国内外で注目を集めている千葉県出身のシンガーソングライター・ピコ太郎が12月7日にアルバム『PPAP』を発売する。これに伴う合同取材会が某日都内で開かれ、ピコ太郎は記者の質問にユーモアと機知とをもって答えた。NHK紅白歌合戦や流行語大賞については「そこに目標をという事でも無く『世界の人々とPPAP』というふうに思っております。呼ばれれば行くという待ち状態。ミスター・スタンバイと呼んでください」とコメントした。
ピコ太郎は、YouTubeにアップした動画「PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen)」が、歌手のジャスティン・ビーバーに紹介され、その人気は瞬く間に全世界的に火が付いた。そんな彼の待望のアルバム作品が12月7日発売の『PPAP』だ。5曲のカラオケトラックを含めた25曲を収録する大ボリュームとなっている。自身初のパッケージリリースとなる。
この日、多くの記者の拍手に迎えられたピコ太郎は、同作について「(曲が)沢山入っておりまして、今の『PPAP』というものをパッケージしたものではないかと。とは言え、日本バージョンです。世界バージョンの制作も進んでいます。元々好き勝手にYouTubeに上げていたので、その精神は曲げずに“今、面白い物を出す”。今、面白いものと来週、面白いものは違うと思うので。今回の作品は今の所の“PPAP”のムーブメントが全て詰まっています」と自信をのぞかせた。
また、音楽を始めた経緯については「子どもの頃から、歌は歌いたいなと思っていました。色んな歌手を見てきました。五輪真弓さんとかキョンキョン。海外ではスティーヴィー・ワンダーが好きでして。でもこういうチャンスに恵まれずにフリーターをやってました」と説明。
プロデューサーである古坂大魔王との出会いについては「千葉の某公園で壁に向かってライブをしていたら『それじゃ声が反射でちょい遅れるよ。前見た方が直だよ』とお話掛けてくれて。振り向いたら古坂さんだった」と明かした。
この様な全世界的な反応を予測していたのかと問われると「これをもしも予想できてればいたら、こんなに時間かからなかったと思いますね(笑)。古坂さん、僕、家族、飼い猫までもがびっくりしています。ずっと国内のライヴに出ている時はすごい反応が良かったので、これは映像にしようと話はしていました」と驚きを改めて語った。
さらにYouTubeのミュージックチャートで3週世界1位になった感想は? という質問には「2位がチェインスモーカーズ、3位にメジャー・レイザーがいたんです。メジャー・レイザーが大好きなので。逆にゆっくりになるくらい震えが止まらなくて。それから7位に大好きなアリアナちゃんがいまして。謙遜とかよく言われるんですけど、なってみてください。いきなり朝起きたらジャスティン・ビーバーです」とした。
個性的な衣裳については「今の衣装はバージョン4。『オラオラ系スーツ』で検索したんですけど。このシャツセットアップが出てきて、(気に入って)すぐ購入にしました。ストールはZARAです。僕はファッションが好きなので『UOMO』とか『SENSE』、『BOON』、『MEN'S NON-NO』を見るんですけど、読み過ぎでこうなりました」と解説。
NHK紅白歌合戦や流行語大賞にも話題が及ぶと「こればかりは何とも言えないですが、夢は紅白、サマソニ、グラミー賞。紅白も呼ばれたら行きたいなと思います。流行語大賞も今年は倍率が高いと思うので、選んでもらえたら嬉しい。ただ、そこに目標をという事でもなく『世界の人々とPPAP』というふうに思っております。呼ばれれば行くという待ち状態。ミスター・スタンバイと呼んでください」と控えめなコメント。
昨今何かと話題になる芸能界の不倫問題については「いけないと思います。これはいけないです。何故かというと傷つく人がいますね。良いお格好しいなんですけど、公と私があると思うんですよね。公としては絶対してはいけない。でもそうなってしまってしまった人を僕は非難できないと思います。人間ですから、ミスをすると思うんですね。それを非難できるような人間ではないので」と達観した姿勢を示した。
最後にピコ太郎は「最後まで笑って戴き、ありがとうございます。嬉しく思います。これはお祭りだなと思っています。なので、このお祭りを長く続けていける努力だけはしていきたいと思います。日本の文化を背負ってくつもりは全くございません。でもその一端ではあると思っていますので、それを理解してくれる国や人々がいてくれたら嬉しいなと思います。今後とも頑張って行きたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と挨拶した。(取材・小池直也)