東海地方発人気男性グループのBOYS AND MEN(通称:ボイメン)が8月2日に、最新シングル「帆を上げろ!」をリリース。今年1月には日本武道館公演を成功させ、2月には47都道府県ツアーも実施。今、破竹の勢いでその名を轟かせている。同曲は、ミュージシャンで音楽プロデューサーのヒャダインが作曲、作詞家で音楽プロデューサーのいしわたり淳治が作詞を手掛けた。“ボイメンイズム”に溢れていると本人たちも驚くくらい自身の不屈さと夢を追いかける姿勢を表した楽曲に仕上がったという。この楽曲の魅力、これまでの苦難とこれからの野望についてメンバーの田中俊介、本田剛文、勇翔、平松賢人の4人に話を聞いた。
何かしら爪痕を残さなきゃという使命感
――みなさん、とてもテンションが高いですね。
平松賢人 メンバー全員が集まったら、インタビューの収集がつかなくなりますよ(笑)。
本田剛文 ここに集まった4人のチョイスは正解だったと思います。
平松賢人 それは、どういう意味で!?
本田剛文 割と落ち着いて話ができる。
平松賢人 あっ、確かに(笑)。
本田剛文 ただ、メンバー全員が仕事モードに入ると自然にテンションが上がってしまうのは間違いないです。
平松賢人 仕事モードになると確かにスイッチは入りますが、オフのときでも面白いことがあれば、みんなワーッと盛り上がりのスイッチは入ってしまう感じですね。
本田剛文 10人とも、さすがに寝起きのときだけはテンション抑えめですが、それ以外はね…。とくにBOYS AND MENモードに入ってしまったら、みんな日常生活では有り得ないくらい高いテンションにまで上がってしまうので。
平松賢人 自然と気合いが入ってしまいますね。メンバーみんな、どんな仕事であろうと、何かしら爪痕を残さなきゃと使命感を燃やし、自然と気合いもテンションも上がっていく傾向が強いんですよ。
――爪痕を残す?
平松賢人 今日の取材だって、何かしら爪痕を残してやるという意識で臨んでいます!
「あきらめなければ夢は叶う」
――今でこそ人気も全国区になっていますが、そこに至るまでには様々な苦労を重ねてきたそうですね。
田中俊介 僕たちは、今でも名古屋を拠点に活動をしています。メンバーみんな、何の実績も経験もないゼロからのスタートでした。それこそ、一つの仕事をいただくことにも死に物狂いでした。そのハングリーさが今でもしっかり胸の奥に残っているから、先程の爪痕の話ではないですが、活動する以上はどれもしっかり結果を残したいし、残さないことには次がないと思っています。
――活動当初こそ60人を越す大所帯でしたが、今は10人で活動されています。不安に思った時期もあったかもしれませんが、それでも辞めずに活動を続けてきた原動力とは一体何だったのでしょうか?
田中俊介 少なくとも今の10人は「夢は必ず叶うもの」と信じ続けてきたし、今でも信じてやり続けています。その信じる気持ちが10人の心を支えてきたのは間違いないと思います。
平松賢人 はい!!
