ワンマンライブ『放課後プリンセスライブ2017 “Princess Serenade ~My Song For You~”』を開催

 アイドルグループの放課後プリンセスが12日、東京・TSUTAYA O-EASTでワンマンライブ『放課後プリンセスライブ2017 “Princess Serenade ~My Song For You~”』を開催した。この日はメンバーの舞花の誕生日でもあり、ファンとメンバーで盛大に祝福した一夜となった。

 放課後プリンセスは童話や説話、そして史実上の様々なプリンセスストーリーを作品で表現しながら活動しているガールズグループで、その楽曲・衣装・パフォーマンスの世界観が一体となるライブは、彼女達の真価が発揮される場である。これまでシンデレラ、白雪姫、フランス王妃マリー・アントワネット、人魚姫、映画『ローマの休日』のアン王女、楊貴妃…と変身してきた放課後プリンセスだが、7月19日に発売される最新シングル「さよならデュアリーナ」では、バレエ演目「白鳥の湖」に登場する“オデット姫”をテーマに取り上げた。

 シングルの発売記念ライブである今回のステージには、白いジョーゼット幕のドレープが揺らぎ、幾本ものギリシャ柱がそびえ立つ。『Princess Serenade』というライブタイトルを彷彿とさせる、真夏の夜の宮殿のイメージだ。

 満員の会場に古時計の秒針の音、そして煌びやかな鐘の音が鳴り響くと、7人のプリンセスが住む城の執事がナレーションを始める。「奈々姫、舞花姫、みらん姫に沙織姫、ひまり姫、ささら姫、まゆみ姫は、今夜を心待ちにしておられました!」とライブのイントロダクションが切り出されると、客席からは大歓声が。一夜限りの夢の時間のスタートだ。

ライブのもよう

 1曲目は「青春マーメイド」。ライブ当日の12日に誕生日を迎えた、今夜の主役であるメンバー、舞花が初めてメインボーカルをつとめたシングルで幕を開ける。切ない恋の伝説を残す“人魚姫”が自分の運命に立ち向かい、奇跡を起こす様子を紡いだ楽曲だ。歌い上げる舞花の声を合図に、人魚の尾ひれをイメージしたエメラルドグリーンのシフォンスカートをメンバーが一斉に宙に投げ出すと、悲恋の人魚姫が一変。尾ひれは足に変わり、“人魚”の姿から愛を掴んだ“人間”の姿に変身した。

 2曲目、3曲目もヒットシングルでスタートダッシュを畳み掛ける。今日のライブのために特別に用意された、1stシングル「消えて、白雪姫」と2ndシングル「純白アントワネット」のメドレー、そして強い意思と覚悟を歌う中国のプリンセス“楊貴妃”をテーマにした「ライチレッドの運命」を続けて披露し、客席はヒートアップ。

 リーダーの小田桐奈々は「熱いですね?! 今日は、来週発売するシングル「さよならデュアリーナ」と舞花のお誕生日を、ファンの皆さんと一緒に盛り上げたいと思います!」と意気込みを語った。

 MCが明けると、メンバーカラーである紫色の花をふんだんにあしらったミニドレス姿の舞花がソロで登場。ギター・キーボードと共に、バンド編成で届ける幻想的なアコースティックタイムが始まった。

 舞花が幼い頃から「夢を持って、それを叶えたいと思いながらいつも聴いていた」という「星に願いを」「A Whole New World」を順に披露、会場全体を一気に魅了する。

 続いてのカバー曲では、夏の名曲「夏の終わりのハーモニー」をセレクト。客席から歓喜の声が上がる中「今夜が夏の一番の思い出になりますように」と舞花が語ったとおり切なく甘い歌声が胸を打ち、集まったファンにとって忘れられない夜が演出された。

 舞花がバンドメンバーを送り出そうとしたところで、サプライズが。バンドメンバーが放課後プリンセスのバースデーソング「超HAPPY BIRTHDAY」のイントロを生演奏し始めると、ステージ袖から他のメンバーが舞花の元に駆け寄り、「舞花、お誕生日おめでとう!」と口々に声をかける。

