9mm、燃えたぎる轟音に包まれた一夜 リベンジツアー終幕
(撮影=橋本 塁[SOUND SHOOTER])
ロックバンドの9mm Parabellum Bulletが3日、Zepp Tokyoでワンマンツアー『9mm Parabellum Bullet TOUR 2017 "BABEL on Life Line”』のファイナル公演をおこなった。昨年、ギタリスト滝 善充の左手の不調により、一部中止となったツアー『TOUR 2016“太陽が欲しいだけ”』のリベンジツアーで、10月12日の京都磔磔を皮切りに11月3日のZepp Tokyoまで全7公演をおこなうというもの。6thアルバム『Waltz on Life Line』と 7thアルバム『BABEL』を中心に畳み掛けるように披露した轟音のZepp公演。ギタリスト滝 善充のライブ活動休止中も、ライブを止めることなく走り続ける9mm Parabellum Bulletの勢いが噴き出した2時間のワンマンライブに、オーディエンスは終始燃えたぎり、爆音に包まれた一夜となった。【取材・平吉賢治】
爆音の散弾銃サウンド
ノイジーなSEと共にゆっくりとステージ後方に昇る9mm Parabellum Bulletシンボルマーク。「ロング・グッドバイ」の散弾銃のようなサウンドを爆音で出力する9mmはオーディエンスと瞬時に同期し、冒頭からMAXテンションでの"BABEL on Life Line"ツアー東京公演の幕開けとなった。
踊り狂うようなステージングの中村 和彦(Ba)、ドラマチックな手数でビートを飛散させるドラミングのかみじょうちひろ(Dr)、ソリッドに燃え盛るギターサウンドの菅原 卓郎(Vo.Gt)&サポートギタリスト為川 裕也(folca)。ライブは4曲目「ガラスの街のアリス」までノンストップに走り、9mm Parabellum Bulletの轟音にZepp Tokyoは支配されていた。
「磨き上げてきたんで。オレ達」と語る菅原のMCは、時間にしてほんの少し。その仕上がりっぷりはトークではなく、サウンドで示される。「モーニングベル」でのギターライトハンド奏法では本公演でサポートを務める為川に照明がフォーカスし、オーディエンスは大声援で迎えた。重厚なサウンドと鋭いプレイで終始9mmのライブアンサンブルを支えていた。
アルバム『BABEL』収録曲からの「眠り姫」では、菅原と為川は共に赤のギターに持ち替え、ミステリアスなベースラインがうねる中で9mmの最新サウンドが展開された。その後も「火の鳥」「バベルのこどもたち」「ホワイトアウト」「それから」と、立て続けに『BABEL』収録曲を、ほぼ収録曲順に披露し、アルバムの世界観を再現しているようだった。爆音のサウンドの中で時折放たれる中村の断末魔のようなシャウトはオーディエンスの火を更に煽る。
鳴り止まないアンコール、 9mmライブの破壊力
火炎放出という特効をバックに激流のようなサウンドが続く中、ミドルテンポの「スタンドバイミー」を挟み、「キャンドルの灯を」ではアップライトベースに持ち替えてのプレイ、メロディックなツインリードギターと、絶好のスパイスを加えつつの怒濤の後半戦。引火寸前のオーディエンスからはモッシュ・クラウドサーフ・シンガロングが巻き起こり、それは止めどなく終演まで続いた。演奏終了後、サウンドが出力されたままステージに置かれたギターとベースは、燃え尽きるようにフィードバック音を咆哮した。
「本日の公演は全て終了致しました」と“終演確定”のアナウンスが鳴り響くにも関わらず、客席に留まるオーディエンスからのアンコール。それは、9mm Parabellum Bulletのライブの勢いと破壊力を如実に物語っているようだった。9mm Parabellum Bulletは、"BABEL on Life Line"ツアーの終了後、更に新たな展望を企てると仄めかしていた。
セットリスト
9mm Parabellum Bullet TOUR 2017 "BABEL on Life Line"
11月3日 Zepp Tokyo 01. 生命のワルツ |