ライブにおけるほぼすべてをちゃんみな自身がプロデュースした初ワンマンライブ

 現役女子高校生ラッパーのちゃんみなが3月27日に、東京・代官山UNITで初ワンマンライブ『ちゃんみな1st Live 未成年〜To be Queen〜』を開催した。冒頭に流された物語調の映像やダンサーを従えたダンスパフォーマンスなど、ライブにおけるほぼすべてをちゃんみな自身がプロデュースを手掛けたとのことで、10代とは思えないのは、ドスの聴いたボーカルだけではなかった。すでに完成されたセンスと才能を発揮。さらに10代の女性ファンが多く詰めかけ、同世代のカリスマぶりも見せつけたライブとなった。

放送禁止四文字をシャウト

ちゃんみな

 「あるとき、歌の上手なプリンセスがいたが、歌の強大な力を怖れられ投獄されてしまう。それでも歌を歌いたいプリンセスは、なんと脱獄して城から逃亡する」という、夢見る少女が聞いたら泣いてしまいそうなおとぎ話で始まったステージ。1曲目「FXXKER」の民族っぽいビートが打ち鳴らされ、ステージにライトが当たると、逃亡中のプリンセス=ちゃんみなが、ラスボスよろしく王座にドカッと腰を下ろしていた。

 大歓声に包まれ、ちゃんみなの名前を呼ぶ声が鳴り止まない。ちゃんみなはダンサーを従えて、ときにセクシーにときにワイルドにダンスを繰り広げながら、放送禁止四文字をシャウトしまくる。一瞬にして会場は、ちゃんみなの独壇場となった。続けて「You can't win me (REMIX)」では、<Say Ho!>とコール&レスポンス。「このあと続けて歌える?」との呼びかけに、観客の大合唱が場内に鳴り響いた。

 ちゃんみなは、ダンススキルでも抜群のセンスで魅了した。「みんな親友のことを好きになったことある? 私は一度だけあるんだよね」という独白と共に歌った、切ないラブソングの「BEST BOY FRIEND」では、男性ダンサーと絡むようにダンスする。思いの丈をぶつけるように歌いながら披露した、限界ギリギリのセクシーな絡みには、会場に集まった女性ファンから「キャー」と声があがったほどだ。

 聴かせたのは、後半に歌ったピアノバラードの「She’s Gone」。それまでの賑やかなステージとは一転、ピンスポットを一身に浴びながら、歌姫然としたパワフルでエモーショナルな歌声を聴かせた。切なさ溢れる歌詞は、スクリーンに映し出され、ファンは潤ませた目でそれを追いながら、曲の世界にひたっていた。

めっしも登場

ライブのもよう

 また、初ワンマンをお祝いしに、かつての相棒=めっしも駆けつけた。2人で歌ったのは、もちろんインディーズ時代に2人でリリースした「未成年 Feat.めっし」。肩を組んだり抱き合ったり、実にうれしそうに歌う2人の様子に会場は、一転ほっこりとしたムードに溢れた。

 MCでは、ちゃんみな節が炸裂。「この前、ショップで会ったよね? みんなマジで会いに来てくれて、ありがとね」と言いながら、花道から目の前のファンと、ハイタッチしたり握手したり手を振ったりと、実にフレンドリー。かと思えば、「暑み〜!超暑くない? ヤバイ。もうプリンセスとかの設定、どうでもよくね?」と、フリーダム。

 めっしが出てきたときも、「私も当日知ってびっくりしました。……って、そんなわけない。みんな信じた?マジうける!」と、ここまで来ると、いたずらっ子でしかない。またせっかくだからと、その場でファンの質問に答える趣向も。メイクやファッションに関する質問が多い中、「どうやって振り向かせたら良いか」という恋愛の質問も。これには「どんどん行ったほうがいいよ。私のときは、行きすぎてダメだったけど(笑)」と、実体験と共にアドバイスした。

 中盤では、エキゾチックなメイクを施したダンサーが登場して、ステージに作られた花道で、見たことのないような独特のダンスパフォーマンスを披露。また衣装も最初はヒョウ柄っぽいもので、次にビキニにショーパン、着物風衣装、スパンコールのトップスと目でも楽しませる。こうした演出やダンサー選び、さらに衣装に関しても、すべてちゃんみな自身が監修をおこなったそう。まさしくちゃんみなの感性がすべて詰まった、ショーケースといった感じ。18歳でこの溢れる才気は、他にはなかなかないだろう。

 練馬のビヨンセ、末はガガかマライアか。デビュー間もない今から、早くもクイーンの片鱗を見せつけた。

(取材=榑林史章)

セットリスト

01.FXXKER
02.You can't win me (REMIX)
03.Princess
04.Wonderland
05.BEATS BOY FRIEND
ダンスショーケース
06.ナニモコワクナイ
07.ダイキライFeat.ちゃんみな
08.She’s Gone
09.未成年 Feat.めっし
10.OVER
11.LADY

ENCORE
EN1.UR like ME

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