これまでの選択は間違ってない、板野友美にとって自分らしさとは
INTERVIEW

これまでの選択は間違ってない、板野友美にとって自分らしさとは


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年03月02日

読了時間:約10分

歌詞にも表れた真の胸の内

 人生の選択はなかなか難しい。その選択によっては苦労することもなかにはあろうが「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という先人の言葉もある。板野自身はどうだったのか。

板野友美

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 「過去のことに悩んでも仕方がないと思うタイプなんです。10代の頃は何も考えずに直感というか、その時のひらめきや勘だけで選択してきたけど、20代になってからはそれで失敗したりとか『こっちのほうが良かったかな』と思ったりとかも。いろんな人に『こうした方がいいよ』とアドバイスを受けると『そっか、こうした方が良かったかな』と後悔もすることもあります。でも、誰の人生なんだという色々な方のアドバイスやそれまでの反省を踏まえつつも、最終的には自分の勘は信じていきたいです」

 こうした考えに行き着くまでには様々な経験や葛藤を乗り越えてきたことだろう。しかし、そうしたことなどは表に出さない。ゆえに誤解されることもある。もしかしたら不器用なのかもしれない。歌手、女優の前に、一人の女性でもある。昨年から見られる意識変化は、これら作品を通して真の胸の内を表現したいという気持ちの表れのような気もする。現にそれは写真集にも表れているが、「Just as I am」の歌詞にも感じられる。<強く信じてみよう 私らしく生きるため>には、自身で自分の背中を押すような力強さと、自身を信じたいという希望ものぞく。そのなかで気になった表現があった。<私を置いてゆく>だ。この言葉に込めた思いとは。

 「『今幸せだから良い』とか『別に今不幸ではないから』と思うこともある。何もしなくても別に変わらないと思うんです、現状は。でもそれで良いのかなって。ここで上を目指していこう、ここで喝を入れないと時間はどんどん過ぎ去ってしまうから。もっと上を目指して自分を奮い立たせないと、取り残されてしまう。そういう意味を表現したかったんです」

 自身が経験していればより一層、言葉に重みが増す。ファンやリスナーと一緒に歩んでいきたいという思いにも聞こえる。そして、メッセージを伝えたいという気持ちはメロディにも反映された。今回の楽曲はアコースティックナンバーだ。昨年8月におこなったファンクラブイベントで板野は、初めてパーカッションとアコースティックギター編成で歌った。当時、彼女はこう語っていた。

板野友美

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 「生演奏は楽器の音に心があるような感じで、聴く側も、オケに合わせて歌うよりも感じるものがより大きいと思うんです。バラードは特にそう感じますし、何だか心地良いです」

 収録する楽曲はその時の気分で決めるとも語っていた彼女。今回はどうだったのか。

 「ロサンゼルスの風景や広大な大地とか、凄くのびのびできるような空間がイメージにあったので、そういうイメージで依頼したんです。作曲者も私と同じようなイメージを持ってくれて、思いを乗せやすいメロディにしてくれました。デモを聴いた瞬間に『あ! これだな』と直感しました」

 そして、歌い方にも変化が表れた。

 「いつもだったらこうやって歌おうとか、この楽曲だったら強めに歌おうとか考えていましたが、今回はしっかりとしたコンセプトや自分のなかでもイメージがしっかりあったのですんなりと曲の世界観に入っていけました。何も考えずに気持ちのままに伸び伸びと。あまり意識していないからこそ、気持ちよく歌えたんだと思います」

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板野友美
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