門脇麦、極寒のMV撮影 バレエ披露も「寒かったという記憶しか」
俳優の林遣都と女優の門脇麦が、共演の西田敏行とともに18日、都内でおこなわれた映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(9月23日公開)の完成披露試写会に舞台挨拶として登壇、映画の主題歌である山下達郎作の曲「REBORN」を劇中で歌った二人は、その苦労などを語った。この日は主演の山田涼介、共演の村上虹郎、寛一郎、尾野真千子、廣木隆一監督も登壇した。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、作家・東野圭吾の小説を実写化した映画作品。手紙で現在と過去をつなげる不思議な雑貨店を舞台に、養護施設育ちの若者と、町の人の悩み相談を聞く店主、そしてそれを取り巻く人々の時空を超えた心の交流を描く。林は売れないミュージシャンで、劇中で「REBORN」のメロディを生み出す松岡克郎役を担当。門脇は孤児院で松岡の曲を聴き、後にミュージシャンとして大成し「REBORN」を歌う女性シンガー・セリ役を演じる。
門脇の見どころは「REBORN」の歌唱シーンであるが、一方ではミュージシャンとしてPVを撮影、その際に海辺でバレエダンスを踊るシーンを披露している。美しいダンスを披露している一方で「PVを撮ると言われていたけど、何をするかは聞いていなくて」と語り、前日にようやくバレエを踊るといわれたことを明かす。
撮影は2月頃の海辺、振付もない状態で、裸足でノースリーブのワンピースという格好で「干潟みたいなところで歌っているんですけど、すごく寒くて、直前まで潮が満ちていて、地面が濡れていて、すごく寒かったという記憶ぐらいしかなかった」「しばらく湯たんぽをおなかと背中に挟んで、ヒーターの前でくるまっていました」と極寒にかなり苦労した様子を振り返っていた。
一方、林はギターの弾き語り、ブルースハープでの演奏と多彩な芸を見せていたが「音楽に関しては全然ゼロからのスタートで。1カ月前くらいから準備して与えられた期間で必死に練習して本番に臨みました」と奮闘の経緯を明かす一方で「今日ここに来て皆さんと久々にお会いして、西田さんが『麦ちゃんの歌、素晴らしかったね!』ってずっとおっしゃっていたけど『僕も一応歌っていたのにな…』って…」と声を掛けられずちょっぴりショックな様子を見せると、西田は少ししどろもどろになりながら「やってたんですよね…やってます。はい! 確かに歌っています!」とコメント、会場の笑いを誘う。
また西田は、林が以前出演したドラマ『火花』(お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が芥川賞を受賞した小説作品の実写化ドラマ)を見て「ナイーヴなところで、脱力感あるいい演技を見せていましたね。『こんな脱力感を目いっぱい出せる俳優がいるだろうか?』というくらい」絶賛、その言葉に林は嬉しそうな表情を見せていた。
また、この日は劇中のナミヤ雑貨店の悩み相談に掛けて、相談を受ける点主役の西田が、キャスト陣の悩みを聞くという趣旨のトークが催され、共演の尾野から「これからも西田さんのことを『敏ちゃん』と呼んでいいですか?」とのコメントが下されると、西田は喜び是非とコメント。
するとこの日の登壇陣は次々と「敏ちゃん!」と呼び始めるが、最後に林の番になると「とても言えない」とストップ。その様子に出席していた山田涼介から「ズルい!」とツッコミを入れらるが、なおも「ズルくても言えない…」と林は西田に頭が上がらない様子を見せ、笑いを誘っていた。 【取材・撮影=桂 伸也】