ツアーファイナル公演を成功させたフレデリック(撮影・鈴木公平)

ツアーファイナル公演を成功させたフレデリック(撮影・鈴木公平)

 神戸出身の3ピースバンドのフレデリックが2日、東京・Zepp DiverCity (TOKYO)でツアー『フレデリズムツアー2016 ~オンリーワンダーランド』のファイナル公演をおこなった。6月にリリースした1stシングル「オンリーワンダー」を引っさげておこなわれた、名古屋、大阪、東京で実施。本編をほぼノーMCで、アンコールを含め全17曲を熱演。訪れたファンを“オンリーワン”なサウンドとグルーヴで熱狂させた。三原健司(Vo.Gt)は「俺たちを変えてくれたのは、紛れもなくあなた方ひとり一人だから、あなたのオンリーワンに本当に感謝します」とファンに感謝の言葉を述べ、最終地の東京は自身最大規模の会場で、まさに今後を占う重要な一夜となった。

オープニングは意表つく「オワラセナイト」

 定刻を少々過ぎたところで、三原康司(Ba.Cho)の開演を告げるアナウンスが流れた。しばらくしてBGMがストップし、ゆっくりと暗転すると、大きな拍手が会場に響いた。SEが流れる中、ステージ後方に設置されたスクリーンに、「オンリーワンダー」のジャケットで、健司が掲げていた“ON1”の文字がロジカルに動き回る。「フレデリズムツアー、オンリーワンダーランド始めます」とアナウンスされると、メンバーがステージに登場した。

 楽器を抱え始まったオープニングナンバーは、「オワラセナイト」。フロアからオーディエンスの無数の手が、エネルギーを送るかのようにステージに向かって伸ばされる。出だしからフルスロットルで突き進むフレデリック。2曲目は「DNAです」に突入。健司の奏でるストロークの隙間を、赤頭隆児(Gt)のソリッドなカッティングが縫っていき、そこに康司の重心の低いベースラインが絡む。うねるフレデリックサウンドによって、会場のテンションをどんどん上げていった。

 3曲目は「トウメイニンゲン」。オープニングから一貫性のあるテンポ感で、高揚感を煽っていく。クラブのDJが曲をかける時にBPM(テンポ)を揃え、踊りやすい状況を作り上げる手法に近い感覚でフロアを盛り上げていく。続く「ひっくりかえす」では、リフレインする言葉でリズムを作る。更にアグレッシブなコードワークが印象的に響くロックナンバー「FUTURE ICE CREAM」でファンを扇情する。

 そして、波の音のSEからこの時期にピッタリな「トライアングルサマー」を披露。ギターのリバーブ感がサーフロック的なニュアンスを醸し出し、疾走感あふれるナンバーで魅了していく。気づいてみればオープニングから6曲、ほぼノンストップで展開。休む間もなくフレデリックサウンドで会場を満たしていった。

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