SuG・武瑠

 ビジュアル系ロックバンドのSuGが、9月2日開催の日本武道館公演をもって無期限活動休止する。今年で結成10周年の節目、しかも初の武道館をラストにする苦汁の選択をしたSuG。そのボーカルでもある武瑠が先日、自身初のライフスタイルブック『VISION LIFE STYLE BOOK』(KADOKAWA)の刊行を記念したイベントで言及。SuGとしての活動再開の可能性は「ない」とし、事実上の解散であることを明かした。

 武瑠は10日に、自身初のライフスタイルブック『VISION LIFE STYLE BOOK』を発売。15日に刊行記念イベントがおこなわれ、それに先駆けた報道陣向けの囲み取材で、9月2日に開催される日本武道館公演で活動休止となる話題に触れた。

 無期限の活動休止を決めた理由を武瑠は「メンバー5人の中では、自分たちが自分たちの持てる環境の中で、全てを出し切った。やりきったというところが一つ」とそのうちの一つを掲げた。

 SuGは一度、活動休止を経験。昨年5月におこなわれた、東京・EX THEATER ROPPONGIでのツアーファイナルで日本武道館公演開催を発表した。武瑠は「SuGというバンドが存続できるかといことを、その時から自分たちの中で賭けが始まっていた」と明かした。

 そのなかで「音楽だけじゃなくて色んな状況だったりとか、活動する為の環境を作らなきゃいけないんですけど、そういった中でスタッフがいなくなったり、バンドを自分たちが情熱を注ぎながら、自分たちのやりたいものを作れる環境を作りきれなかった。挑戦して環境を作りきれなかったっていうのが一番の理由です」と核心に迫った。

 今後、SuGとして活動を再開する可能性については「メンバーの中ではもう可能性はないと思っています」と述べ、「音楽自体を辞めてしまうメンバーもいると思います。自分も現状だと、武道館までを集中して考えてきたので、この先をまだ考えられていないです」と事実上の解散であるとし、「10年っていう数字に見合うかはわからないんですけど、自分の人生の中で一番大切なものだったので、それを失うというのが自分の中で整理が出来ていない部分もあります」と胸中を明かした。

 メンバーへの想いについては「家族みたいなものなので、お互いの良さも悪さも知っているし、単純に心配だなって思う部分もある。でも仲悪くなったのかは全くないので。続けていく人がいれば応援したいなと思っています」とし、ファンに向けては「ファンのメッセージとか、応援してくれる力によって無謀な挑戦をしようって思えたので、心から感謝してますし、無謀かもしれない挑戦に挑んでいく、それがどういう意味があるのか? それを最後のメッセージにしたいと思っています」と言葉を届けた。

 事実上の解散であることを明言した武瑠。なぜ「無期限活動休止」を選択したのか。「10年バンドをやってきて思うのは、よくも悪くもバンドというものは、メンバーだけものだけではなくなったんだなという感じです。それが正しいかそうではないかは分かりませんが、メンバー5人だけの意志では、発表の言葉を決められなくなってしまったかもしれないですね」とその背景を明かした。

 更に、この決断は「望んでいた未来ではないです。もちろん続けていくことが挑戦だったので。ただ、全て出来ることは注いだ気がします」と語った。その表情は、複雑な思いの内を極力抑え、今は説明に徹しているように見えた。一方、武道館について話題がおよぶと少しトーンを上げ「ちゃんとメンバーやファンが、SuGとの出会いをプラスに出来るような気持ちになって帰れる日にしたいです」と意気込みを表した。

 なお、この『VISION LIFE STYLE BOOK』は、武瑠が10日に発売した初のライフスタイルブックで、武瑠のセルフスタイリングによる最新7DAYSコーデをはじめ、自身のブランド「million dollar orchestra」の最新アイテムを着用したスペシャルフォトグラフや、SuGの曲作りやアートワークを図解化したMusic Product Chart、さらには、ベルリンでのプライベート旅行記や、本人コラム、MYコレクション等を詰め込んだ渾身の一冊となっている。【取材・撮影=橋本美波】

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