2015年に放送され大ヒットを記録したディズニー・チャンネルのテレビミュージカル映画『ディセンダント』の続編となる作品『ディセンダント2』が、10月21日、ディズニー・チャンネルで日本初放送される。
「もしディズニーキャラクターに10代の子孫がいたら?」というテーマで、ディズニーの数々の名作に登場したプリンスやプリンセスたちが住むオラドン合衆国、そして悪役キャラクターのヴィランズの親子たちが暮らすとある島、ロスト島を舞台に巻き起こるハプニングと、それを通して成長していく子どもたちの姿を描いた『ディセンダント』。その続編である今回は、オラドン合衆国に招かれ、その生活に馴染もうとするヴィランズの子どもたちを中心に、心に葛藤を抱えながらも、奮闘しさらに成長していく姿を描く。
前作に引き続き、オラドン合衆国のプリンス・ベンとの恋仲を認められ、晴れて王室の一員となるも、そのプレッシャーに悩む主人公・マル役を、ディズニー・チャンネルの『うわさのツインズ リブとマディ』など、数々の作品に出演してきたダヴ・キャメロン、そしてその友人で、ファッションデザイナーとしてブランドを大成したイヴィ役を、前作『ディセンダント』で大ブレイクしたソフィア・カーソンが務める。
今回は来日した二人に、作品の印象やこの人気シリーズに出演した現在の思い、撮影時の回想などを語ってもらった。【取材・撮影=桂 伸也】
家族、故郷の様な、また夢のような特別なもの
――お二人にとって、この『ディセンダント』『ディセンダント2』という2作品は、どんな作品ですか?
ダヴ・キャメロン 今までの作品と比べて、というとなかなか甲乙つけがたいですが…個人的な感想としては、私にとって『ディセンダント』は、一番の思い出深い作品であるといえます。ケニー・オルテガ監督をはじめとした、素晴らしいキャストやスタッフ、そして素晴らしい作品に出会えたからです。また、マルは私の大好きなキャラクターでもあります。
さらに自分にとって個人的な作品であるということもあって…何か説明が難しいんですけど、例えば人を好きになるようなことは、説明ができない、理屈じゃないところがありますよね? この作品に対して抱いているのは、そういうものだと思うんです。私にとってこの『ディセンダント』という作品は、例えば家族、故郷の様な、また夢のような特別なものです。ソフィアも同じ思いだと思うんですけど、本当にできれば3作目、4作目…とずっと永遠にやっていたいと思うくらいの作品ですね。
ソフィア・カーソン 『ディセンダント』は初めての大きな作品、また初めてディズニーキャラクターを演じた作品ということもありますし、私にとってはとても大きな意味を持っているものです。さらに私にとってはまさに夢が叶ったような作品であるということもあり、心の底からこの特別な作品に出会えて感謝しています。
また、私の演じているこのキャラクターが、多くの人々に対してとても意味を持っているものであるということも、素晴らしく素敵なことだと思います。この作品に出会って、メキシコ、パリ…そして東京と世界中をいろいろ旅することができたということもありますし。
イヴィという私の演じているキャラクターが、多くの若い女の子たちに何か教えることができたり、そういう風になりたいと意味を持っていることが、とても特別だと思うんです。この役を通して、自分を愛すること、自分らしくていいんだということ、そしてありのままの自分でいれば、世界があなたを愛してくれるんだということを、伝えていけるということが、素晴らしいことだと思っています。
――『ディセンダント』『ディセンダント2』という2作品に関わったことで、ご自身に変わったことはありますか?
ダヴ・キャメロン ありますね。私自身、たくさん多くの変化を経験していると思います。私はディズニー・チャンネルで、以前から演技の経験もあり、『うわさのツインズ リブとマディ』に出演していたこともあります。でも本作はそれらとはまったく異なると感じています。演者としての経験は以前からあるにはあるけど、この『ディセンダント』、このキャストとこの作品のファン、その熱心さを感じること等、そういった体験というのは、まったく以前と異なるものがあります。
――特に『ディセンダント』『ディセンダント2』によって、ということでしょうか?
