3人組現役女子高生ダンス&ボーカルグループのJ☆Dee’Z(ジェイディーズ)が19日に、ニューシングル「Melody」をリリース。2012年に開催されたオーディション『歌のあるガムプロジェクト2012「NEXT」』で、8000組の中からグランプリを獲得。2013年にフランスの『JAPAN EXPO』に史上最年少で出演を果たすなど話題を集めて、2014年にシングル「Beasty Girls/Let the music flow」でメジャーデビュー。昨年から3人組になり、NYで武者修行をおこなうなどを経て新しいスタートを切った。「Melody」は、爽快なサウンドと共に青春の切ない想いを聴かせるナンバーで、「これからも誰かの記憶に寄り添うようなメロディを奏でていきたいという気持ちを乗せて歌った」と話す。青春まっただ中の3人が、NYで得たものは? 今作「Melody」で表現したものは?
3人共通の思い出の曲は、KE$HAの「Tik Tok」
――前回のシングル「Answer」に際しては、NYで武者修行をおこなって。自分たちなりの答えを提示した上での、今回のシングル「Melody」ということで。
ami NY武者修行は、今の私たちの新しいスタート地点で、転機になった経験です。路上でライブをして、電車の中や駅でも歌って。肉体的にも精神的にも、すごく鍛えられました。NYはエンターテインメントの聖地で、街を歩いている人もみんな目が肥えて正直です。最初は、私たちのことが見えていないかのように、素通りされてしまって。3秒でもいいから足を止めてもらうためにはどうしたらいいか、ライブをやるごとに作戦会議をして、最後にはみんなに見てもらえるようになって。最初と最後では、パフォーマンスがまったく違うものになっていたと思います。
Nono 「Answer」の時にたどり着いた答えは……技術的な部分とか、ステージに立つ上で意識するべき点がたくさんあり、そういう細かいところばかりに目が行っていたということです。でもパフォーマーとしていちばん大事なのは、表現することの楽しさや、観に来てくれる人に対しての感謝の気持ちとか、そういう「気持ち」という部分だったと気づくことが出来ました。だから「Melody」は、私たちらしく、変に意識することなく、シンプルに伝えたいことや思っていることを歌にして、楽しんで表現したいと思いました。
MOMOKA 小学生の時から長くやって来て、その中で忘れかけていたことが多くて、それをNYで思い出すことが出来ました。ステージが用意されていること、歌えていることや楽曲提供していただけていること、応援してくれる方の存在など、当たり前のように思っていたものは、決して当たり前ではないものなんだと、初心に還ることが出来ました。
ami そうした経験を経ての前作「Answer」で、その上での今作「Melody」です。聴いてくださるみなさんそれぞれの中で、記憶と結びついたメロディがあると思いますが、私たちのこの「Melody」という曲が、聴いてくれる人の思い出と共に、心に残ってくれたら嬉しいです。そういう気持ちを込めて歌っているし、これからもそういう誰かの記憶に寄り添うようなメロディを奏でていきたいと思っています。
――「Melody」の曲調は、爽やかで力強さもあり、まさしく青春といった雰囲気。アップテンポだけど切なさがあって、そのギャップに胸を掴まれる感じでした。
ami 歌っている自分たちも、心がむず痒いような苦しいような、でも心地の良い苦しさを感じて、そんな切ない気持ちでレコーディングしました。
Nono 歌詞に<#friends写る君>というフレーズがあって、そこも私たちの等身大の曲だなと思うところですね。
学校の友だちと写真を撮ってSNSにアップするときに、「#friends」とハッシュタグを打つのですが、たとえば中学で一緒だった仲の良かった子が、高校の友だちと撮った写真を上げているのを見て、当時を思い出して懐かしく思うみたいな感覚もあって。
ami 私は兵庫県出身で、中学から東京に来て今年で5年目ですが、今でもフッと寂しくなったり切なくなったりする時があって。今の時期なら、地元ではお祭りをやっているんだろうな〜と思って、「#friends」で検索したら、地元の友だちが祭りで楽しんでいる写真を見つけて。まさしく歌詞の通りのことがあって、久しぶりに会いたいな〜って切なくなりました。
MOMOKA 私は神奈川出身ですけど、中学で引っ越しをして、ゼロから友だちを作った経験があるし、高校でも環境が変わったから、前の学校の友だちのことを懐かしむような感覚は分かりますね。
Nono 私は東京出身ですけど、転校が多かったです。一個前の学校の友だちとは今も仲が良いのですが、よく「頑張っている姿をSNSで見ているよ」と連絡をくれて、そういう応援をもらうと、もっと頑張らなきゃなって力になりますね。
――歌詞には<夏が来るたびラララ 口ずさむよ懐かしいメロディー>という歌詞がありますね。
MOMOKA 聴いてくれる人が、思い出の曲を当てはめて聴いてくれたら良いなと思います。
――3人にとって共通の思い出の曲はありますか?
