キャリア初となる47都道府県ツアーを完遂したOKAMOTO'S (撮影・柴田恵理)

キャリア初となる47都道府県ツアーを完遂したOKAMOTO'S (撮影・柴田恵理)

 4人組ロックバンドのOKAMOTO'Sが10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂で、キャリア初となる47都道府県ツアー『OKAMOTO'S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016』のファイナル公演をおこなった。シングル「BROTHER」を引っ提げ、6月3日の千葉LOOKを皮切りに47都道府県をまわる。この日はツアーの集大成ともいうべきセットリストで、10月14日に配信限定リリースされた新曲「ROCKY」や「Beautiful Days」などアンコール含め全18曲を披露した。オカモトショウ(Vo)はこのツアーを経て「俺たちにとって成功とはなんだろうとずっと考えていた。俺たちの成功はこの4人で死ぬまで音楽を作り続けることです」と力強く宣言。OKAMOTO’Sのグルーヴィーなサウンドで野音のオーディエンスを魅了した。なお、12月21日には初のミニアルバム『BL-EP』をリリースすることも発表した。

みなさん最高にファンキーです

オカモトショウ(Vo)(撮影・柴田恵理)

オカモトショウ(Vo)(撮影・柴田恵理)

 ステージから放たれるライトが眩しく輝く中、定刻を少々過ぎたところで、小林克也氏がこの日のだけに録り下ろしたこれから始まるライヴを盛り上げるナレーションが入り暗転。メンバーはオープニングSEとともにステージにゆっくりと登場した。オカモトレイジ(Dr)のカウントから「青い天国」でライヴの幕は開けた。照明もリズムに合わせ点滅し視覚でもリズムを強調。続いてとびきりファンキーな「JOY JOY JOY」に「HEADHUNT」と、出し惜しみしないノリの良いアッパーチューンで序盤からアクセル全開に踏み込んだ。

 オカモトショウ(Vo)が「俺たちのことをわかってくれているあなたに届けたい曲です」と投げかけ始めたのは「BROTHER」。体の奥底から熱い血潮が湧き上がってくるようなコーラスで聴くもののテンションを上げていく。エンディングではハマ・オカモト(Ba)のベースも華麗にコーラスとユニゾンし、後押しする。

 続いて「うまくやれ」では、オーディエンスとのクラップ合戦を展開。「みなさん最高にファンキーです。俺のクラップについて来れるかい!?」と更にクラップで攻め立てる。その一体感にハマも「これだけ人数がいると(クラップ)の塊感がすごいね」と嬉しそうに話す。

 「Lagoon」ではオカモトコウキ(Gt)のサイケデリックでエモーショナルなロングソロで会場を沸かせると、ショウも「カッコ良かったよ!」とコウキを賞賛。そして、先月リリースされた新曲「Burning Love」で刺激的でセクシーなサウンドを届けた。

オカモトコウキ(Gt)(撮影・柴田恵理)

オカモトコウキ(Gt)(撮影・柴田恵理)

 ショウがタンバリンを手に持ち、「ラブソング」へ。ここで野外での敵と言っても過言ではない、雨が降り始める。徐々に雨足が強くなる中、オーディエンスは一心不乱にOKAMOTO'Sからの“愛の歌”を受け止める。続いての「Sing A Song Together」が終わる頃には雨も上がると、「止んだぜ〜!」とはしゃぎ喜ぶショウ。

 MCでは47都道府県ツアーの話で盛り上がる。長い時間一緒に居たが、全く仲が悪くならなかったと自慢するメンバー。ツアーではハマの声が出なくなって筆談でMCをおこなったライヴの話やYouTubeで配信している番組『オカモトーク』のアイキャッチ収録もおこなわれ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。最後にハマがメンバーに「あなたたちと出会って日本中を廻るとは思っていませんでした。ありがとうございました」と話すと、ショウが「えっ! 嘘!! 普段こういうこと言わない人なんだよ」と驚いた様子を見せた。