ダヴ・キャメロン もちろん『うわさのツインズ リブとマディ』の時からも素敵なファンが応援してくれていました。ただやはり、経験自体がとても異なるものであるというところから、私の人生はこの作品によって変えられていると感じます。私自身のリミットというか、自分の足りないところというのはもちろんあるけど、一方で演者にとってその制限、制約というのはないということが、やればやるほどわかると、それを『ディセンダント』を通して、感じたりすることがありました。
――自分自身に対してはどうでしょう?
ダヴ・キャメロン より親密に優しくなれたり、もっと優しくなって、自分を愛することができるということになったと思います、自分の本当の姿に対して。真実に対して、より近くなったというか。なぜそういう体験ができたかというのも、演じるということによって他人の身になることにより、自分自身のことをまた学んで、本当に自分自身に対して感情移入ができたり、同情とか、人のその身になれるということができるようになったからだと思います。
ソフィア・カーソン 私もこの『ディセンダント』という作品に会って、本当に人生が変えられたと思います。『ディセンダント』という作品に出会う前というのは、私は大学生で毎日勉強をして一生懸命に努力して、自分の夢を叶えたいと思いながら、日々過ごしていたんです。一日に2回くらいオーディションを受けたり、また誰も聴くことはない音楽、曲を一生懸命に書いていたりというようなことをしていたんです。
――大変な時期だったことでしょう。
ソフィア・カーソン 『ディセンダント』にキャスティングされてからですが、本当に毎朝、自分の夢見たその時を生きていることができていると思う。今この作品に携わることができ、また自分の音楽をリリースすることができたということで、本当に私は『ディセンダント』という作品によって変えられています。また『ディセンダント』の1作目から2作目の間に、本当に多くのことを経験させていただき、自分自身人としても成長できましたし、自分自身のことについてまたよく知る、学ぶこともできました。これからも、もっと成長を続けていければと願っています。
『ディセンダント』という作品に携わっていたら、モチベーションが落ちるわけがない
――先日、ケニー・オルテガ監督が来日された際、お二人の才能を本当に非常に褒めておられました。一方で撮影中にモチベーションを維持するために努力したことや、撮影中に気を使った点など、そのポイントがあれば教えていただけますか?
ダヴ・キャメロン 私はとにかく人が好きなんです。時に“好き過ぎる”というくらいなんですけど…例えば、朝、誰かにコーヒーを注いでもらった時、パッと目を合わせた瞬間にまるでその人自身の、人生のすべてを知ってしまうような、「あ、この人好き」と思う時ってあると思うんです。
――わかります。そういう時って、実はよくある気がします。
ダヴ・キャメロン 例えば皆さんも、ちょっと道を歩いていた時に、全然知らない人を見て「この人なら私、好きになれるかも」と感じた経験があるかもしれませんが、今回私は脚本を読んで、まさにそんな感覚を覚えました。
もちろん脚本ですから、そこには感情も豊かに表現されているわけで、それを読み取っていくというところもあります。そこで実際にはただの架空の存在だけど、役に対してとてもすごく強い思いを感じたり。役者の仕事としては、やはり自分の演じるキャラクターを愛することは、とても大切だと思います。そして私は、とても感情豊かなところもあるので、本当にマルが好きだと思うんです。
また、今回マルに関しては、「まさにこれはやりたい! 自分のためだ! 自分がやらなくちゃいけない」という思いの元に演じました。そんなところから私自身、自分の演じている役に対しては、まるで兄弟、姉妹の様な思いもあるし、その意味でモチベーションを維持しているということもあります。またこの役をちゃんと紙のページの上から画面にうまく投影し、彼女ららしさをちゃんと表現できるようしたい、ということが私の夢だと思っています。