勇翔 BOYS AND MENの活動コンセプトが、「あきらめなければ夢は必ず叶う」ということです。僕らはずっとその気持ちを貫いてきたし、これからも貫き通していきたいと思っています。
――そのモチベーションをキープし続けるのは、口でいうほど簡単ではないですよね。
勇翔 一時期はスタジオを借りる予算もなく、公園で練習していました。それだって嫌々やっていたわけではなかったですからね。その経験さえも、いつかは未来へ繋がると信じていました。その信じる気持ちが、あきらめる気持ちよりも常に上回っていたのも大きかったのでしょうね。
田中俊介 僕らがここまで走ってこられたのも、うちの社長の存在が大きかったと思います。うちの社長はどんなに絶望の淵にいようが、常に目を輝かせて夢を語り続けてくれました。
それが無謀なことだろうと、「俺は、こうしたいんだ。だから、お前らも一緒に頑張ってくれ」とことあるごとに僕らに語りかけてくれました。その社長の姿を僕ら自身がずっと追いかけ続けて、社長の夢に一緒に必死にしがみついてきました。その社長の存在や、それを信じる気持ちがなかったら、すでにBOYS AND MENは存在していなかったと思います。
これから何回も全国各地をまわり続けたい
――今年1月に日本武道館公演を成功させ、2月からは日本全国47都道府県ツアーもおこないました。人気は増すばかりです。
本田剛文 いやいや、まだまだです。これまでもいろんな夢や目標を掲げて、それを実現するために走り続けてきました。日本武道館公演も目標の一つとしてあって、僕ら自身憧れの舞台でした。あのステージに立っている瞬間は日本を代表するアーティストという気持ちでいたし、自分たちでも本当に良いステージを作れたなと思っています。
でも夢は、一つ叶うごとに、また新たな夢や目標が生まれるものです。昔は、日本武道館もいろんな夢の中の一つのゴールでしたが、それを経験した今は、日本武道館は次のステップへ向かうための通過点になっている。実際に僕らは今、さらに大きな場所を目指して頑張っていますからね。
――一般的には、日本武道館公演を成功させ、次はアリーナだ、ドームだと規模の大きいところに行きそうですが、BOYS AND MENは次の展開として日本全国47都道府県ツアーを選びましたよね。
田中俊介 BOYS AND MENの拠点は名古屋ですが、結成した頃から人数は少ないながらも、全国各地から応援の声が届いていました。日本中に僕たちを応援してくれている人たちがいるのは実感していたことでしたし、その気持ちが嬉しかった。
BOYS AND MENは「直接、生で伝えること」を大切にしているグループなので、生のステージを通さないと伝わらないことがあることも実感しています。だからこそ僕らは、早い時期から「全国各地の応援してくれる人たちに会いに行く」意志を持って活動を続けてきました。
口では「全国制覇」を掲げながら、まだまだ足を運んでない場所もたくさんあって、そこはずっと心の片隅にひっかかっていたことでした。だからこそ、その夢を、日本武道館公演を成功させた次のステップとしてようやく、全国各地をまわり続けるための最初の布石を踏むことができました。ただし今回は、名古屋でのレギュラー仕事もあったことから、チームを2つに分け、片方が名古屋へ残り、もう片方が各地をまわるという形を交互に繰り返しながらおこないました。
BOYS AND MENとしては47都道府県すべてを制覇しましたが、メンバー全員が47都道府県を回れたわけではない。次は、メンバー10人でそれを実現したいと思っています。
本田剛文 今回、日本各地をひと回りしたことで、次は「ただいま」と各地で挨拶できます。きっと「お帰りなさい」と言ってもらえるはず。そのための関係を築けたことが、僕らとしては嬉しかったことでした。
勇翔 僕らは、初心を忘れたくないと思っています。47都道府県ツアーにしても、北海道と沖縄以外は、すべて僕たちが結成時から乗り続けてきた機材車に乗り込んで各地をまわっていましたからね。機材車で移動しているときには、結成当初、よく東京へこの車で向かっていたなぁと思い出していましたし、全国制覇をするなら、やはりそこから僕ら自身始めたかった。
田中俊介 みんなも言っているように、1回で47都道府県ツアーを終える気はなくて、これから何回も全国各地をまわり続けたいですからね。
一生懸命頑張っている人にこそ聞いて欲しい
――「帆を上げろ!」は、今のメンバーみんなの気持ちを形にした歌のように感じました。
本田剛文 楽曲は、ヒャダインさんがすごく親しみやすく、ポップな感じに作ってくださいました。そこへ、いしわたり淳治さんが“ボイメンイズム”というべき歌詞を組み込んでくれています。
「夢を追いかけるには覚悟がいるぞ。でも、やるからには思いきり船出をしようぜ、デカい航海にしようぜ」という想いをいしわたりさんが歌詞へ投影したように、そこは僕らも歌いながら気合いが入るというか、気分が高揚してくるところでもあります。同時にこの曲は、聞いてくれた人たちの背中を押す歌でもあって、一生懸命頑張っている人にこそ聞いて欲しい楽曲として仕上がりました。
――歌詞の内容に関しては、いしわたりさんといろいろやり取りを重ねたのでしょうか?
