アナログレコードの魅力と難しさ そこからわかるCDの安定度
<記者コラム:オトゴト>
現在、アナログレコードが世界的にブームとなっている。今月27日にはNGT48もアナログ盤「青春時計(豆腐メンタル Remix by tofubeats)」をリリースする。多くのアーティストがCDと一緒にアナログ盤をリリースするなど、レコードの需要は日に日に伸びを見せている。
そんな筆者もこのブームで興味を抱き、プライベートではアナログレコードを聴く機会が多い。音が良いかどうかは、はっきり言って環境によるところが大きいと感じている。それはやはりアナログが故に再生環境に大きく左右される。良いシステムで聴いた時の立体感には驚かされた。
レコードプレーヤーは針で、盤の溝をトレースし電気信号に変えていくわけだが、ここの針圧の設定などで大きく音質が変わる。逆にいえばそこが面白いところで、音源によって針圧を変えたり、カートリッジ自体を変えたりと楽器を奏でるかのように、趣を変え音源を鳴らすことが出来る。
なので、その設定が上手くできないと、途端にノイズが発生したりや音に力がなかったりとCDよりも微妙な感じになってしまうことも。その観点から見るとCDやmp3などのデジタル音源の安定度は魅力でどんな環境でも及第点を叩き出す。ハイレゾに関しては確かに音質では有利な点は多いが、再生環境などまだまだ本領を発揮できる人も少ないと感じる。
しかし、アナログの魅力はダイナミックレンジと音楽的にロールオフ(減衰)した高音域、そして密度のある低音。以前小媒体で取材した、シンガーソングライターのNakamura Emiはアナログ盤について「音に空気が入っている感じがしました。やりたかったものがそのまんま音に流れてきている感じ」と表現していた。
レコードはライブで聴いている感覚に限りなく近く感じる。この音がデジタルで再現できる日は来るのだろうか。
【文=村上順一】
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