ボイメン水野勝が卒業 メンバーそれぞれが思いを語る
INTERVIEW

BOYS AND MEN

ボイメン水野勝が卒業 メンバーそれぞれが思いを語る


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年05月30日

読了時間:約9分

 名古屋発エンターテイメント集団のBOYS AND MEN(ボイメン)のリーダーを務める水野勝が、5月31日に愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホールで開催される『BOYS AND MEN LIVE 新たな夢の始まり!!「オレ卒業します」』をもって同グループを卒業する。BOYS AND MENは2010年に結成された東海エリア出身・在住のメンバーで構成されたエンターテイメント集団。 2015年に愛知県・日本ガイシホールで1万人ライブを開催、『第58回輝く!日本レコード大賞』では新人賞を受賞。2017年に日本武道館、2019年1月にナゴヤドームで単独ライブを開催しひとつの夢を叶えた。インタビューでは水野勝に卒業への経緯を聞くとともに、田村侑久・辻本達規・本田剛文・勇翔・平松賢人・吉原雅斗に、水野との活動の思い出を語ってもらった。【取材=村上順一】

卒業するからこそできることにもチャレンジしてみたい

――このタイミングでの卒業を決めたのはどんな思いがあったのでしょうか。

水野勝 僕が今年で32歳なるということと、コロナ禍になって考える時間が増えたことが、卒業という決断に繋がったことが大きいです。もちろんグループとして全力でやっていきたい、という思いもあったんですけど、それ以外にもチャレンジしたいことだったり、卒業するからこそできることにもチャレンジしてみたい。それをメンバーに相談しました。

辻本達規 そんな相談だとは最初は思っていなかったので、とにかくびっくりしました。

田村侑久 僕もびっくりしたんですけど、僕も勝くんと同じく32歳なので今後の人生とか考えるタイミングはありました。まだ一緒にやりたいという思いももちろんありますが、勝くんが考えた人生なのでやっぱり応援してあげたいなと思いました。それもずっと一緒にやってきたメンバーだからこそ、やれることなのかなとも思ったんです。

本田剛文 正直、卒業は何とかならないかなと思ったのですが、タレント業というのは自分の人生を見ていただくことだと思っていて、その一つひとつは尊重されるべきものなんだろうなと思いました。引き留めたい気持ちもあった上で、新しい形の切磋琢磨をしてもいいのかなと思いました。

吉原雅斗 ボイメンで僕は最年少なので、今回の件に関して理解できないところもあって、まだまだ一緒に見たい景色があるのにと思いました。でも、僕がわかってあげられない部分もあるので、意思があれば尊重してあげたいという気持ちになり、話を聞いてしっかり送り出してあげたいなと今は思っています。

勇翔 僕は卒業の話を聞いた割と早い段階で気持ちよく送り出したい、という気持ちになりました。みんなも言っていますけど、一番尊重すべきは本人の意思なのかなと思いました。もちろんまだまだ一緒にボイメンをやりたいという気持ちはありましたが、勝くんの人生をグループに縛り付けてしまうのは、違うのかなと。

平松賢人 僕はもう「無理無理無理」と思いました。このメンバーでたくさん話をしたんですけど、僕がすごい質問攻めをするという感じになってしまって。

本田剛文 平松の“スーパー圧迫面接”のコーナーがあったんです(笑)。

平松賢人 聞きたいことが沢山あって。僕も溜め込んだまま卒業されても納得は出来ないと思ったんです。でも理解できる内容だったので、人生を束縛するのも違うなと思って。やりたいことをやって幸せになってもらえたら僕も幸せですし、「頑張ってね」という気持ちになりました。

水野勝 今回の卒業の件でメンバーと衝突したこともありました。 でもメンバーだからと背中押してくれたみんなに、僕は一生感謝しなければいけないなと思っています。

――いま皆さんどんな気持ちで1日1日を過ごしていますか。

田村侑久 そんなに特別なことはないです。割といつも通りな感じです。

辻本達規 あえて口に出すことはないんですけど、この瞬間瞬間が最後になる、というのはずっと胸の中にはあるので、すごく寂しさはあります。

勇翔 今のメンバーで過ごせる時間が本当に少ないので、これまでボイメンがやってきた元気だったり、気持ちをぶつける、ということを最後までやってこれたね、と言えるようにできたらいいなと思いながら、過ごしています。

