思ったことは聞いちゃいます。国語の授業でも「何で主人公はそう思ったんですか?」と言っちゃったりして、友達には「うるさいよ!」なんて言われたりして。逆に、数学の時間は静かなんですけどね(笑)。

――ドラマの見どころは?

 「正義感とは何だろう」と考えるシーンがあって、例えば、犯人を突き止めるのは、清々しいものだけではないんだなとか。撮影をしていくなかでそういうことを凄く思ったので、そうした心情の変化も表れていると思います。観ている皆さんの正義感や「正しいこととは何だろう」などを考えて観て頂きたいです。それと、高遠寺円は色んな人をかき回しながら色んなことを知って解き明かしていくというタイプなので、そういう“勢い”も感じて欲しいのと、静おばあちゃんの寛大さや静おばあちゃんが話すことによって全部が分かったり、そういうシーンにも注目して頂きたいと思います。

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岡田結実
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