変化を繰り返していく、アンドリュー・マクマホン 音楽への挑戦
INTERVIEW

変化を繰り返していく、アンドリュー・マクマホン 音楽への挑戦


記者:小池直也

撮影:

掲載:17年08月02日

読了時間:約7分

バンドからソロ活動を通して可能性を広げてきたと話す、アンドリュー・マクマホン

 米シンガーソングライターのアンドリュー・マクマホンが去る6月7日に、『ファイヤー・エスケイプ(原題:Zombies on Broadway)』をリリースした。彼は2001年にバンド、サムシング・コーポレイトのヴォーカル&ピアニストとしてメジャーデビュー。その後、自身の新たな可能性を求めて結成した別プロジェクトであるジャックス・マネキンを始動。現在はアンドリュー・マクマホン・イン・ザ・ウィルダネスというプロジェクトをメインに活動している。また彼は急性リンパ性白血病を乗り越えた、波乱万丈の半生を持つ。その彼に今回インタビューをおこなった。バンドや現在のプロジェクトを通して「変化を繰り返して、自分の可能性を広げていく事が正しい道なんだと確信した」と話す。彼が感じる日本と海外の違いや、音楽に向かう姿勢などについて聞いた。

オーディエンスの違い

インタビューに応じた、アンドリュー・マクマホン

――先日(6月28日)のタワーレコード新宿店でのインストアライブはいかがでしたか?

 最高でした。沢山の人々が来てくれて、とても良い空気でした。

――以前「日本の事はよくわからない」とおっしゃっていたのが印象的でした。

 もちろん日本は大好きなのですが、日本でやっている事は観光客と変わらなかったりします。美味しいコーヒーとか、お寿司とか、うどんがどこに行けば食べられるかという事がわかっているくらいで。街を歩くのが好きなので、明治神宮まで歩いて行ったりもしました。でもその程度しか知らないので、知識があるわけでは無いのです。

 日本には過去に7、8回は来てると思います。2002年に最初のバンド、サムシング・コーポレイト(1998年~2006年)でも、その後のジャックス・マネキン(2004年~2012年)でも2、3回は来ています。でも今回は、CMのタイアップもあり、よりメジャーなメディアを通しているので、今回のプロジェクトによって僕の音楽を知る人も多いのではないでしょうか。

 日本は文化として「物をあげる=おみやげ文化」があるじゃないですか。先日のインストアが終わった時も、終わる頃には段ボール2、3箱くらいプレゼントで一杯でした。どうやって持ち帰ろうか悩みました(笑)。でも、それが日本のファンやオーディエンスを象徴しているのかな、と思います。他の国にはないことです。プレゼントをくれる人がいない訳ではないのですが、量も凄く多いし、手が込んでいる。久しぶりに来日したということもあって、皆さん一生懸命応援してくれているという事かもしれませんね。

――「日本の観客は静か」と海外のアーティストからよく耳にしますが、どう思われますか?

 自分が経験した限りは、そうとも言えないのではないかな、と思います。最初に来た2002年はサムシング・コーポレイトをやっていた時で、結構パンクなサウンドでした。実際に前情報として「日本のオーディエンスは静かだ」と聞いていたのですが。僕らの前に演奏した日本のバンドのオーディエンスは曲間、静かに聴いていて、終わったら拍手が起こって、すぐに止む。そしてシーンとしている中でギターの人がチューニングをしていて。「ヤベえ、大丈夫か俺たち」と思っていました(笑)。

 でも、自分達は米国ではパンクのオーディエンスがやるモッシュにも慣れているので、とりあえず自分達の番になったら観客にダイブをしてみました。その瞬間、皆が僕の所にばーっと寄って来て。ライブはそのまま盛り上がって、皆楽しそうにしてくれていました。なので、日本ではオーディエンスを巻き込む様に心がけています。ダイブも毎回やっています。自分の経験からは極端に「日本の観客は静か」という印象はありませんよ。

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