<記者コラム:オトゴト>
 皆さんは音楽を聴くときに、“どこ”を聴いていますか。多くの人が、「歌」、「ボーカル」と答えると思います。確かに、一番目立っていますし、歌ものの場合は引き立てているパートが歌なので、至極当然のことなのですが、今回は楽器、バックバンドの楽しみ方について、書いて見たいと思います。

 バンドというと、BOOWYやX JAPANなどにみられるように、布袋寅泰氏や故・hide氏のようなギターヒーロー、YOSHIKI氏のようなスーパードラマーがいるように、メンバー全員が花形の要素を持っています。

 ソロシンガーにもバンドというものは存在しており、スタジオミュージシャンと呼ばれる、凄腕のミュージシャンが演奏していることが多いのです。ライブや音源のブックレットなどでその名前や姿を確認できると思います。最近ではテレビ番組でもその存在がクローズアップされています。

 スタジオミュージシャンは、音楽や楽器の本質を追求してきたプロ中のプロ。とにかくフレーズや演奏スタイルの引き出しの多さには驚かされます。何と言っても、一つのバンドが何年もかけて培ってきたグルーヴを、その日に集まったメンバーで出せてしまうスキルの高さは目も見張るものがあります。

 タイム感のコントロール力が、ずば抜けていると筆者は考えます。もちろん、ピッチ感やテクニックも重要な要素なのですが、スタジオミュージシャンとその他の違いは、リズム感に大きく表れています。

 リズムといえばまずドラマーが思い浮かびます。筆者が思う素晴らしいドラマーはたくさんいます。一部紹介すると井上陽水氏などビッグアーティストを支える山木秀夫氏や、最近ライブに行くと目にすることが多い玉田豊夢氏、残念ながら2013年に亡くなられてしまいましたが故・青山純氏たち、抜群のグルーヴとダイナミクスでバンドの核を担っています。

 あと、海外のドラマーで生で聴いた時に、腰を抜かすほどのグルーヴを聴かせてくれたのは、LAを拠点に活動するヴィニー・カリウタでした。ジェフ・ベックのバックバンドとして来日した時、ヴィニーの叩いたシンプルな8ビートに“やられた”と感じました。

 メインのアーティストを集中して聴くのももちろん良いのですが、たまに視点を変えて楽曲と向き合うと新しい発見があると思います。さらに、楽しさが倍増してくるので、CDのブックレットの参加ミュージシャンを調べてみると面白いです。意外と気に入っているソロシンガーのバックは同じ人だったりします。【村上順一】

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