仮想と現実の2.5次元で活躍するアルスマグナ、その実体に迫る
INTERVIEW

仮想と現実の2.5次元で活躍するアルスマグナ、その実体に迫る


記者:村上順一

撮影:

掲載:16年03月09日

読了時間:約17分

その20パーセントがずっと続くんです

朴ウィトと神生アキラ

朴ウィトと神生アキラ

――皆さんは激しいダンスをされていますが普段からトレーニングは?

神生アキラ ダンス以外で体力をつけるというのはないですね。バスケも遊びでやっている感じだし。ただ、この前の武道館では3時間パフォーマンスをやりましたが、あれが観客ゼロの状態だったら、どこかでバテてると思います。お客さんがいて、みんなが観てくれてそのパワーを貰って頑張れるっていうのはありますね。100パーセントのパワーがあって、みんながいるから、それが120パーセントになるという感じですかね。

朴ウィト 僕は、筋トレは欠かさず毎日やっていますね。あとはストレッチとか、身体のケアも気を付けています。ライブ中も100パーセントを出し切るんですけど、また戻れるっていうか。出し切った後の持続力があるんですよ、気持ちの面だと思うんですけど。あと20パーセントしかないって思っても、その20パーセントがずっと続くんですよね。

九瓏ケント わかる。そのちょっとが“ずーっと”続くんだよね。

朴ウィト だから、体力づくりをしているという感覚はないかもしれませんね。

神生アキラ 例えば動画を撮ったりするのは、自分たちのフィジカルの面なんですけど、ライブは6:4くらいでメンタルの面が強いと思うんです。アルスマグナとしても、そこを見て欲しいですね。どんなに辛くても、がむしゃらで笑顔で一生懸命やっている姿を、観てもらいたい。ただ、3時間のメニューをこなしても疲れるだけだけど、そこをメンタルで補っている感じかもしれませんね。

泉奏

泉奏

泉奏 自分はそこまで体力づくりをしようと思ったことはないですね。そもそも、練習を積み重ねている時点で、武道館で3時間やれる体力はできてると思うんです。自分がどこで疲れるかとか、そういうのは積み重ねで分かるし、慣れるとそこも補えると思います。本番はちょっとテンションが上がって、いつもより体力を使ってしまっても、観てくれる方のお陰で、それをメンタル的にカバーできると思います。

九瓏ケント 僕も大してトレーニングしてないけど、倒れないように考えてライブの流れを構成しています。ずっと濃い味がきても飽きるし、たまにサッパリしたものとか、いろんな料理を混ぜている。そこに泉が言ったような練習での慣れだとか、みんなの言う、気持ちのサンドイッチですね。

榊原タツキ 部活のない日は、マスク二重にしてランニングしています。通気性を悪くして、少しでも肺活量を増やそうと思って。1人だけ体が小さくて体力ないので、細かいところからやろうと思って。

泉奏 マスク二重にする意味あります?

榊原タツキ あるよ、一枚じゃ空気が横から抜けちゃうじゃん。下に小さいのを着けて、上からちょっと大きいのを着けて。でも、ちょっと走って苦しくなってすぐ外しちゃうんですけど(笑)。でも2キロくらいは二重で走っていますよ。

泉奏 でも辛いのを我慢しないと、成長できませんよ。

榊原タツキ 酸欠になるよ。

泉奏 筋トレでも、辛くなってから5回って言うじゃないですか。だから、それじゃ成長できませんよ。ずっと停滞したままです。

榊原タツキ はい、次回から気を付けます(落ち込む)

九瓏ケント タツキは瞬発的筋肉を持っているので10キロ走るより、どちらかと言うと、50メートルダッシュを何回かやって、瞬発力を鍛えた方がアルスマグナの飛び道具的にはいいかな。平均的にならなくていい。

ホワイトデイの思い出「これは無いわ」

神生アキラ

神生アキラ

――新曲のタイトルが「マシュマロ」ですが、ホワイトデイの思い出はありますか。

神生アキラ 小学校低学年の時にチョコレートを貰ったので、何かお返しをしなきゃいけないと思ったんですが、小学生だし何を持って行っていけばいいかわかんなくて。駄菓子の3つ入りのミカンガムを持ってその娘の家に行ったんですよ。そうしたら、その娘が家にいなくてお母さんが出てきたんです。そのガムを見て「これは無いわ」って言われたんですよ(笑)。バレンタインに貰ったのが手作りチョコだったので多分、お母さんと一緒に作ったんでしょうね。それをお母さんは知っているからあんな風に言われたんだと思います。帰ったら、家で母親にも「これは無いわ、買い直して持っていけば?」と言われたけど、結局行きませんでしたね。

