<記者コラム:オトゴト>
 グルーヴという言葉は音楽を語る上でよく耳にすると思う。そういう筆者も、ライブレポートなどで、「心地よいグルーヴが」や「グルーヴィーなサウンドで」など、よく使用する。しかし、改めてグルーヴとは何なのかと考えてみると、うまく説明が出来ないということに数年前に気付き始めた。そんなグルーヴについて考察したい。

 まず、「グルーヴ」をネットで検索すると下記のように書かれていた。

 レコード盤の音楽を記録した溝を指す言葉で、波、うねりの感じからジャズ、レゲエ、ソウルなどブラックミュージックの音楽・演奏を表現する言葉に転じた言葉。(引用元=Wikipedia)

 この文章から“うねり”というのが一つのキーワードになるだろう。音楽を聴いていて、うねっていると感じる瞬間はどこだろうか。リズムの緩急や音量(ダイナミクス)の大小、もしくは音が重なった時の微妙な音程のズレなど、うねる要素はたくさんあることに気付く。特にリズムに関しては、そのうねりを生みだすために海外のミュージシャンは「何拍目でツッコむ」など、細かく打ち合わせをしているという話もある。

 そして、よくグルーヴが「ある」「ない」という表現を使うことがある。この表現に疑問を覚えた。うねりならば、どんな状況下でも何かしらはうねっていると思われるし、常にグルーヴという概念はあって、良いか悪いか、好きか嫌いかということになるのではと筆者は考える。

 あと、音楽だけではなく、会話にもグルーヴは存在するという話も。CharaやWEAVERのアレンジを務めたmabanuaさんは「トークなんかにもグルーヴはあります。またあの人と会って話したいなと思わせてくれる人っていますよね?  あと、物事を客観視出来る人がグルーヴを作れる人だと思っている」と興味深い話をしてくれた。

 音楽に限らずグルーヴというものは、時にフィーリングという言葉に変わったり、普段の生活にも密接に関わっていて、成功者は良いグルーヴを持っている人かもしれない。

【文=村上順一】

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