ソフィア・カーソン 『ディセンダント』という作品に携わっていたら、モチベーションが落ちるわけがないです!(笑)。なぜなら、私が愛してやまない、歌うこと、踊ること、演技をするということを全部含んでいる作品だし、またケニー・オルテガ監督という素晴らしい方とも仕事ができた機会でもあったし。そして、またいわゆるディズニーのレガシー(遺産)である素晴らしいシリーズものに、自分が参加できるということもあるので、本当に自分に感謝、ありがたいという気持ちで臨んでいます。ですのでたとえ朝4時になったとしても、これが終わってほしくない、まだまだやっていたいという気持ちで、常に臨んでいました。
――とてもオシャレでクールな衣装も見どころのポイントかと思うんですが、それぞれのキャラクターの、ファッションのポイントや一番お気に入りだったところを教えてください。
ソフィア・カーソン イヴィというキャラクター自体がいわゆる「ファッショニストで、常にそのファッションというものが重要である」という役なんですけど、私自身がとてもファッションが大好きだし、このキャラクターを演じられることに私は、とてもワクワクしていました。今回は2作目ですけど、ケニー・オルテガ監督が、私の個人的な趣味やスタイルを役に反映してくれて、私のレッド・カーペット上での衣装とか、そういったものも参考にして、いろいろ作り上げてくれました。今回はそれが諸々の衣装や、そういったものに反映されているし、イヴィ自身がその作品の中で着ているいろいろなファッション自体も進化しているというところがあります。
その中でも、私が一番お気に入りの服というのが、ロスト島に戻った時のファッション。『ディセンダント』という作品の中では、主要キャラがすべて強い女性であるというところがまた素晴らしいポイントだと思うんですが、私はこのロスト島に戻った時の服装で、自分としては戦士の様な気持ちになりました。その時に流れた曲「チリン・ライク・ア・ヴィラン」という歌もその格好でやりましたし、またその後、海賊との、剣を使った戦いでもかなりカッコよくできたと思っているので、とても気に入っています。
ダヴ・キャメロン 私のお気に入りは、やっぱりロスト島に戻った時の服装が一番いいかなと思っています。革ジャンに、レザージャケットという格好で、今作でもそうなんですけど、1作目では革ジャン、のレザーのジャケットの下はTシャツ、ちょっとジーンズも破れていたりという感じでしたけど、今回またレザーのジャケットがもっと複雑になって、さらにヒールがとても高いものを履いていたんです。
実際ヒールがとても重くて、履くと本当にガタンと音がするくらいで、あの重さを感じると、本当にマルになった気分なんです。そしてあのジャケットは、いろんな部分が細かくできていて、私の骨格、体形に合わせてセンチ刻みで作られていて、グルグル本当にまかれている感じ(笑)。まるでギブスをつけているような感じになるくらいピッタリとハマっているものなんです。私自身はファッショニストではなくて、マルは実際に役としてもまったくそういったものに興味ない、関係ないというような感じでクールだけど、イヴィのおかげで、とっても素敵なものを着ることができました。
――すごく手の込んだ衣装なんですね。
ダヴ・キャメロン また、衣装担当のカーラ・ソーンが言っていた話なんですけど、今回の作品の中でも、マルは例えばストーリーの始まりのころは天使の様な服装をしていて、次はイヴィが一つのドレスを作ってくれて、また次を作ってくれて、さらに火がついちゃったり、丈も短くなったりといろんな服を着ているんです。
ビックリしたのは、ある一着のドレスを着た時に、500ヤード(約457メートル)分の長さの生地を使ったという話を聞いた時なんですけど、オープニングの初めのところで、白いドレスを着ているんですけど、白いフワフワとした生地が、とても高いものだったというところを聞いたし、実際に衣装の予算的なお金の話になると、全体の衣装、ワードローブでいうと、マルにかかったものがその全体作品の衣装の、予算の1/4を占めていたんだそうです。そんなところで、私は本当にバービー人形になったような気分にもなりました(笑)。
放送情報
『ディセンダント2』
2017年10月21日(土)19:30~21:30、ディズニー・チャンネルにて日本初放送
DVD情報
『ディセンダント2』
11月22日(水)DVD(3200円+税)発売/デジタル配信開始
発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン