これまでの選択は間違ってない、板野友美にとって自分らしさとは
INTERVIEW

これまでの選択は間違ってない、板野友美にとって自分らしさとは


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月02日

読了時間:約10分

一人の女性としての生き様

 対して、カップリング曲「Show time」はロックナンバーで、初の試みともいえる。

 「今回、久々にツアーを回るんですけど、初のバンドでのライブなんです。ずっと前からバンドでやりたいと思っていて。自分の楽曲がバンドの生演奏でやったらどうなるのか凄く楽しみで。お客さんに届けた時に今までよりも生き生きとして伝わるんじゃないかとも思って。どこか生まれ変わったというか、そのなかで生の音がよりかっこよく聴かせらえる楽曲もいいなと思って、楽器の音が心に響くようなロックナンバーに挑戦しました」

板野友美

板野友美

 「#いいね」から曲調がポップになり、今回の表題曲はアコギが映えるバラード、そして、カップリングがロック。音楽の方向性も変わっているように感じるが。

 「確かに変わってはいますけど、でも私、芯はぶれたくないんです。ダンスナンバーはぶれずにやっていきたいですし、やっぱり自分が自分でいられるのがダンスナンバー。ソロデビューした時も、もっと遡れば『アーティストになりたい』と思ったときも、ダンスありきのアーティスト像だったので、ダンスナンバーはずっとやっていきたくて」

 「ただ、今は冒険しているような。それこそ旅。いろんな楽曲があった方が皆さんにも楽しんで頂けるんじゃないかなって思って。それは、結果として、挑戦することにも繋がり、成長にも繋がることだと思います。ダンスナンバーはずっとやっていきたいし『Show time』はロックテイストだけど、ダンスの振り入れも視野に入れています。ダンスミュージックが好き。聴いているだけで体を動かしたくなるようなサウンドがやっぱり好きだなと思います」

 芯はぶれずにあらゆる可能性を広げていきたい。それは楽曲だけでなく写真集、そしてMVにも表れている。

 「写真集とMVは自分と向き合う一人旅。新しい場所に行ってこういう景色を見た時に自分はどう思うんだろうとか。例えば、今まで海が好きと思い込んでいたけど、ロサンゼルスの山を見た時に、私、山の方が好きかも』と思ったり、新しい発見もある。今まで好きだと思っていた食べ物が違うモノの方が魅力的に感じたり、服装とかもそうですけど『自分って変わっていっているんだな』『進化していっているんだな』と改めて感じられる瞬間が今回の旅ではあったので」

 「自分のことを決めつけている、自分はこういうのが好きって決めつけてしまっていて、全然知らない世界に行ったら違う自分が知られたりとか、そういう発見が自分のなかでたくさんできたので、良いきかっけになったし、もっともっと新しい自分の事を知れたらいいなって思います」

 新たな可能性への貪欲さがにじみ出ているが、そう奮い立たせているのは自分自身への探求心と、自身の役割を自覚しているからかもしれない。

 「10代の頃は、知らない自分に出会うことが沢山あると思うんです。でも大人になったと自覚すると、あたかも『自分の事はだいたい知っている』かのような勘違いもあって、本当はまだまだ気付けていない自分がいるのに。これからまだまだ成長もできるし、自分の気持ち次第でどんどん変わっていけると思うんですよ。私自身も色々吸収したいし。自分と向き合った時に、今までにない自分が出せたらいいなとも思えて」

板野友美

板野友美

 「まだはっきりとは分からないけど、一人の女性としての生き様というか、それを皆さんに伝えていけたらいいなと思います。私が感じたものとか、その時に見たものを発信して『そういう風に思う人もいるんだな』って思ってもらえたらいいし、全力でこれからも走り続けていきたい。何に対しても全力でぶつかっていくことが一番気持ちが良いとも思っているので、頭だけで判断するよりもまずは行動。知って傷つくこともあるかもしれないけど、その先に何かがあるかもしれないから」

 さて、全国ツアーは4月21日に仙台で始まる。最終日の5月12日・マイナビBLITZ赤坂まで5都市でおこなうが、自身初の生バンドを従えてのツアーだ。

 「この前、生バンド演奏で自分の楽曲を聴いた時に感動して泣きそうになりました。私の楽曲はダンスナンバーが多いから、それらを楽器で弾いてもらったら、何も考えなくても伝わってくるみたいに凄く心地が良くて、生の音は良いなって改めて思ったんです。私の楽曲の中でも特に1stシングル「Dear J」(2011年1月発売)はダンスのイメージが強いですけど、生音でやって『ハッ』と感じてもらえると思うので、その日を楽しみにしています」

 一人の女性としての等身大の想いを込めながらも、新たな可能性、新たな魅力を探求し、それらを詰め込んだ今作。それを携えての全国ツアー。よく楽曲はライブによって成長するというが、板野自身も「一公演一公演、たぶん違うと思うんです。全公演回ってきたときにどう繋がるかが楽しみです」と期待を寄せる。昨年からみられる彼女の変化は一作品一作品に表れ、今後も繋がっていくだろう。

この記事の写真
板野友美
板野友美
板野友美
板野友美
板野友美
板野友美

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事