PHOTO:杉田 真

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 リーダー&トロンボーンのジェントル久保田が指揮する総勢21人から成るビッグバンド、ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドが13日、東京・青山CAYで『SWINGIN’ & STOMPIN’ Vol.3』をおこなった。スペシャルシークレットゲストとしてステージに芸能生活50周年を迎えた小松政夫(74)が登場し、このサプライズに集まったオーディエンスも大興奮。音楽とコントが融合した完璧のパフォーマンスを披露し、コメディアン小松政夫の健在ぶりをアピールした。

 クレイジー・キャッツの植木等の運転手・付き人時代から音楽バラエティ番組「シャボン玉ホリデー」に出演していた小松政夫が、晴れてタレントとして渡辺プロダクションと契約したのが1966年。今年は芸能生活50周年にあたるアニバーサリー・イヤー。

 最近は俳優としての活動が多かったが元々はコメディアン。ジェントルとの共演は、生バンドで「シャボン玉ホリデー」のようなエンターテインメント・ショーを再現したい!という小松のかねてよりの夢が実現した。

 小松の出演はジェントルのセカンドステージの2曲目の演奏が終わったとき。リーダーのジェントル久保田が「本日のスペシャルゲスト。コメディのレジェンド!小松政夫!」と呼び込むと金色のタキシードを纏った小松が客席から派手に登場。暴徒のMCで、本当はバンドマンになりたかったのに子供の頃は民謡教室に通わされたと告白。まずは「民謡・歯医者さんの唄」をと、こぶしをたっぷり利かせて歌った1フレーズは「はぁ(歯ぁ)~どうした」。のっけからギャグをかまし客席を沸かせる。

 続いて、一度指揮をしてみたかったとジェントル久保田に懇願しコンダクターに。1・2・3と軽やかにカウントを取ってタクトを振り下ろしたと思ったら、そのまま指揮棒を後方に飛ばすというベタ過ぎるギャグを何度か繰り返し、中々演奏が始まらない。

 小松がタクトを振ったのはジェントルのナンバー「ハッピカ☆ライト」。ステージを縦横無尽にスウイングしながらのタクトさばきは実にリズミカルで様になっている。クレイジー・キャッツの元で長年培った音楽的なセンスを生かしたパフォーマンスはさすがの貫禄。ジェントルとの演奏も息ぴったりで、小松のドタバタ指揮やギャグの応酬に見事に応じる。これは両者の入念なリハーサルの賜物。昨今のお笑いと違って、しっかりと作りこまれた音楽バラエティの真髄を見せてくれた。

PHOTO:杉田 真

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 「ハッピカ☆ライト」の演奏が終わると、ステージ下手に登場した女性シンガー3人がお馴染みのメロディを唄い出す。そしてジェントル久保田が小松に手渡したのは、あの有名なマスコット人形。昭和のちびっ子を熱狂させたあの「しらけ鳥音頭」をついに披露。なんと、この「しらけ鳥」人形、TV番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」で実際に小道具として使われていた本物。リアルタイム世代はもちろんだが、「しらけ鳥」を全く知らない若い世代までもが大喜び。僅か15分という短い時間ではあったが、これぞ本物の音楽バラエティというパフォーマンスを見せてくれた。

 ステージを終え取材に応じた小松政夫は、芸能生活50年を振り返り『役者になろうと思って出てきて役者に成れて。一応、陽の目を見られて。初志貫徹で終われそうな人生を送れてきた、ずっと好きなことをやって来れたというのは幸せな事なんだなぁと。まだ死んだわけじゃないですけど(笑)。』と語った。

 小松政夫芸能生活50周年プロジェクト。この後、秋に新曲をリリース。年明けにはジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドとのツアーが予定されていて、他にも様々な企画が進行中との事。今後の活動に期待度が高まる。

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