平松賢人 それが、直接お会いしていないにも関わらず、いしわたりさんはBOYS AND MENの7年間の活動をずっと影で見守っていたかのように、“ボイメンイズム”をすごく理解した歌詞を書いてくださいました。だから、最初に歌詞をいただいたときは、僕ら自身が驚いたくらいです。
本田剛文 ここまで僕らの気持ちと歌詞がシンクロしてくると、歌っていても気持ちの入り方がまったく違いますからね。事実、「帆を上げろ!」は「俺たちの歌だな」と思いながら歌える楽曲です。
勇翔 振り付けもラッキィ池田さんが担当してくださいました。曲調は爽やかに、歌詞は、BOYS AND MENらしい熱い想いを詰め込んで、僕らも「帆を上げろ!」は全力でパフォーマンスしていける楽曲になりました。
――「俺たちが力を合わせたら」「無限大」など、ミニドラマのようなセリフのやりとりもありますね。
勇翔 いしわたりさんが書いてくださいました。ここまで舞台風にセリフを入れている歌は、なかなか無いじゃないですか。そこがまたBOYS AND MENらしいですよね。
平松賢人 楽曲にもいろんな遊び心を持った効果音を入れていて、メロディラインがとても覚えやすくて、「この歌はイケる!!」と思いました。
キラキラとした今までのBOYS AND MENとは違った楽曲と、BOYS AND MENらしい熱い歌詞が重なって、バランスがいいと思います。新しい武器ができたな、と感じました。しかも、今まで以上に万人受けする楽曲が生まれた実感も覚えています。
本田剛文 なんと言っても楽曲がキャッチー。初めてデモ音源を聴いた時点でサビを口ずさめていたくらい、今までのナンバーにはない感覚というか…。耳心地の好さは、BOYS AND MEN楽曲の中でも一番じゃないかと感じています。しかも、すごく楽しい曲。
実際にライブで歌ったら、BOYS AND MENの中でも一番のダイエットソングになるだろうなと(笑)。畳みかけるようなメロディなど、歌う難易度は高いです。振り付けも小学生でも真似できる形なのですが、全身を駆使して、僕らもかなり体力を使いながら表現しています。「帆を上げろ!」は、ステージで毎回ヒイヒイ言いながらも「生きてるな」という実感を覚えながら歌っています。
すごい背脂が出ていますからね。でも、それが「帆を上げろ!」の旨味に繋がっています。
田中俊介 先にカップリングの「がむしゃらロケンロー」の音源をいただいたときは、「おっ、すごくBOYS AND MENらしい格好いい曲」と思っていたら、立て続けに「帆を上げろ!」が届き、「おっ、さらにヤベぇ曲が届いたぞ」と興奮を覚えたくらいでした。
「帆を上げろ!」はヒャダインさん節が全開で、音数が多かったり、効果音で遊んでいたりという要素がありつつ、聞けば聞くほど楽しさが増していく楽曲だなと思っています。歌詞も、「後悔するくらいなら、いっそ大航海する想いで行こうぜ」と自分たちを奮い立たせる内容なのも嬉しいポイントです。
ゼロからスタートしたBOYS AND MENは、ファンのみなさんと手を取り合い進んでいくことで夢を叶えてきた。その姿を歌詞に投影しているように、この「帆を上げろ!」を聞いて、「僕も、私もこうなりたい」と思って欲しいなと願っています。それこそ、日本全国の夢を持って頑張っている方が、この歌のような気持ちになって夢へ向かって突き進んで欲しいなと思いながら、僕らは歌っています。夢に向かってく人たちにとって、この曲は力になる楽曲だと思います。
――確かに、聞いていると力強く前向きな気持ちになれますね。
勇翔 「帆を上げろ!」は、聴いた瞬間から耳に残って、いろんな人たちが覚えやすい楽曲ですからね。この曲では、セリフの部分で組み体操のような振り付けを入れています。それも大胆だなぁと感じています。
過去にも組み体操を取り入れた楽曲はあったのですが。今回、また新たな形の組み体操が振りで入ってきたときに、「あっ、やっぱりBOYS AND MENの振りはこれだよな」と僕は思ってしまいました。
僕たちは、他の人たちがやらないことを積極的に取り入れたいと思っていますし、何よりもインパクトを残していきたい。そうすることで、一目見て「あの人たち何をやってるんだろう」と一見さんにも思ってもらえるじゃないですか。
