舞台挨拶をおこなった駿河太郎(中央)mayo(左端)ら(撮影・桂 伸也)

駿河太郎が役柄“夢二”との共通性を否定

舞台挨拶をおこなった駿河太郎(中央)mayo(左端)ら(撮影・桂 伸也)

 映画『夢二~愛のとばしり』の初日舞台あいさつが30日、都内でおこなわれ、主役の夢二を演じた俳優でミュージシャンの駿河太郎(38)が、宮野ケイジ監督と、共演の小宮有紗、黒谷友香と、劇中の音楽を担当したmayo(岡本真夜)とともに登壇。駿河は宮野監督との会話の中で、あくまで夢二との共通性を見いだせないながらも、改めてその性格を理解している様子を見せた。またmayoは、作品への参加がきっかけで、元々インストナンバーとして作曲した曲に歌詞をつけることとなったエピソードを明かした。

 本作は作家・野村桔梗の小説『竹久夢二のすべて』をもとに映画化したストーリー。明治時代から大正時代にかけて著名な美人画を多く手掛けた画家・竹久夢二(駿河)と、夢二が愛した3人の女性との日々を通じて、とある人間の本質に迫っていく作品で海外フィルムイベント『Japan Film Festival LA 2015』でグランプリを獲得するなど、大きな話題を呼んでいる。

 3人の女性の間で揺れ動く夢二の性格に対し、駿河はあくまで共感できないと語りながらも「性別も関係なく『しゃ~ないな』と思っていただければいいなと思っています」と弁明し、「人たらしというよりも、孤高すぎて女性が放っておけない人だと思う」とそのイメージの真意を分析した。

 一方で駿河は「それを僕に求める監督というのは、類稀なる精神の持ち主だなと」と、夢二との性格の違いを語るとともに、キャスティングを今一つ納得してない様子を見せた。対して宮野監督は「満たされていないというか、何か苛立ちを内に秘めている、そういう印象がありましたので、それを起爆剤として演じてもらいたいとお願いしました」と、また違う観点で駿河と夢二に共通するものがあると考える点を語った。

 また宮野監督は本作に関して、作品に込めたメッセージなどは「ないです! ただ今までと違う夢二を描いているので、その中で皆さんの心に何か染みるものがあれば」と作品をアピールするものの、メッセージ性を否定。対して駿河は「見る人によっては愛のことを考えるきっかけにもなるだろうし、自分のやりたいことと現実のギャップに悩むことなど、いろんなメッセージが入っていると思います。そういう中で僕が主演をやらせていただいたということは、非常にありがたかったと思います」とも述べた。

 今作のテーマ曲を手掛けたmayoは、映画のテーマ曲としている「always love you」について「一番恋しい人のことをイメージして書いた曲で、まっすぐな思いを描いています」と、曲に込めた思いを語った。一方で、元々インストナンバーとして作曲したものだったが、夢二を手掛けたことで刺激され、歌詞を新たに作り岡本真夜名義の最新アルバム『Love Story』にも収録したことを明かしている。(取材・桂伸也)

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