9mm Parabellum Bullet菅原卓郎(Vo、Gt)、中村和彦(Ba)、かみじょうちひろ(Dr)の3人によるプロジェクトのAC 9mmが12月5日、東京・グローブ座でワンマン公演「AC 9mm ~グローブ座ワンマン~」をおこなった。9mmの楽曲をアコースティック中心にリアレンジをおこなうプロジェクト。5月に開催された、9mmの自主公演「カオスの百年 Vol.12」で初ライブをおこない、今回で3回目のライブとなる。今回はキーボディストの村山☆潤(Venomstrip、FLOWER FLOWER)をゲストに迎え、9mmの楽曲を様々にアレンジし披露。菅原は「結成15周年でいろいろと計画も進んでいるので、楽しみにしていて」と語った様に、来年結成15周年を迎える本家9mmの次なるステージを予感させるステージで観客を魅了した。【取材=松尾模糊】

温かみのあるステージ

AC 9mm(撮影=橋本 塁[SOUND SHOOTER])

 会場が暗転し、ステージ上に設置されたいくつもの球体状の優しい明かりが照らす中、メンバーが登場。かみじょうのドラムセットは鮮やかな青い光を放ち、観客からも感嘆の声が上がった。3人が定位置につき、「黒い森の旅人」でステージをスタート。アコースティック編成らしく3人とも座った状態でバンドの雰囲気とはまた違った空気が満ちた。

 かみじょうは「いつもTシャツと破れたジーンズでツーバス踏んでやかましい音楽やって喜んでるだけのバンドだと思ったら大間違いだぞ!」とシャツにネクタイを締め、ベストを着たシックな格好で語り、普段との違いを強調した。

 さらに、この日はキーボディストの村山☆潤がゲストとして登場。「Discommunication」では、ドラム、キーボード、ベース、アコースティックギターでブレイクをそれぞれ回すという躍動感溢れる演奏を見せた。

 かみじょうのドラミングから「次の駅まで」を演奏。キーボードが加わり、より重厚なサウンドで聴かせる。続けて菅原のアコギから2011年の楽曲「カモメ」を披露。温かみのある雰囲気で届けた。

結成15周年に繋がる一夜

ライブの模様撮影=橋本 塁[SOUND SHOOTER]

 エレファントカシマシのステージにも参加する村山。4月に、宮城・仙台のみちのく公園北地区で開催された音楽フェス『ARABAKI ROCK FEST18』でエレカシと共演した菅原は「(彼らには)良くしてもらって。急な振りがあるよね。あの時はステージ上で、宮本(浩次)さんが『素晴らしい声を持った好青年!』って俺を呼んだんですよ」とエピソードを明かした。

 「Answer And Answer」でステージを再開。さらに、井上陽水の名曲「氷の世界」のカバーを披露。菅原はファルセットを響かせ、観客もその歌声に酔いしれた。

 エレピから始まる「キャンドルの灯を」では、シックな雰囲気を全開に菅原がしっとりと歌い上げた。続く「サクリファイス」では、かみじょうがダイナミックなドラミングでステージを盛り上げた。

 そして、菅原が「そろそろどうにも止まらない時間帯なのではないでしょうか?」と呼びかけ、「どうにもとまらない」を演奏。観客は手拍子で盛り上がった。

 再び3人での演奏に戻り、中村のベースラインが心地よく響く「The Revolutionary」と続け、「荒地」で本編を終了。

 菅原は「来年は9mmも結成15周年でいろいろと計画も進んでいますので、楽しみにしていて下さい」と呼びかけた。

 アンコールでは、村山が再び加わり「Black Market Blues」、「太陽が欲しいだけ」とロックなナンバーでこの日の公演を締めくくった。

 菅原が述べた様に来年は記念すべき年を迎える9mm。今回のライブではシンセも加わり、様々なアレンジを見せてくれた。彼らが今年の活動を通して、来年どの様に展開していくのか、ますます楽しみになった一夜だった。

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