朴ウィト 僕も小学校低学年のときに貰って、何を返したらいいか親に相談したんですよ。それを学校に持って行ったんですけど、恥ずかしくて渡せずに持って帰ってきちゃったんですよ。でもその後、その娘の家まで行って渡しました。そうしたら、その娘のお母さんにお菓子とお茶をご馳走してもらいました。ただ、僕、その娘あんまり好きじゃなかったんですよね。

泉奏 そもそもチョコレートを貰わなかったですね。母親から貰って返したりしましたけど。学校とかであまり友達もいませんでしたし、女の子にも全然話しかけられませんでしたね。俗に言う寂しいバレンタイン、ホワイトデイを過ごしていました。ただ、周りの人たちを見て「ざわついてるな」とは思っていました。イベント事にそんなに興味なかったので。

神生アキラ 平日だと思ってたんだ。

朴ウィト

朴ウィト

朴ウィト もしかしたら、3月9日の「マシュマロ」は、奏にとって、初めての(イベントとして意識する)ホワイトデイですね。

泉奏 バレンタインに今年はメイトさんからたくさんお言葉など頂いたんで、しっかりと今回のニューシングル「マシュマロ」でお返しできたらいいなと思いますけどね。

榊原タツキ 僕は中学校の時、バレンタインで手作りチョコを貰ったんですよ。で、これはイケると思ってちゃんとホワイトデイにお返しを渡して、(好きという)気持ちを伝えたんですよ。そうしたらフラれまして。よく分かんなくないですか? バレンタインに貰った手紙にも「私、前々から憧れてました」的な、良い雰囲気の手紙だったのに。それっきりホワイトデイは良い思い出がないんです。僕は勝てる勝負しかしないのに(笑)。それさえも負けてトラウマです。

泉奏 タツキ先輩の勝手な解釈だったんじゃないですか?

神生アキラ タツキはそのチョコ貰ってから好きになったの、それとも前々から気になっていたの?

榊原タツキ 貰ってから…。

九瓏ケント ああ、最初から見抜かれていたんじゃない?

榊原タツキ もう浅はかな考えはしないです…。

――ケントさんは?

九瓏ケント

九瓏ケント

九瓏ケント 僕の場合、小さい頃はお返しはしていましたけど、ある程度大人になってからは貰いっぱなしですね。

――皆さんはマシュマロをお返ししたことは? マシュマロは“あなたが嫌い”という意味だそうですが。

九瓏ケント クッキーが“友達”だっけ?

神生アキラ キャンディが“あなたが好き”だから、クッキーはそうだね。

九瓏ケント そうだ、キャンディを返したことならあった!

神生アキラ 誰もマシュマロの思い出がないっていうね(笑)

…キーン、コーン、カーン、コーン…

――鐘が鳴っちゃいました。今日はこの辺で。有難うございました。

(取材・村上順一/撮影・松尾建吾)

アルスマグナ

アルスマグナ

 ◆アルスマグナ 2011年結成、由緒正しき全寮制の共学高校「私立九瓏ノ主(クロノス)学園」を舞台に活動する2.5次元コスプレダンスユニット。 クロノス学園の高校生と化学教諭、ぬいぐるみの “5人と1匹”で構成される。人気舞台「テニスの王子様」や「セーラームーン」など原作ありきで、それを再現するのが鉄則だった従来の“2.5次元”の常識をひっくり返し、2次元と3次元で同時にストーリーが展開していく。ライブや舞台で徐々に明らかになるオリジナル学園ストーリーと、シンクロ率120%絶頂キレッキレダンスが話題を呼び、「ギガンティックO.T.N」は360万回視聴、「+♂(プラス男子)」では430万回を超える動画再生回数を叩き出し、ニコニコ動画“踊ってみた”で13曲公開初週1位を獲得。

 今年2月リリースしたメジャーデビューシングル『ミロク乃ハナ』がオリコンウィークリー初登場9位、2ndシングル『夏にキスしていいですか?』は5位、3rdシングル『ひみつをちょーだい』も5位、1stアルバム『ARSWORLD』も8位ランクインと全てオリコンウィークリーTOP10入りし、ダンス、歌、舞台を中心に人気はさらに拡大中です。現在、KADOKAWA月刊誌『B’s LOG-COMIC』にて「私立九瓏ノ主学園アルスマグナ活動日誌」が連載中。2次元・3次元共にストーリが進行中。

 2016年1月3日には日本武道館単独公演を大成功に納め、更なる飛躍の1年にすると誓った彼らの4thシングル『マシュマロ』が3月9日リリース決定。秋にはアルスマグナ主演の映画上映も控える。

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