挑戦し壊しながら進化したい、遊助 ソロ活動10年目の新たな想い
INTERVIEW

遊助


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年03月14日

読了時間:約11分

愛することのまっすぐさを描こうと思った

――2曲目の「僕だけのlove story」は、好きな女性に振られた男性の行き場のない思いを描いていますが、男性と女性で歌詞の受け取り方が全然違うのではないかと感じました。

遊助

 全然違うということに、最近気づきました。女性の立場からすると、ちょっと怖いと感じる人もいますよね。

――確かに、ここまで思い続けられるのは、怖いと感じるところもあります。

 たぶん女の人は恋愛の記憶を上書きするというのは分かっているんです。でも、そんな不完全な弱い男の子がかわいらしく、そこに勝算はなかったとしても、愛するということのまっすぐさというか、「バカだな、お前」というような男の子を描いてみようかな、と思いました。

――男性からすると「愛おしい」みたいな?

 愛おしいし、「こういう若いヤツいたな」みたいな。でも、女の子はあまりないですよね。逆にそう思われても、面倒くさいでしょ? でも男の子って、ちょっとうれしいというか、嫌じゃない。そんなに一途に思ってくれたら、自分が好きじゃなくても、「ああ、ありがたい」という。

 そこまで好きになってくれて、ありがとうね、っていう。怖いとか面倒という発想にならない。「逆にそんな好きになってくれて、ありがとう」くらいですよ。

――曲の主人公はまだ彼女に振り返ってもらえるかも、という期待があるのでしょうか?

 99%無理なのはわかっているんですけど、1%は可能性があるんじゃないかと思っているから、たぶんこう言っているんです。それプラス「俺が好きなだけだから」と、相手には迷惑かけないから。でも、そうやって思われるのも女子は嫌なのかな?

――人によりますかね…。

 でも相手に押されて好きになっちゃう人もいるでしょう? 最初は全然タイプじゃなくて、まったく何とも思っていなかったけど、すごく押されていつの間にか心が変わるとか。

――ありますね。

 そのバイオリズムは男性からすると、わからないから難しいですよね。「超、好きなんだよ」と言って「えー」と思われるか、そこを押し通して「私、好きかも」とさせるか、男からはわからないじゃないですか。0から恋に落ちるのと、0から「迷惑だわ。どいてよ」と思われる差はどこなんだろう? 今後の片思いの曲を作るときのために知りたいです(笑)。

――この曲はいろいろな解釈があって、人によって大きくとらえ方が変わりそうですね。

 もちろん、どう捉えてくれてもいいんです。こういった詞を書くと、女子は全然反応が違いますし。

――3曲目の「Feel it」は、おしゃれなダンスナンバーです。「みんな頑張ってる」と対極ですね。

 クラブをイメージしています。裏テーマとしては、ステージに上がるアーティストに対するお客さんの気持ち。それは昔から応援しているファンなのか、友だちなのか家族なのか、幼なじみなのかわからないですけれど。ずっと夢を追いかけてきたシンガーとかパフォーマーがステージに立つというときに、お客さんとしてどう思うかなというのを裏テーマに入れています。

 だから<Show Timeは君のもんさ>と言って、<許された 時間がほら 与えられた>からリズムに乗って、「じゃあ歌って。音に思いを注いでください」みたいな。サビは「気持ちさえあれば、みんなに届くから。君はできるよ。照れないで、ほらどうぞ」といった感じです。

――ダンスナンバーは過去にも「That Love」といった曲などがありますが、こういう曲はどう表現したいと思いますか。

 言葉遊びですよね。歌詞自体が1つの楽器みたいになるような。言葉自体もあたりがいいというか。耳に残りやすいように、1音1音置いていく感じです。

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