親子の間で社会現象、ミラクルミラクル なぜ人気?関係者に聞く
INTERVIEW

親子の間で社会現象、ミラクルミラクル なぜ人気?関係者に聞く


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年02月17日

読了時間:約8分

人気の理由は彼女たちの努力と親子の共感

 子供たちの目に映るミラクルミラクルはまさに、憧れのアイドルグループだ。しかし、当初は順風満帆の船出とはいかなかったという。インタビューで、リーダーの神咲マイは「リリースイベントを最初にやった頃は、なかなか人が来なかったんです」と語っている。では、なぜここまで人気を集めることが出来たのか。そこでレコード会社のスタッフに話を聞いた。

――ここまでの広がりは予想できましたか?

 予想外です。完全に私たちが想定してなかったことが起きています。流れが変わったのは1stシングル「Catch Me!」(2017年6月21日)を発売した月の最後の方から6月末あたりです。きっかけは、CDの宣伝は番組にも入れているのですが、そこにイベント開催のお知らせも入れたことです。それを入れてからイベントへの集客も増えて。視聴者のほとんどがお子さんとそのご家族です。ファンになるのがお子さんなので、自分でTwitterをフォローしたり、ホームページを見ることができませんから、そうした情報をテレビに集約したのが大きかったのだろうと思います。ドラマの認知度などが上がってきた頃にリリースした2ndシングル「JUMP!」(2017年9月27日)もそうでした。テレビスポットに告知を入れたら初回のイベントから、大勢のお客さんが殺到する現象が起きました。

イオンモール大牟田でのイベント時。チェキ会に応じるミラクルミラクル(撮影=松尾模糊)

――ショッピングモールでの集客数に驚きました。あまりの多さに。彼女たちの努力もあろうかと思いますが、スタッフサイドから見た彼女たちの凄みは?

 色んな場面で共通しているのは、大人顔負けというか、仕事への取り組み方へのプロ意識が非常に高いところです。歌やダンスの振りはもちろん、MCに至るまで「こういうことを話そう」ということを本番前の控室で何度も練習をしています。また、本番後には毎回、反省会をやっています。特典会などを含めて平均4時間という長丁場でもお客さんへの対応が最後まで変わらない、疲れを見せない、笑顔を見せる、そういったことから他の諸先輩アーティスト、アイドルに勝るとも劣らない意識の高さを感じます。

――それが人気の一つでもある?

 そう思いますね。でもやっぱり、彼女たちの成長という部分が一番大きいと思います。最初の頃に比べて、パフォーマンスは格段にレベルアップしていますし、例えばイベントの特典会で1000枚くらいの写真撮影でも毎回ポーズを変えたり。お客さんにはポーズの指定などはお断りさせて頂いていますが、でも彼女たち自身が、来たお客さんに合わせて、そのお客さんが持っているキャラクターのポーズを瞬時に真似て見せたり。対応力が凄く高いんです。若さならではの反射神経の高さもあるかもしれませんが、こちらがびっくりするくらいです。

 でもそれは今のスマホ世代、SNS世代らしいというか。自撮りが生まれてからずっとある環境にいる子たちというのは印象もあります。自分が撮られる姿をちゃんと理解しているというか。その辺も他のアーティストの撮影系特典会とは違うかもしれないですね。ハートの形のポーズも僕らなんかは1個か2個しか出てこないのに、10パターンくらい出てくるんですよ(笑)

 それと、ここまで大きくなった秘訣として、今お客さんの9割以上はファミリーなんです。子供達が3~8歳くらいなんですけど、どんなに好きになっても自分だけではイベントに行けないんです。お父さんやお母さんに連れて行ってもらわないとならない。特典会も自分のおこづかいでCDを予約できるはずもなく。たくさんの親御さんのサポートがあって、今の人数が集まっているんです。メンバーも「子供たちだけではなく親御さんも感動するようなものじゃなければ」ということは話していました。

 すると昨年秋ごろから、お母さんが「感動して泣けてきました」とかそういった投稿がSNSで少しずつ投稿され始めてきたんです。親御さんも巻き込んだエンターテインメントになってきているのかなと実感しました。ライブでも一緒に歌っていただいていたり、家族みんなでハマれるコンテンツだったからここまで膨れたのかなと思います。

イオンモール大牟田でのイベント時。ハイタッチ会に応じるミラクルミラクル(撮影=松尾模糊)

――私も子供がいるので、一緒に曲を聴くとグッときます。

 子供が理解できる言葉を巧みに使った、子供から大人までが共感できる歌詞は、大きな魅力のひとつだと思います。また、あの年頃じゃないとできない、不器用なまでの頑張りが、裏でも表でも出ていて、力が入り過ぎているというか、それに熱を感じる瞬間はあります。感動に繋がるのはそういうところかもしれませんね。

 「JUMP!」という曲が凄く彼女達らしいなと思っていて、<Jump Jump 無敵 絶対に Jump Jump キラキラ ミラクル>と、自分達のことを“無敵だ”って言える頃って、確かに中学生の頃だなと思うんです。そういったことを言ってもスッと入ってくる年代というか。子供からしたら憧れますよね。ポジティブなキーワードが散りばめられていて、大人にも通ずる元気になれる曲が多いんです。

――大人も共感できる歌詞ですよね。ところで、1年を振り返って一番感動した思い出はありますか?

 (東京の)立川でイベントをおこなったときに、広いスペースをお客さんでいっぱいにしたときは感動しました。びっしりと3000人以上見渡す限りのスペースにお客さんがいらっしゃって。景色としては夏フェスのような光景でしたね。「ここまできたか」と思いました。デビュー当初は2~30人から50人くらいでしたので、それが半年くらいで急に。「同じ会場で3000人?」みたいな。本当に、彼女たちの頑張りの賜物以外の何物でもないと思います。もちろん、並行してドラマの認知度が上がりつつ、というのもあると思うのですが。新人で、短期間でそこまでボリュームが大きくなる、ということはなかなかないので感動があります。

初のワンマンライブツアーへ

 ミラクルミラクルの人気の秘密は、彼女たちの努力があった。確かに歌唱力はあり、ダンスも若さも手伝って柔軟性があり、小学6年から中学2年とは思えないダイナミックさもある。それに加え、子供たちだけでなく、親にも共感を得る歌詞やメロディが大きな役割を担っている。親子を巻き込んだ戦略も大きな要因と言えそうだ。

 なお、ミラクルミラクルは14日に1stアルバム『MIRACLE☆BEST ―Complete miracle2 Songs―』をリリース。3月末には自身初のZeppでのワンマンライブツアーをおこなうことが決まっている。

 神咲マイはMusicVoiceの取材で「(Zeppでのワンマンは)いつもよりも緊張しています。たくさんの方に観ていただく機会なので、現状の自分達に満足せずに、今やっているイベントのステージを大切にして、絶対にライブを成功させたいと思っています。今よりもダンスも歌も、みんなで一緒にレッスンを頑張って、よりパワーアップをした私たちを観て頂きたいなと思います」と気を引き締めた。笑顔が印象的な彼女たちだが、決心と思いは大人顔負けだ。

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