水野勝 どうしても一つ一つのライブ、テレビのお仕事も、「これが最後なのか」という気持ちにはなってしまいます。今までも全力でやっていましたが、一つ一つのことをより思い出に残るようにしたいという気持ちです。

「これがタレントか…」

――皆さん、水野さんからどんな刺激をもらっていました。

辻本達規 いま思い返してもYanKee5のメンバーは常に刺激しあって切磋琢磨していたと思います。「絶対負けないぞ!」という思いがあって、仲間でもありライバルという存在で、そういう感覚が僕の中では強かったのかなと思い、刺激をもらっていたと思います。

水野勝 ボイメンとしての仕事がまだあまりないときに、グループを代表して東京に行っていたのはYanKee5なんです。YanKee5はその名の通り、けっこう血気盛んだったので、嫌なことがあってもそれを笑いに変えたりする力があって、誰にも負けないなという気持ちはありました。 それはやっぱりこのメンバーだからというのがあったので、自分にないものをみんな持っているからこそ、すごく尊敬していますし、常に刺激をもらって、自分も成長させてもらったなと思っています。

田村侑久 僕はこのメンバーからいろんな面で支えてもらいながら、成長させてもらったと思っています。 勝くんと初めて会った時のことをすごく覚えていて、勝くんから「君、名前は?」と聞かれたので、僕は「田村です」と答えたんです。今度は勝くんが自己紹介する番になって「俺は水野勝!」と親指で自分を指して言ったんですけど、その姿に「これがタレントか…」と刺激を受けました(笑)。僕がこの業界に入って一番痺れた瞬間でした。

――水野さん、覚えてます?

水野勝 僕はちょっと覚えてないんですけど、それをやられた方は覚えてるんでしょうね(笑)。

田村侑久 当時はグループとしてそんなにテレビとか出ていなかったんですけど、勝くんだけはレギュラーで情報番組に出てたんです。なので勝くんのことは僕は既に知ってたのでこの人はすごい人なんだ、と思っていたのも大きかったと思います。

水野勝 昔はよく一緒に帰ってたよね。

田村侑久 そうそう。しかも“マサルッチーニ”、“タムラッチーニ”と2人で呼び合っていました。なので、今でも勝くんから電話がかかってくると「マサルッチーニ」と表示されるんです。勝くんが卒業してもずっとこのままにしておこうと思っています。

水野勝 電話番後、変えようかな(笑)。

――(笑)。平松さんは水野さんからどんな刺激を?

平松賢人 水野くんは俺がリーダーだから絶対に従えよ、という感じではなく、それぞれの目線に合わせてくれるリーダーではあったんですけど、やんちゃ感が強くて(笑)。

――やんちゃ感とは?

平松賢人 ピコピコハンマーってあるじゃないですか? それを使った企画があったんです。僕は水野くんより年下なんですけど、絵的に面白いからこれはいっちゃってもいいんじゃないかと思い、ガンガン水野くんを叩いていたんですけど、そうしたら水野くんの目つきが変わって…。ピコピコハンマーの硬いところで叩いてきて。これはやっちゃったなと(笑)。他にもステージ上で投げ飛ばされたりと刺激はたくさんありました。

本田剛文 武闘派の一面が大人になって潜めているんですけど、たまにその一面が呼び覚まされる時があって、その地雷を踏むのがだいたい平松なんです(笑)。

――(笑)。吉原さんはいかがですか。

吉原雅斗 ライブの前に円陣を組んだりするんですけど、勝くんはそこで語りだすことがあるんです。それによって自分の中で昂っていたものが、すごく落ち着いた闘志になったり、上がりきらなかった気持ちがすごく奮い立ったりするんです。

