『J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F. -Special 3 Nights-』の「Day.3 -Focus on DISC.2-」公演(撮影=橋本塁(Rui Hashimoto))

 LUNA SEAのベーシストのJが13日に、東京・赤坂BLITZで自身のソロ活動20周年を記念したスペシャルライブ『J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F. -Special 3 Nights-』の「Day.3 -Focus on DISC.2-」公演をおこなった。これは今年3月に、20周年の活動を記念したベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>W.U.M.F.』をリリースした記念に開催されたスペシャルライブで、11日、12日、13日の3日間おこなわれた。最終日となるこの日は、「力強さを音楽の中で表現出来たら」と自身の音楽についても熱く語った。ベストアルバムのDISC2に収録されているミディアム&バラード系ナンバーを中心に全14曲を披露。今回はその模様を以下にレポートする。

最終日を最高の夜に

(撮影=橋本塁(Rui Hashimoto))

 スペシャルライブの最終日となる会場には、溢れんばかりの観客が詰め掛けており、開演前から熱気に包まれていた。定刻が過ぎると照明が暗転し、サポートメンバーとJがステージに登場。「3日目楽しんでいこうぜ!」というJの言葉を合図に、ミディアムナンバーの「Graceful days」で最終日の幕を開けた。光差す閃光が彼らを輝かせながら、厚みのあるサウンドとJの魂のこもった歌声で、オーディエンスを一気に引き込んでいく。

 1曲目を終えると、Jは満面の笑みを見せながら、ベストアルバムのラストに収録されている「I know」を歌い、サビでは大勢の観客が拳を力強くかざす光景が広がる程、序盤から一体感を見せていた。

 MCでJは嬉しそうな表情をみせながら、「赤坂! 会いたかったぜ!! 会いたかったぜ!」と叫ぶ。「みんなも知っての通り、今夜は俺のベストアルバム『W.U.M.F.』の2枚目に入っているメロウな曲とか、ミディアムテンポの曲とか、バラードの曲とかそういう曲たちにフォーカスを当ててプレイしようかなと思っています。いつもと違う感じですが、みんなリラックスして楽しんでいってください。最高の夜にしたいと思っています!」と呼びかけた。

 MCが終わると、スローテンポの中で刻むギターサウンドが耳に残る「ray of light」、「Mirage#9」を連続で披露。Jはフロア全体を見渡しながら、情熱を込めるように歌唱していく。

 5曲目の「walk along」の<この想いを空に託して>の歌詞部分では、爽快感漂う青の照明に照らされている中で歌唱するJの姿が、その言葉を会場の外に広がる青空に届けるように言葉を響かせているようにも感じた。

 MCでJは「凄い楽しいんですけど俺だけかな(笑)? みんなも楽しんでくれていたらいいなと思います。3日目なんで声もガラガラなんですけど、魂込めて歌いますんで! なんかこういう曲ばかりをプレイするのも初めてなんで、楽しいね。大人になった証拠かな(笑)」と茶目っ気を見せながら、無邪気な少年のように言葉を投げかけた。

メロディやリズムの力強さで表現したい

 中盤戦では、汚れのない真っ白なスポットライトに照らされながら歌うメロウなナンバー「white」や、眠気を誘うような繊細なサウンドに、心地の良いJの甘く低い歌声が印象的な「When You Sleep」を奏でていった。

 中盤のMCでJは、ベストアルバムについて「今回、ベストアルバムをリリースするときに曲を寄せるとかそういう新しい試みをしたんだ。最初はうーんって思ったんだけど、いざそうしてみると自分自身が作ってきた音が、また新しい世界を見せてくる。そんな作品になったんじゃないかと思います。みんなも沢山聴いてくれていると思うけど、ああやって、また分けると違った風景が見えると思うんですけどどうですか?」とオーディエンスに問いかけた。

 8曲目では、Jがスタンドマイクを握りしめ、そっと語り掛けるように優しく歌う「Heaven」へと、後半戦へ続いていった。「良かったら一緒に歌ってください」そう言葉を届けるJに続いたのは「baby baby」。包容力のある温かみのある演奏とともにJは、人々の背中を押すように言の葉をぶつけていくようだった。

 そして、腹の底に響き渡る感覚に陥るドラムビートの「Blank」や、オーディエンスとのシンガロングが巻き起こる「NOWHERE」を続々と披露し、会場のボルテージは最高潮となっていた。

 Jが「今夜はどうもありがとう! ラストの曲で高みに上りたいと思います。あの空のように」と語り、ライブの最後を飾ったナンバーは「Endless sky」。自由に音を楽しめと言わんばかりにJは、澄み切った表情で<終わらないその世界へ連れていってくれ>と歌い、新しい音の世界へと、オーディエンスを連れていこうとしている力強い姿勢が見えた。

 本編が終わるもなお、フロアからは「J! J! J!」というアンコールの声援が響き渡っていた。するとJは、その声に応えるかのようにステージに再び登場。ここでJは自身が感じている音楽について語り始める。「早いとか激しいとかだけでロックミュージックは語られる部分があるけれど実は、俺の中ではそうではなくて。やっぱりメロディやリズムや、そこにある力強さみたいなものを、自分の音楽の中で表現出来たらいいなって思いをずっと持っている人間で。こうやってそういう曲ばかりを集めると、みんなにも色んなものが見てもらえたんじゃないかなって改めて思います。またこういうのやりたいな!」。

 「今日はね、こういう曲たちでライブを終えたいと思っています。みんな想いを込めてください」と告げると、アンコールでは心に染みわたるミディアムバラード「Tomorrow」と初期バラードの名曲「ACROSS THE NIGHT」を披露し、全14曲というミディアム&バラードのラインナップはフィナーレを迎えた。

 最後にJはオーディエンスに「次会うときまで、何があってもくたばんなよ!!」と熱い言葉を投げかけ、スペシャルな一夜は幕を閉じた。

【取材=橋本 美波】

セットリスト

『J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F. -Special 3 Nights-』
「Day.3 -Focus on DISC.2-」
2017年8月13日

01.Graceful days
02.I know
03.ray of light
04.Mirage#9
05.walk along
06.white
07.When You Sleep
08.Heaven
09.baby baby
10.Blank
11.NOWHERE
12.Endless sky

Encore
En1.Tomorrow
En2.ACROSS THE NIGHT

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