Nono KE$HAさんじゃない?
MOMOKA そうだね。結成するときのオーディションで課題曲だった「Tik Tok」は、いちばん踊った曲です。
ami 私たち3人が出会ったのは小学生の時で、KE$HAさんの「Tik Tok」を聴くと、あの頃は心底ダンスを楽しんでいたな〜とか、ステージから見た景色はきれいだったな〜とか思い出します。結成して8年、ぶつかり合ったこともあったけど、それを乗り越えて今があるよな〜とか、思い出や気持ちがいろいろ甦ります。
Nono 振り付けが、最初は寝転がった状態から始まるんです。だからこの曲が流れると、今でも反射的に寝転びたくなりますね(笑)。
amiは、関西弁の時は甘えた感じになる
――カップリング曲「伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ」は、学校を舞台にした恋と友情の楽曲で、3人の美しいハーモニーから始まるナンバー。
ami 高校というワードも出てくるし、私たちと同世代くらいの方に、共感してもらえたら嬉しいです。大人の方でも、高校生の頃にあんな恋をしたなとか、思い出しながら聴いて欲しいですね。
Nono 曲の頭には、教室のザワザワした音が入っていて。休み時間にみんながおしゃべりしたりしている中で、私たち3人は歌うのが好きでハモっているというストーリーも込められています。
MOMOKA 歌詞には自分たちの意見も採り入れていただいているので、私たちのメッセージと言うと大げさだけど、私たち自身の伝えたい気持ちも入っています。
Nono 歌い回しとか言葉の言い回しとか、意見を出させていただいたので歌いやすかったし、より気持ちを込めることが出来ました。
――ハーモニーが全編に入っていますが、これも今のJ☆Dee’Zにとっての武器ですよね。
ami はい。でも私たちがハモリをやるようになったのは1年くらい前からで、最初は「ハモって何?」くらいの感覚でした。
MOMOKA 音源ではハモっていたけど、レコーディングだけのものだと思っていて、生でやることまでは想像していなくて。それが今はライブで、生でハモってアカペラでハモったりもしていて。ハモリもだんだん分かってくると、すごく楽しいですね。きれいにハモれた時の気持ち良さも分かるようになりました。
Nono 無意識ですけど、きっと小学生の時から一緒にいる私たちだからこその、息の合い方があるのだと思います。
ami ハーモニーや歌も、私たちの原点であるダンスと同じくらい、大事な要素になっています。それをより分かってもらえる曲になりました。
――そして「Fun Time Funk!!!」は、ラップで歌ったファンキーな楽曲。
MOMOKA ファンクの帝王=ジェームス・ブラウンさんに敬意を表して「ゲロッパ」と歌っているところもあって。
Nono ライブで盛り上がりそうです。
ami 今までもラップを採り入れたことはあったけど、ここまで長くやった曲はなくて。リズムが難しくて、すごく練習しました。
Nono アクセントの付け方で、言葉が伝わらなくなったりするから、より丁寧に歌いました。
――アクセントと言えば、amiさんは関西出身ですが。
ami 今は、学校とか仕事の時とかは普通に標準語で、実家に帰ると関西弁になったりしますね。
MOMOKA 私は、ずっと関西弁でも良いと思うのですが、きっとamiの中でオンとオフの良いスイッチになっているのかも。
ami 自分では無意識だから。
Nono でも関西弁の時と標準語の時で、ちょっと雰囲気が違うよね。その時たまたまだったかもしれないけど、関西弁の時は、実家の安心感と言うか、ちょっと甘えた感じでお母さんと話していて。私たちにももっと甘えて欲しいよね。
MOMOKA そうだよ。私たちにも甘えて良いんだよ(笑)!
ami めっちゃ恥ずかしいんですけど。
ボディパーカッションは、シンプルに痛い!
