角松敏生が12月8日と9日、東京・中野サンプラザでワンマンライブ『Toshiki Kadomatsu Performance Close out 2017 & Ring in The New Season』をおこなった。2017年を締めくくる総決算とも言える内容で、代表曲「You're My Only Shinin’Star」や未発表曲「かくれんぼ」などアンコール含め全18曲を披露。病気治療のため休止していた小林信吾(Key)がこの日数曲で参加し、元気な姿を見せるなど角松にとっても特別な公演となった。その中野サンプラザ最終日にあたる9日のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

人の強さを感じて欲しい

撮影=高橋寛多

 サンプラザには美しいコーラスによるBGMが流れ、雰囲気はすでに聖なる夜。開演時刻になると会場の明かりはゆっくりと落ち、ドラムのビートにファンキーなベースのスラップが絡むグルーヴィな幕開け。そこに角松がステージに登場し、ゴールドトップのレスポールを手に取りデビューシングル「YOKOHAMA Twilight Time」を届けた。角松の伸びやかな歌声に、ギターの甘いトーンがコントラストをつけ、楽曲を鮮やかに彩った。

 「思い出を超えられるか」をテーマに今年は動いてきたと話し、同窓会の話題などでアットホームな雰囲気のトークで紡ぐ。そして、ここで病気治療のためツアーから離脱していた小林信吾(Key)を呼び込んだ。角松は「人の強さを感じて欲しい」と告げ、小林、友成好宏(Key)、森俊之(Key)によるTripodの3人でインストナンバー「P.C.H」を演奏。毎年おこなわれ恒例となっている軽井沢でのステージ『TOSHIKI KADOMATSU Performance “Tripod” 』を、ここ中野サンプラザで再現。実力派の3人によるアンサンブルは、我々を現実世界から切り離してくれるようだ。

 そして、そこに角松が合流し「氷の妖精」で幻想的な世界観を紡ぎ、代表曲の一つ「You're My Only Shinin’Star」を熱唱。小林のキーボードにどこか嬉しそうな角松の姿。そして、過去に新曲だけでライブをやっていた時代に披露し、音源としては未発表だった「かくれんぼ」を披露。本田雅人(Sax)もウィンドシンセの音色で楽曲を彩り、角松もギターをMoonのシグネイチャーモデルで極上のサウンド。

 年末になるとサンプラザでこの曲が聴きたくなると「Get Back to the Love」を届ける。オーディエンスも立ち上がりクラップで演奏を彩る。そして、10人のクワイアによるゴージャスでソウルフルな聖なる歌声は、壮大なスケールとともに多幸感溢れる空間へと変えていく。

 場面は冬から夏へ逆戻りするかのように、インストナンバー「SEA LINE」、「MIDSUMMER DRIVIN’」と美しいメロディーラインとギターの音色で爽快な躍動感で包み込んだ。「MIDSUMMER DRIVIN’」での、角松、本田、鈴木英俊(Gt)によるハーモニーはエキサイティングで胸を高鳴らせてくれる。

ニューアルバムの制作を発表

撮影=高橋寛多

 ライブはラストスパートへ。「AIRPORT LADY」ではそのタイトルにちなんで、サビに突入すると紙飛行機が会場を飛び交う。そして、アーバンなサウンドが会場を満たした「SHIBUYA」に続いて、本編ラストは「浜辺の歌」。サビではオーディエンスもビートに合わせ腕をワイパーのように左右に振り上げ、なんとも美しい光景がサンプラザに広がった。

 アンコールでは4人のキッズダンサー、コーラス隊も参加し「WAになっておどろう」を披露。ラテンのリズムに乗って、ポジティブなエネルギーで満たされていく。誰もが体を動かしたくなる心地よい空間。続いて「SKY HIGH」では、さらに数が増えた紙飛行機が飛び交う光景。ステージもフロアも舞い上がる紙飛行機で溢れかえった。

 モア・アンコールに応え、再び角松らがステージに登場。角松は来年の展望としてツアーをおこなうことを宣言。そして、ブラスセクションをフィーチャーしたニューアルバムを制作することも発表しオーディエンスを沸かせた。ラストは小林と初めて制作した歌とピアノだけのデュオ作品と語った「花瓶」を届ける。会場の空気感を変えるほどの、凛とした力強さを感じさせたバラードで『Toshiki Kadomatsu Performance Close out 2017 & Ring in The New Season』の幕は閉じた。

セットリスト

01.YOKOHAMA Twilight Time
02.TAKE IT AWAY
03.I'll Never Let You Go
04.P.C.H
05.氷の妖精
06.You're My Only Shinin'Star
07.IZUMO
08.かくれんぼ
09.See You Again
10.Get Back to the Love
11.SEA LINE
12.MIDSUMMER DRIVIN'
13.AIRPORT LADY
14.SHIBUYA
15.浜辺の歌

ENCORE

EN1.WAになっておどろう
EN2.SKY HIGH

More ENCORE

EN1.花瓶

この記事の写真

ありません

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)