平昌五輪が9日に開幕し、世界中が盛り上がっています。国内もフィギュアスケートの羽生結弦選手をはじめとした日本人アスリートの活躍で沸きました。その中継やニュースを見ながら私が気になったのは、開催地である韓国の応援団がラップで選手を応援していた事です。大声を出したり、歌ったり、笛を吹いたり、太鼓を叩いたりする応援は当然ですが、ラップとは。

 昨今、世界の音楽チャートではヒップホップが人気ですが、韓国でもそれだけ市民権を得ているのでしょうか。気になりまして、韓国のビルボードと呼ばれる『ガオンチャート』をチェックしたところ、最新週(2月10日)の首位は7人組アイドルグループ・iKON=写真=の「LOVE SCENARIO」でした。

 可愛らしいピアノのフレーズからいきなり、現行のヒップホップらしい低音から踊れるビートが切り込んできます。2位は5人組の女性アイドルグループ・Red Velvetの「Bad Boy」で、以下もヒップホップのトレンドを押さえた楽曲が並んでいました。興味深かったのは、Jポップでも定番である複数人のアイドル編成でありながら、楽曲は海外志向のハイブリッドになっているグループが多かった点です。

 昨年、韓流グループの防弾少年団がビルボードで『2017年トップアーティスト』10位にチャートインするなど、世界的にKポップはリスナーを獲得している模様。Psyの「江南スタイル」(2012年)は、ファニーな面も相まって熱烈なバズを生み出した印象がありましたが、現在のKポップ人気はそういう面白さ抜きで「純粋に格好良い」と注目されている印象があります。

 そして私が実際に韓流アーティストを取材して毎回驚くのは、彼らのきちんと現地言語を学ぶ誠実な姿勢です。日本で活動する時は日本語を、英語圏で活動する時は英語を。その地の言語でできる限りMCし、取材に応えます。それはコミュニケーションの大切さを心得ているという事なのだと思いますが、同時に彼らの世界進出への本気を感じ、恐ろしささえ覚えます。

 また、最近ネットでも韓国電化製品の世界シェアについて話題になっていました。機能の向上だけでなく、ブランド力やデザイン性が人気の理由の様です。アジアから世界へ進出するために流行を押さえて、戦略的に飛び出していくという点では音楽も家電も共通するところがあるのではないでしょうか。【小池直也】

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