――それはどんな言葉だったのでしょうか。

吉原雅斗 ちょっと何を言っていたかは覚えていないんですけど…。

水野勝 それは覚えておいてよ(笑)。

本田剛文 だから、どんな言葉が響いたか聞かれたら困るよね(笑)。

吉原雅斗 ライブのMCでも勝くんが何を話すかは僕はほとんど知らないんですけど、勝くんの気持ちが、自分をたぎらせるものがありました。そういうところですごく助けられた、僕たちの気持ちまで代弁してくれていて、刺激というとちょっとニュアンスは違うかもしれないんですけど、僕はそういうところから感化されて頑張れた瞬間がたくさんありました。自分だけでは出しきれなかった部分を引き出してもらえた感じです。

勇翔 僕の趣味の原点になっているところは勝くんの影響が大きいんです。僕は車好きというところで、いろいろお仕事をさせていただいています。昔から『頭文字D』という漫画が好きで読んではいたのですが、そこに登場する車以外はあまり興味がなかったんです。勝くんからいろんな車を勧めてもらってから深く調べるようになったので、勝くんが勧めてくれなかったら、今の僕はなかったんじゃないかなと思います。すごくありがたいなと思います。

ボイメンらしさを全力で伝えられるライブに

――ところで、みなさんから水野さんにお伝えしたいことはありますか。今だから言えることとか...。

田村侑久 割と僕らが隠し事とかしないので、全部言えてしまっている部分もあるんですよね。それを明かすとなるとちょっと公共の場には載せられない感じになってしまうかなと思います(笑)。

水野勝 もう大概お互いの手の内は知っているので(笑)。

辻本達規 僕はありますよ。勝が情報番組に出だしたタイミングで、僕も『サタメン!!!』(中京テレビ)に出演していたんですよ。さっきから勝だけがテレビとかで活躍していてすごい! という感じになってますけど、僕もちゃんとオードリーさんと一緒にテレビ活躍していた、当時テレビに出ていたのは勝だけじゃないんだぞ、というのはお伝えしたいです。

田村侑久 いやいやいやいや、辻本は14人の中のひとりじゃない?  ボイメンの他のメンバーも出てたし、もうエキストラみたいなもんだったじゃん(笑)。

辻本達規 誰が エキストラだよ(笑)。

田村侑久 だってめちゃくちゃ調べたけど、辻本の名前は出てこなかったもん。

――(笑)。では、水野さんのここが凄いと思ったところは?

田村侑久 勝くんはめちゃくちゃ頭が切れますし、言葉の説得力がすごいので人を惹き付ける力は誰よりも持っています。リーダーとしてもそうなんですけど、どんな世界に行ってもやっていける人だなと。まあ一言で表すと詐欺師みたいなもんなんですけど。

水野勝 何で上げて落とすんだよ(笑)。

――表現の仕方に問題がありますね(笑)。水野さんがメンバーの皆さんに一言声を掛けるとしたら、今何を伝えたいですか。

水野勝 何があっても仲間だということを6人に伝えたいです。もうボイメンは家族みたいな感じなので、この絆を切って次に行くということは絶対にしたくないです。これからも困ったことがあったら助け合っていきたいと思います。

――今後の活動への意気込みは?

平松賢人 残った僕らの趣向やビジョンがすごく大事になってくると感じています。6人全員がリーダーのつもりで活動していきたいです。

――最後に5月31日に開催される『BOYS AND MEN LIVE 新たな夢の始まり!!「オレ卒業します」』にはどのような気持ちで臨みたいですか。

田村侑久 悲しい感じではなくて「頑張れよ」という気持ちがみんなにはあると思っています。

水野勝 ボイメンらしさを全力で伝えられるライブにしたいなと思っています。コロナ禍の影響でライブ自体も減ってきてしまったんですけど、お客さんもすごく会えることを楽しみにしてくれていると思うので、僕の卒業を悲しんでくれる方もいらっしゃるとは思うのですが、それ以上に「明日から頑張ろう」と思ってもらえるようなステージを届けたい。その気持ちを忘れずに最後までパフォーマンスしたいなと思っています。

(おわり)

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