 小田桐が客席に向かって「一緒に舞花をお祝いしましょう!」と呼びかけ、会場のファンと一緒に大合唱、舞花の誕生日を歌でお祝いすることになった。舞花は心底驚いた様子を見せ「私に秘密で考えてくれていたの?! 生演奏の「超HAPPY BIRTHDAY」をファンの皆さんに一緒に歌っていただけて本当に嬉しいです!ありがとう!」と喜びを見せた。

舞花

 舞花はその感謝の気持ちを、続いて披露する自身が作詞したソロ曲「My love song」で爆発させ、客席は舞花のビッグバラードに酔いしれた。

 その後ステージから白鳥の湖「情景」の旋律が流れ出すと、湖のほとりで語られる執事のナレーションに合わせ、メンバーがひとりずつ登場。いよいよ、このライブのクライマックスである楽曲「さよならデュアリーナ」の披露となる。小田桐奈々・木月沙織・城崎ひまり・小島まゆみは白鳥、舞花・山口みらん・関根ささらは黒鳥の衣装に身を包み、「白」と「黒」、ふたつの気持ちの間で揺れ動く女の子の心を描いていく。

 音域が広く、キーのトップがGという舞花の圧倒的な歌唱力と、一瞬でおこなわれる白と黒の衣装の反転は、一見の価値あり。小田桐と関根が歌うエモーショナルなDメロで白鳥は黒鳥へと変身し、一度、メンバー全員が黒い衣装で黒鳥に扮する。この激情に息を飲んだ直後、黒鳥だったメンバーの衣装が白鳥の姿に変わり、歌詞と共に希望が満ちていく。赤い扇子が高らかに掲げられるのが突如目に入ってくると、ラストサビからアウトロまで瞬きを忘れパフォーマンスに魅入らせられる。

 チャイコフスキーの「白鳥の湖」のフレーズを印象的に効かせたファンタジーでドラマティックな展開は、徹底したコンセプトでクオリティを遵守する放課後プリンセスだからこそ可能な、彼女たちの楽曲の醍醐味と言えよう。

 そのまま今シングルカップリングに収録されている舞花のソロ曲「Black or White」へ流れるように誘われた。こちらは表題曲と同様「白鳥の湖」のフレーズを用いているが、アレンジの方向性がガラッと変わったグルーヴ感溢れるアーバンなダンスナンバーだ。

 続けて放課後プリンセスの、チーム“miracle”(小田桐、山口、木月、舞花、関根で構成)によるダンスナンバー「Memories ~君と僕の交差点~ O-EAST Special ver.」へ展開し、スタンドマイクを使ったダンスパフォーマンスによってハンサムで大人びた彼女達の一面を味わうことができた。

 ライブも終盤戦となり、会場のボルテージは最高潮へ。インディーズ時代の夏曲「アツはナツい」、ライブで盛り上がる鉄板曲「キミペディア」、そして放課後プリンセスの代表曲である、映画『ローマの休日』アン王女をモチーフにしたシングル「秘密のティアラとジェラート」をもって、大盛況で本編の幕を閉じた。

 止まぬアンコールの中、本公演のオリジナルTシャツ衣装に着替えたメンバーが登場すると、舞花の歌声が冴える「バカだね」、「ジュリエット~君を好きな100の理由~」で客席は再び沸き上がる。舞花は「小さい頃から歌うことしかできない私は、今が一番幸せです。でも、もっと大きな幸せをファンのみなさんと作っていきたいし、必ず叶うと思っています!私の自信を信じて、これからも放課後プリンセスについて来てください!」と語った。

 アンコールを締めくくるのは、放課後プリンセスにとって記念すべきメジャーデビュー曲「制服シンデレラ」。信じていれば必ず夢は叶うと歌った楽曲で、放課後プリンセスの活動をシンデレラストーリーに重ね合わせた彼女達にとって大切な1曲。客席と一体になり、大円団で迎えたラスト。舞花の誕生日、そしてシングル「さよならデュアリーナ」の発売を祝う、メモリアルな一夜となった。

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