自身のソロ活動20周年を記念したライブツア ー『J 20th Anniversary Live Tour 2017 W.U.M.F.』のファイナル公演(撮影=浜野カズシ)

LUNA SEAのベーシストであるJが6月25日に、東京・EX THEATER ROPPONGIで自身のソロ活動20周年を記念したライブツア ー『J 20th Anniversary Live Tour 2017 W.U.M.F.』のファイナル公演をおこなった。疾走感あふれるナンバーから、壮大なバラードまで緩急つけたステージで盛り上げた。これまでへの感謝を語るとともにこれからも挑戦を続けるという力強い宣言で20周年のツアーを締めくくった。

「飛ばしていくぞ!」出だしから容赦の無いステージ

J(撮影=浜野カズシ)

1992年に LUNA SEA のメンバーとしてデビューを果たした J。ソロとして活動を始めたの は、バンドが活動を一時休止した 1997 年のこと。その後 LUNA SEA は活動再開、終幕、そ して再始動と様々な遍歴を経たが、その間に J はソロでこれまで 20 年のキャリアを積み、12 枚のシングルと 10 枚のオリジナルアルバムをリリース。2003 年には単独での武道館コンサートを開催、また、数多くのゲストバンドを一同に迎えての5日間連続ライブ"SHIBUYA-AX 5DAYS"等、独自のスタイルでライブを展開するなど、精力的な活動を続けてきた。

今年3月に 20 周年の活動を記念したベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>W.U.M.F.』がリリースされた。ちなみにツアータイトルにも示されている 「W.U.M.F.」とは、Jのベースに自らが書きなぐった「WAKE UP! MOTHER FUCKER」の略。ソロデビューから 20 年が過ぎ、今やJの代名詞となったこの言葉と共に、自身の音楽を貫いてきた J。このツアー、そしてこのファイナル公演は、そんな彼 の歩んできた 20 年をありのままに映し出すステージとなった。

スタートの予定から10分ほど過ぎた頃、会場の照明が落ち、それまで鳴り響いていたBGMも止み、一瞬の静寂が訪れた。やがて会場には一定のリズムを持ったSEが響き、それに合わせてステージ上のあちこちにあるスポットライトがチカチカと点滅を始め、フロアの観衆の期待感を膨らませた。そして、Jがステージに現れた。クールな雰囲気を見せるサポートメンバーの表情とは対照的に、勢いよくステージに現れ、笑顔を見せるJ。そして「break」がオープニングナンバーを飾った。

「飛ばしていくぞ!」観衆に叫んだJのその言葉が、聴くものの興奮をさらに上昇させた。 時にベースを掲げるように持ち上げ、観衆を煽っていく彼の表情は、力強くも優しさにあふれていた。この記念すべき日に、満員に埋め尽くされたオーディエンスと共にライブが出来ることを心から喜んでいるような表情。前半より「BURN OUT」から「I know」までシンプルながらも情熱にあふれたメロディを放ち続け、時に過熱したフロアではダイブが巻き起こるなど、会 場のボルテージは急激に上がっていった。

「どこまでもおかしくなっちまおうぜ!」

ライブのもよう(撮影=浜野カズシ)

「ここから見える景色は、とても美しいです」観衆を称えるように、Jはフロアに語り掛ける。一方で自身がソロ活動20周年を迎えたにもかかわらず、「まだ落ち着かない」と告白。それは、この前半のステージングで見せた、ピュアなロック魂に通ずる意識であるようにも思える。そして変わらず「落ち着かない」ということは、裏を返せば、これからも彼自身の思いは 初心と何一つ変わらないということであろう。これ以上無いくらいにシンプルなリズムとハーモニー、その上に乗る彼のボーカルによるメロディは、キャッチーな印象もあり、かつ力強い情熱を感じる。

中盤を迎えると、ワルツのバラード「When You Sleep」などを挟み、前半とは違う魅力を見せた。それでもなおロックすることに飢えた様子のJ。「オーライ、トーキョー! いい感じだな! どこまでも行こうぜ! どこまでもおかしくなっちまおうぜ!」と叫び、観衆を煽る。フロアでは観衆がモッシュを始め、抑えきれない衝動をぶつけ合う。その姿に触発されたのか、「LIE-LIE-LIE」のクライマックスではJ自らがフロアにダイブし、観衆の興奮をさらに煽る。そして「一つになろう」というJのメッセージとともに、ラストナンバー「Evoke the world」へ。マーチのリズムに乗せたアクティブなメロディが観衆をジャンプさせ、彼に「美しい」と言わせたその光景に壮大さを付け加えた。そして迎えたエンディングに、Jは観衆に 向けて心からの感謝を告げ、ベースを掲げてステージから去った。

「不可能は無い」未知の領域に飛び込む覚悟を決める

J(撮影=浜野カズシ)

ステージは終了を迎え、会場はひと時静まりを迎えたが、次第にその重なり合う「J! J!」という声は大きくなり、再び彼をステージに呼び戻すアンコールとなった。再びステージ に現れたJは、改めて感謝の言葉を告げ、このツアーのこと、そして20年を振り返る。不安に駆られながらも自身の信じた道を突き進んだことに満足しているというJ。この20年で得られた結論を「やりゃあできるってこと、不可能はねえってことじゃねえか!? なかなか俺らって やるよね! みんなも自分自身に拍手です!」と、自分について来てくれたファンへのねぎらいの言葉と合わせて語る。

対して、これから先の道に対して、未知の世界でも、あえて自分はそういう道を突き進む男であることを宣言。力強いその意思を感じた観衆は、彼へ心からの拍手を送った。アンコール曲で自身の気持ちをさらに強く表現しステージをあとにしたJ。そんな彼に対しさらに観衆はアンコールをせがむと再びJはステージに現れ、まったく予定の無かったダブルアンコールを実施。「NEVER END」と名付けられたその曲のタイトルで、改めて自身の突き進む気持ちを表した。「不可能は無い」、真実かどうかは、これからの彼の動向次第だが、彼ならばその言葉は真実となるだろう、そう思わせてくれる熱いライブだった。

(取材=桂 伸也)

セットリスト

01. break 02. BURN OUT 03. one reason 04. RECKLESS 05. GO with the Devil 06. Die for you 07. I know 08. When You Sleep 09. ACROSS THE NIGHT 10. Go Charge 11. PYROMANIA 12. LIE-LIE-LIE 13. Evoke the world

encore

EN01. Verity EN02. Feel Your Blaze EN03. Endless sky

double encore

EN04. NEVER END

ライブ情報

J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F. -Special 3 Nights-

Day.1 -Focus on DISC.1-
2017 年8月11日(金・祝) 赤坂 BLITZ
"Band of Bonds" Special Guest: Aggressive Dogs a.k.a UZI-ONE
OPEN 18:00 / START 19:00

Day.2 -Focus on F.C.Pyro. 15th anniv.-
2017 年8月12日(土) 赤坂 BLITZ [FC 限定公演]
OPEN 17:00 / START 18:00

Day.3 -Focus on DISC.2-
2017 年8月13日(日) 赤坂 BLITZ
OPEN 17:00 / START 18:00

INFO:SOGO TOKYO 03-3405-9999

■リリース情報- J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017>[W.U.M.F.] 発売中

-商品形態- ●2CD(3800 円+消費税) [品番]CTCD-20062~3 ●2CD+MUSIC VIDEO(6000 円+消費税) [品番]DVD:CTCD-20058~9/B/Blu-ray:CTCD-20060~1/B

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