最後のゴールを決めるのが人生、清水翔太 新譜で綴った半生とは
INTERVIEW

最後のゴールを決めるのが人生、清水翔太 新譜で綴った半生とは


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年01月24日

読了時間:約14分

今の自分なら…

——新曲「Good Life」についてお聞きします。人生がテーマということで、この10年間で思ったことが出ている感じがしました。

 曲を書いたのは最近で、僕は今まで「人生」というテーマで曲を書いた事がないんです。「人生とは?」みたいな事を20代で言っても、説得力が弱いと思っていたので。結局20代前半は、恋愛の事しか考えてないですし。自分も恋愛の事を考えている割合も多かった。なので、ずっとラブソングを書いてきたという背景もあります。

 色々あって、今自分のやり方でアーティスト活動が出来ているという事は、すごく意味のある事なんです。割と前は、納得いかなくても、周りの方の意見を取り入れて「皆の目指すところに自分も寄り添う」という気持ちでやっていました。それでも結果が出なかったので「もうやっても意味ないからアーティストを辞めよう」と海外に家を探しに行ったんです。

——LAに行かれたんですよね。

 はい。どの辺に住むかも決めたですが、でも途中で「これは逃げだな」と。やりきった様な気もするけど、もうちょっと自分のやり方で思いっきりやってみて、駄目なら辞めようと思えたんです。そして、もう1回ゼロから自分のやろうと思うことを作ったのが『PROUD』でしたから。

——周囲の反応はいかがでしたか?

 最初は周りのスタッフも「これでいいのかな」と不安もあったと思います。でも、そこからは周りのアドバイスは聞いていないですし、言われても聞かなかったですね(笑)。『PROUD』からは自分でトラックも制作していますし、作品としてもアンテナ張っている人達からは「今までに比べて面白い」と評価されましたが、セールスとしては思ったより広がらなくて。

 ただライブが凄く良かったんです。パフォーマンスもそこから一気に変わりました、自分のアーティストとしての在り方、表現、振舞い、全てが『PROUD』で変化しました。それが凄く心地良かったし、行くべき道な気がすると感じました。その後「My Boo」ではセールスにも繋がって、凄く自信に繋がりました。

——確実にターニングポイントのアルバムだった訳ですね。

 そうですね。売れるために周りの方が動いてくれて、自分もその意見を取り入れていた頃は上手くいかなかった。でも自分のやり方で、自分を信じて「これは売れないよ」と思われたかもしれませんけど、結果が出せたので周りも変わってきたんです。「翔太を信じよう」という空気になり始めている気がします。

——信頼関係が変わってきたという事ですね。

 ただ「売れそうだ」みたいなところから楽曲制作は出発していません。作り終わってからそう思えるものなんです。そういう風に作れる様になって嬉しかったですね。「Good Life」もそうです。キャッチーでもあって、メッセージもある。今はこういうやり方が自分に合っているなと感じています。

 色々な時代を経て、自分のやり方で良い景色を見ている。そんな今の自分なら人生の事を言っても、ある程度説得力があるんじゃないかなと思って、“人生”というテーマで曲を作りました。

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