全国ツアー『5th Anniversary Tour “真夏の夜のYUME LAND”』の東京公演(撮影=平野哲郎)

 4人組アイドルグループの夢みるアドレセンス(通称:夢アド)が13日、東京・恵比寿リキッドルームで全国ツアー『5th Anniversary Tour “真夏の夜のYUME LAND”』の東京公演を開催した。同ツアーは、夢アドの結成5周年を記念しておこなわれたもので、昨年10月から喉の治療のため活動休止していた、小林れいが復帰し再び4人体制となって初の全国ツアー。チケット代が5555円(税込)と、彼女たちのアニバーサリーと、「GO!GO!GO!GO!」と再出発を祝すかのようなユニークな価格設定も話題となっている。この日は、復帰した小林れいは「声を出せることは当たり前じゃない。一度きりのマイライフ、みんなで歩んでいきましょう」と復帰した喜びを噛み締めた。また、ライブ終了後の会場では、再出発へ向け「新メンバー募集」という電撃発表がおこなわれ、ファンにとってもメモリアルな公演となった。

5つのくす玉でお祝い

(撮影=平野哲郎)

 会場は入り口から長蛇の列ができており、客席は言わずもがなの満員御礼。「YM■AD」と掲げられたステージ上の文字が開演を待ちわびる観客の目に映る。会場が暗転すると、赤、オレンジ、青色のメンバーカラーのペンライトが会場を鮮やかに彩る。白と黒のストライプのワンピースに身を包んだメンバーが登場し、アップテンポでハードロック調の1曲目「アイドルレース」がスタート。「まだまだかかってこいよー!」とスタートから煽る京佳。2曲目はダンスチューンの「リーダーシップ」。爽やかな学園生活がテーマの歌詞から始まるが、サビは大きく人差し指を天井に突き上げながら<Sexy リーダーシップ>と声をそろえる4人は妖艶に見えた。観客のボルテージも徐々に高まっていく。

 MCではリーダーの荻野可鈴が、夢アドとして5周年を迎えた挨拶。そして「今日は夢の世界に引きずり込んで、他の女、他の男のことを忘れさせてやるぜ! 覚悟しときな」と叫ぶ志田友美の言葉に会場は大盛り上がり。

 続いて、荻野可鈴が5周年に合わせて5つの祝い事をくす玉を割って発表すると伝える。ステージ上には大きなくす玉が持ち込まれ、1つ目で結成5周年を祝う文字が。残りの4つは何が飛び出すのか、期待を含ませたまま次の曲へ。

 曲中に熱いファンの掛け声が会場に響いた「Bye Bye My Days」、力強く歌い上げるサビが印象的な「純情マリオネット」を立て続けに披露。そして、猫の手のようなコミカルなダンスがキュートな5曲目「おしえてシュレディンガー」、6曲目は歌手のMINMIが手がけたソカ(トリニダード・トバゴ発祥のポピュラー音楽)の楽しさとポップが融合した「Love for You」、7曲目は推しメンの名前をファンが曲間でそれぞれに叫ぶ「ひまわりハート」まで一気に駆け抜けた。

 再びMCとなり荻野可鈴が2つのくす玉を割る。「公式Twitterのフォロワー数が5万55552人超え」、もう1つは「公式ファンクラブ発足決定」が発表され、会場は歓喜の声に包まれる。志田友美はファンクラブの企画として「バスツアー」を提案するも、「ファン一人ひとりが運転する」という謎の企画にメンバー全員が総ツッコミ。

小林れいも本領発揮

(撮影=平野哲郎)

 そして、マイクスタンド用にメンバーが振りつけたという「大人やらせてよ」を披露。ゲスの極み乙女。/ indigo la Endの川谷絵音による、テンポの速いハウスサウンドの曲を、憂いに満ちた表情で歌うメンバー。間奏では金獅子のようにダイナミックに頭を回転させながら、ヘッドバンギングを見せるところがなんとも夢アド流。曲終わりにステージ袖にはける。荘厳なBGMが流れ約2分ほど経った頃、「ララララ・ライフ」MVの衣装に着替えたメンバーたちが再登場。