 ここでショウがギターをかつぎ、始めたのは「エキストラ」。OKAMOTO'Sでは珍しいバラードで野音の空を彩る。

 更にコウキがメインボーカルを務める「ハーフムーン」、「なんかホーリー」を披露。コウキのホッとするような温かい歌声が野音に響く。このセクションではバラードからメインボーカルのチェンジと、ガラッと趣きを変え楽しませてくれた。コウキも「野音で歌えるとは思っていなかった」と興奮を隠せずにいた。「なんかホーリー」のサビではオーディエンスの掲げた腕がメトロノームのように左右に振れ、一体感ある美しい光景を魅せてくれた。

4人で死ぬまで音楽を作り続ける

ハマ・オカモト(Ba)(撮影・柴田恵理)

ハマ・オカモト(Ba)(撮影・柴田恵理)

 ショウがマラカスを手にし「俺と一緒に踊ってくれないか?」と投げかけ1stアルバム収録の「Beek」へ。体全体を使ってグルーヴを生み出すショウのパフォーマンスに会場の視線を釘付けにする。そして、バンドは生々しいリアルなサウンドを発信し続ける。ショウはこのツアーを経て「OKAMOTO’Sはこの先どこに向かったらいいんだろう。俺たちにとって成功とはなんだろうとずっと考えていた。俺たちの成功はこの4人で死ぬまで音楽を作り続けることです!」との決意表明から「まじないの唄」へ突入。

 バンドの真骨頂とも言えるノリの良いブギーのリズムにウィービングしたショウのブルースハープがサウンドを彩る。その相乗効果に会場のボルテージは最高潮に。途中、メンバーそれぞれのソロを回し、更に高揚感を煽る。自身の名前を使ってのコールアンドレスポンスにショウは、「ボーカリストやっていて良かった。気持ちいいぜ!」とご満悦。

 レイジのクリスピーなリズムワークから「SEXY BODY」で会場全体でエネルギーの交換会とも言えるような、妖艶でハイテンションなステージングで魅了し、「Beautiful Days」では銀テープが会場に向けて発射。キラキラとシャワーのように降り注ぐテープに大歓声が沸き起こる。メンバーとオーディエンスとで作り上げた美しい光景が広がり、大盛況のなか本編を終了した。

オカモトレイジ(Dr)(撮影・柴田恵理)

オカモトレイジ(Dr)(撮影・柴田恵理)

 アンコールに応え、ステージに戻ってきたメンバー。「お客さんやスタッフ、メンバーにもいろいろ言いたいことは沢山あるけど、俺らはミュージシャンだから曲を書きました」とショウが告げ、始めたのは、リリースされたばかりの「ROCKY」。この日が初披露だった。力強いサウンドで奮い立たせてくれる、まさにロッキーのように何度も立ち上がってくる闘志あふれる楽曲に胸が熱くなる。

 「最後の最後まで踊ろうぜ!」と煽りラストは躍動感の塊と言っても過言ではない、グルーヴィーナンバー「Dance With You」でツアーの幕は閉じた。そして、ハマが12月21日に6曲入りのEP盤『BL-EP』をリリースすること発表し、大歓声があがった。

 長いツアーを経て、バンドの結束力がさらに強固なものになったと感じたライヴであった。「4人で音楽を作り続ける」この言葉はファンにとっての最高のプレゼントだろう。確かな演奏力とステージパフォーマンスで、野音をグルーヴの渦に巻き込んだバンドのポテンシャルを魅せつけた一夜であった。このツアーでひと回りもふた回りも、大きくなったであろうバンドの未来が楽しみだ。(取材・村上順一)

セットリスト

OKAMOTO'S FORTY SEVEN LIVE TOUR 2016
10月29日 日比谷野外大音楽堂

01.青い天国
02.JOY JOY JOY
03.HEADHUNT
04.BROTHER
05.うまくやれ
06.Lagoon
07.Burning Love
08.ラブソング
09.Sing A Song Together
10.エキストラ
11.ハーフムーン
12.なんかホーリー
13.Beek
14.まじないの唄
15.SEXY BODY
16.Beautiful Days

ENCORE

17.ROCKY
18.Dance With You

【リリース情報】

「BL-EP」

12月21日 発売

Tシャツ付きアナログ盤 5000円(税抜/iTunes他サイトにて配信同時リリース

※映画「にがくてあまい」の主題歌として先行配信リリースされた「Burning Love」や、同世代のHIP HOPクルー“KANDYTOWN”より呂布&MUDをfeat.した音源を含む全6曲入りのEP盤!!

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