小林幸子

 歌手の小林幸子が8日、都内でおこなわれた、映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(トラヴィス・ナイト監督、18日公開)完成披露試写会にサプライズ登場。声優として映画に出演していることが発表されるとともに、出演の感想などを語った。またこの日は、三味線奏者の吉田兄弟も登壇した。

 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、『コララインとボタンの魔女 3D』などを手掛けたアニメーションスタジオ ライカ制作によるストップモーションアニメ。過去の日本を舞台に、魔法の力で三味線と折り紙を自由に操る片目の少年クボが、両親の仇である“月の帝”と対峙する中で、出自の秘密に迫る冒険に挑む姿を描く。ボイスキャストにはアート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ジョージ・タケイら著名な俳優陣が参加、日本語吹き替えにも矢島晶子、田中敦子、羽佐間道夫らベテラン声優陣のほかに川栄李奈、ピエール瀧ら豪華キャストが参加、

 劇場版『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』以来、約10年振りの声優チャレンジとなる小林。今回作品の中で小林は、主人公・クボの一番の理解者である老婆・カメヨ役を演じている。

 サプライズ登場とともに開口一言「皆様こんにちは、小林カメヨでございます」と挨拶、作品のキーワードの一つである“折り紙”にかけて、折り鶴をイメージした着物と、頭に折り鶴をあしらって登場した小林。オファーを受けた際の気持ちを「おばあちゃんの役でございますよ! キター! と思いましたね。すごく興味がありましたし、私なりのおばあちゃんの役って、どんな風になるかなと思いましたが、一番似合っているんじゃないかと思っている役です」とその出来にはかなり満足しているようだ。

小林幸子

 一方、声優にチャレンジする際の心構えをたずねられ、小林は師匠である故・古賀政男さんの教えを振り返り「“歌は語れ、芝居は歌え”ということ。その気持ち、ストーリーの人物になりきることだと思います。それで入った時に(役柄が)すっと出てくるんだと思います。基本的に歌とは違いはありますが、気持ち的には同じことだと思います」とその心構えを明かす。

 また、今回の出演に関し吉田兄弟の弟・健一からは「ナチュラルに溶け込んでいらして、単純にすごいなと。チャレンジ精神ですね」と絶賛されるも「チャレンジというよりも、楽しみたいなということってありますよね。人に楽しんでもらうためには、自分が楽しまないと」と持論を明かし、二人からの関心を寄せていた。

 近年、ネット界のオタクカルチャーの一シンボルとしても注目されている小林だが、次の目標はとたずねられると「こうして新しいことにチャレンジさせていただく、それが結果的には目標になっているんだと思います。だから、また新しいことにチャレンジして、結果的に“新しいことができたんだな”と思えるような、そういった人達との出会いがそうなると思います」と答える。

 一方「ラスボス」と呼ばれ、慕われることに対して「最初、『ラスボス』と呼んでいいですかと言われ、いいですよと返したんですけど、そう呼ばれるようになって、(初めて)スタッフに聞いたくらいなんですが」とその意味を知らないままに受け入れていたことを明かしながら「言葉としては何ですが、みんなに元気を与えるという、そういった存在でありたいと思います」と心から受け入れている様子。

 また、日本に生まれて良かったと思えることをたずねられ、昨日に自身の実家、新潟でやっている稲作にてできた新米で作ったおにぎりを食べたことを挙げ「やっぱりお米の国。お米はおいしいなと思いましたね」とひと時幸せになった瞬間を振り返っていた。なお、この米は中越地震の復興のため、被災地の方に届けていることを明かしている。【取材・撮影=桂 伸也】

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