 「夢見る少女じゃいられない」では、青いドレスの京佳が「声出してこー! まだまだいくぞ」と煽る。その後のMCで4つ目のくす玉が割られると「11月に10枚目のシングル発売決定」が発表される。

 ライブ後半戦を盛り上げようと、志田友美がビートに乗せてコール&レスポンスで煽る流れで10曲目「ステルス部会25:00」に突入。小林れいのキレキレなダンスが際立っていた。さらに、志田友美の伸びやかな歌声が心地いい「キャンディちゃん」から、メランコリックでアップテンポな「恋のエフェクトMAGIC」。

 歌詞が特徴的な「くらっちゅサマー」で、荻野可鈴の脚が高く上がるダンスは男女ともに魅了されたはず。そして観客のペンライトや手拍子が綺麗に揃った激しいポップナンバー「ファンタスティックパレード」を披露した。

新メンバー募集告知

(撮影=平野哲郎)

 映画『ラ・ラ・ランド』で記憶に新しい、ミュージカルテイストの世界観を彷彿とさせる「ララララ・ライフ」では、曲間でメンバーそれぞれがコメント。京佳は「これから悪いことは起きるかもしれませんが、何があっても受け止めてくれると嬉しいです。さんきょーか!」と笑顔で話し、小林れいは「こうやってステージに立てていることや声を出せていることが当たり前じゃないので、一度きりのマイライフ、みんなで歩んでいきましょう」と呼びかけた。

 志田友美は「6周年、7周年目も頑張っていきます! みんな大好き!」と叫ぶ。荻野可鈴は「5年前にはこうしてアイドルとしての活動が続いている事や、ユメトモ(ファンの呼称)の前に立ってライブをする事が、こんなにも幸せだと感じる瞬間になっているなんて思いもよりませんでした。これからも私たちと一緒に物語を描いてください」と感謝の気持ちを伝え、エンディングへ。暗転する会場は「アンコール!」の大合唱。

 その声に応えたメンバーたちは、時計の秒針を思わせるような振り付けの「Rainbow Rain」を披露。白と黒のツアーTシャツに、ショートパンツを合わせた元気でセクシーな出で立ちでMCになると、京佳が通販番組風にオフィシャルグッズを紹介するコーナーに。「マネキン、ちゃんと仕事して」と小林れいを一喝すると笑いが起きる。

(撮影=平野哲郎)

 小林れいが次の曲の振付に使うタオルを袖に取りに行くというマイペースぶりを発揮した後は、アンコール2曲目の「JUMP!」。そしてこの日ラストになる「舞いジェネ!」でステージを締めくくった。そして最後の挨拶に「バイ夢〜」で締め、メンバー全員が袖にはける。すると、忘れ去られていたかのように、ステージにくす玉が登場し、伊藤プロデューサーがくす玉を割る。するとステージ横のスクリーンに「新メンバー募集」の内容文字が映し出され「詳しくは8月中に発表」という告知が…最後まで観客の目を釘付けにした夢アドから、今後も目が離せない。

【取材=多司真咲】

※■はハートマーク黒字

セットリスト

01.アイドルレース
02.リーダーシップ
03.Bye Bye My Days
04.純情マリオネット
05.おしえてシュレディンガー
06.Love for You
07.ひまわりハート
08.大人やらせてよ
09.夢見る少女じゃいられない
10.ステルス部会25:00
11.キャンディちゃん
12.恋のエフェクトMAGIC
13.くらっちゅサマー
14.ファンタスティックパレード
15.ララララ・ライフ

Encore

E1.Rainbow Rain
E2.JUMP!
E3.舞いジェネ!

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