――「Melody」のMVは、演技のシーンや懐かしい風景もあって。青春の短編映画みたいな感じだと思いました。
Nono 制服でMVを撮るのは初めてだったので、私たちの等身大が表現出来ていると思います。
MOMOKA 新潟にある廃校をお借りして撮影しました。途中で雨が降っちゃって、急遽傘を差した撮影に切り替えたりとかハプニングもありましたけど、自然一杯のロケーションだったから雨のシーンでさえも絵になりました。
ami もちろん演出はあったんですけど、ムリに演技をする感じがなくて、とても自然体でいられた撮影でしたね。
――Nonoさんは、涙を流すシーンもありましたけど。
Nono そういうシーンは初めてだったんですけど、自然と切ない気持ちになれたので、何とか涙を出せました。
MOMOKA 1分もかからないくらいで涙が出たから、見ていた私たちもびっくりしました。何を想像して涙を流したかは、秘密だそうです(笑)。
Nono (笑)。
――「Melody」のMVは、ダンスシーンも満載。ミュージカルっぽく踊るようなところもあったり。
Nono 「Melody」は、基本的にはヒップホップダンスかな?
MOMOKA J☆Dee’Zの中では激しいほうです。MVで、360度で踊ったのは新鮮でした。
Nono 腕を回す振り付けとかあって、腕がはずれるかと思ったし(笑)。
ami あと、デッキブラシだよね。道具を使ってダンスしたのは初めてで、すごく難しかったです。デッキブラシを思うように動かせなかったり、音が出なかったりして大変で。身長差や筋力差があるので、音を出すタイミングもなかなか揃わなくて。
MOMOKA デッキブラシの側面を使ったりブラシの面を使ったり、いろいろなところを使って音を出していて。
Nono 鳴らした後の動きも計算しないといけなくて、すごく頭を使う振り付けでした。でも頑張って練習したので、たくさん見て欲しいです。
――初回生産限定盤のDVDに収録のライブ映像では、足に小さなシンバルを付けて鳴らすパフォーマンスもやっていて。ボディパーカッションと言うんですか?
ami 前作「Answer」から、体を叩いて音を鳴らすボディパーカッションを採り入れています。足でシャンシャン鳴らす以外にも、肩とかを叩いて音を出したりするんですけど、オケの音に負けないように全力でやっているので、シンプルに本当に痛いです(笑)。
MOMOKA 何度も叩いているところは、あざが出来てしまって。最初はそのたびに「痛っ」ってなっていたけど、今はもう躊躇なく叩けるようになって。振り付けの一部という感じ。
Nono 自分の体を全力で、しかも自分で叩くのって、最初は怖くて。でも、もう慣れました!
――そんな全身を使ったライブパフォーマンスも、J☆Dee’Zの魅力のひとつですね。
ami きっとライブが、いちばん伝わると思います。J☆Dee’Zにとって、CDやMVはもちろんだけど、ライブでは表情とか息づかい、ボディパ(ーカッション)、生歌、私たちの全身で伝えることが出来るので。ありのままの私たちを見てもらいたいです。
――では最後に、今後の目標を。
ami 私たちは、デビュー当時から日本武道館でワンマンライブをやるのが目標です。ただやるのではなく、武道館でやるのに相応しい、実力や人気が伴った状態になった時にやりたいです。
でも今は、9月22日のワンマンライブを成功させるところから始めたいです。
MOMOKA 9月は、生バンドでやります。3月のワンマンでは初の生バンドでのライブだったのですが、そういうスタイルでのライブも成長させたいです。
Nono もっともっともっと成長した姿をお見せしたいです!
(取材・撮影=榑林史章)
◆J☆Dee’Zとは ami(16歳、高校2年生)、Nono(15歳、高校1年生)、MOMOKA(17歳、高校3年生)の3人組。2012年にLOTTEとSony Musicによるオーディション『歌のあるガムプロジェクト2012「NEXT」』で8000組の中からグランプリを獲得。2013年にフランスで開催されたJAPAN EXPOに史上最年少で出演した他、アニメ『ポケットモンスター XY』のエンディングテーマ「X海峡Y景色」を担当するなどメジャーデビュー前から注目を集めて、2014年にシングル「Beasty Girls/Let the music flow」でメジャーデビュー。2016年から現体制の3人で活動している。
撮り下ろし写真
作品情報
6thシングル「Melody」 発売日:7月19日 初回生産限定盤(CD+DVD)1852円(税抜)SRCL-9448 ~ SRCL-9449 通常盤(CD)1111円(税抜)SRCL-9450 ▽CD収録内容 ▽初回生産限定盤DVD収録内容 Dream Arch |
ライブ情報
▽J☆Dee'Z「Melody」発売記念フリーライブ&特典会
7月20日 東京都・タワーレコード町田店 ▽J☆Dee'Z ONEMAN LIVE |