本田剛文 過去には、5人2チームに分かれ、5人で象の組み体操をやったこともあるからね。
――すごいことやっていますね。
本田剛文 ちゃんとアクロバットのできる人がメンバー内で1人しかいないから、派手にダンスを見せようと思ったら、そういう力技をやっていくしかないのです。逆に捉えるなら、僕らみんながバク転できたら、象の組み体操をすることはなかったと思います。むしろ、それがBOYS AND MENの味になっているので、結果的にオンリーワンの魅力へ繋がっているなと感じています。
田中俊介 今残っているメンバーはみんな、我の強い人たち。一人ひとり個性が強ければ、それをもっともっと武器に変えていけたらさらに強烈なグループになっていけるはず。この10人、まだまだ無限の可能性を秘めていますからね。
本田剛文 そうだね。BOYS AND MENは全員がフランス料理の達人で、みんなで最強のフルコースを目指していくグループではない。中華やフレンチやイタリアンなどなど、一人ひとりがその分野の鉄人。その鉄人たちが並べるアラカルトなコースが僕らのスタイル。つまり、それぞれの得意分野を活かしながらグループの個性に変えていけるところがBOYS AND MENの魅力です。
新しい大陸を開拓していきたい
――「がむしゃらロケンロー」じゃないですが、みなさん普段から何事へもがむしゃらに立ち向かっていくタイプ?
本田剛文 むしろ、僕らにはそれしかない(笑)。
平松賢人 最初に集まった時点でBOYS AND MENは、技術のまったくない素人集団でした。技術のない俺らが何を武器に戦えば良いのかと言ったら、それは「何事も全力でぶつかるがむしゃらさ」しかないです。そこは、今でも良い意味で僕らの持ち味。そこを失くしたらBOYS AND MENである必要性がなくなるし、その姿勢は絶対に曲げたくないですね。
――「がむしゃらロケンロー」の前向きな歌詞ともリンクしていますね。
本田剛文 していますし、これは本当にいい歌詞ですよね。噛みしめれば噛みしめるほどに胸に染み込むと言いますか、僕らの武器が<ムテキなハート>という歌詞もすごく好きです。
田中俊介 BOYS AND MENがスローガンとして掲げているのが、「あきらめなければ夢は必ず叶う」という意志。その姿勢にも通じる想いが「がむしゃらロケンロー」の歌詞には詰め込まれているし、夢が叶うまで絶対に止まるなと自身に向けて歌っているところもありますからね。
歌詞の中に、<どーんと下剋上~名古屋城>と出てくるように、名古屋から夢を叶えてやるという僕らの意志が巧みに投影されているところもポイントです。
――名古屋を押し出すという面では、もう1曲として収録した沢田研二さんの「TOKIO」のカバー曲「NAGOOOOOYA」でも、地元名古屋の魅力をたっぷり伝えてきました。
本田剛文 結成したばかりの頃は歩くこともままならなかったBOYS AND MENの腕をガッとひっぱり、ポンと背中を押し続けてくれたのは、地元名古屋や愛知県の人たち。だからこそ、地元の人たちへの恩返しの気持ちも含め、名古屋の魅力を歌詞へ記したこの曲を歌いました。
勇翔 2月からおこなった日本全国47都道府県ツアーのときに、各地のご当地ソングに歌詞を変えて歌った、47都道府県のバージョンが47曲揃っています。
――収録した3曲とも、気持ちを前へ突き動かす楽曲へ仕上がりましたね。
田中俊介 「帆を上げろ!」の歌詞にもあるように、僕らが新大陸を発見するというか、新しい大陸を作りたいなと思っていますからね。名古屋で生まれたBOYS AND MENという集団が、これまで誰も立ったことのない大陸を開拓していく。そうなりたい野望を僕らは持っています。
本田剛文 今は、まだまだ道半ば。その大陸をつかむまで、僕らはこれからも大海原を漕ぎ続けますよ。
(取材=長澤智典/撮影=冨田味我)
撮り下ろしカット
作品情報
タイトル:シングル「帆を上げろ」 発売日:8月2日(水) ▽商品概要(全4形態) 初回限定盤A(CD+DVD):UICV-9254 初回限定盤B(CD+DVD):UICV-9255 初回限定盤 ピクチャーレーベル(CD):UICV-9256 通常盤(CD):UICV-5066 |